仏教ちょっと教えて 




081 法事はしたほうがよいですか?


Q: 今度、母の七回忌なのですが、法事はしたほうがよいですか?


A:       法事というのは、私たちにとってとても重要な「仏縁」なので、ぜひお勤めしていただきたいと思います。
 「仏縁」とは亡くなった人との別れを通して、仏さまの教えに触れていく縁という意味です。

 大切なことは、法事をつとめることによって先に亡くなった人を偲びながら、同時に自分の人生を再点検することなのです。
 「先に亡くなった人は後にのこった人を導き、あとにのこった人は、先に亡くなった人を偲びながらみあとを訪ねることが大切である」という言葉があります。

 ご質問のように、「母の七回忌をお勤めする」ということは、「母という存在がいたから自分がいる」という事実を皆で再確認することです。
 お子さんの法事も同様です。我が子の法事をするということはとても悲しいことです。しかし、紛れもない事実を自分が認識することによって、そこから新たな生き方が生れてくるということもあるのではないでしょうか?

 生れてくる者がいれば、亡くなる者もいます。生れてきたからには、必ず亡くなっていかなければなりません。また命には年齢が上の人から亡くなるという法則はありません。
 この全宇宙におけるあらゆる法則を共に感じ取るという意味が法事にはあるのです。

 いのちがあまりにも軽視されているという社会の中で、手を合わせるという行動は「命を大切にする心」を育てることにつながっていくのではないでしょうか。
 そして、この法事をいのちのつながりを確認する営みとして、後の世代に伝えていくということもとても大切なことだと思います。

 

回答者: 山崎 龍法


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