A:あなたの所属する宗派によって、お焼香の回数は異なるようです。まずはハウツー的に形式をお伝えし、次に私の味わいをお伝えします。
浄土真宗だけでいえば、本願寺派は、頂かずに一回香をくべ、大谷派は、二回(但し代香の場合は一回)。 高田派は3回、興正派3回(但し1回でもよい)です。いずれも香をひたいに頂かずに焼香します。 他宗で見ると、日蓮宗は、導師は三回、他は一回。曹洞宗は、一回目は頂き、二回目は頂かずの計二回。天台宗は、基本が一回で、二回、三回もよしとあります。
バラバラで統一にかけているようですが、これは焼香の回数は最重要ではないということを物語っています。 例えれば、りんごを一つ供えるのがよいか、二つ供えるのがよいかの相違で、お供えすることが重要なのです。 しかし、人間は形にこだわるので、大きな団体として、一つに形式を定めています。自分の所属する宗旨の作法で焼香するのが、焼香の作法です。
次に私の味わいですが、焼香は数に意味がないことを、数の上で伝えるとしたら1回の焼香が自然です。2,3回と数を重ねると必ず、数に意味づけがされます。
また過般、「浄土真宗ではお香をなぜ頂かないのか」と聞かれました。「なぜするのか」という質問が多い中、「なぜしないのか」は面白い質問でした。
浄土真宗では、お焼香の折りお香を頂きません。しかしその他のことでは頂く場合があります。 それは経本を開いたり袈裟類を着用する場合です。共に頂いてから身に添えます。ところがお焼香や花、仏飯類は頂かずに供えます。 他宗の方が、なぜ香を頂くのかと言えば、祈りをこめるのです。ところが浄土真宗は、私の心は汚染されているとの自覚から自らの心をはたらかせて祈りを込めることをしません。
袈裟や経本は、仏の側に所属する類のものです。だから頂きます。ご本尊を奉るとき、仏をいただいて奉ります。これは心を込めるのではなく、尊敬の念から頂くのだと思います。
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