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シキミ(樒)はもくれん科の常緑樹で、果実や花には毒性があるようですが、昔からこの木の皮や葉を乾燥し粉末にしたものを仏前での焼香や線香等に用いられて参りました。
また、庭に植えたり水にさしておくだけでも良い香りがしますので、仏教全般の寺院の境内やお墓、特に浄土真宗では香木(こうぼく)として本堂やお仏壇の上卓(うわじょく:阿弥陀さまのすぐ前の卓)の華瓶(けびょう)に水を入れてシキミやヒバなどを差す場合が多いようです。
浄土真宗では悪臭や毒・トゲのある木や花を供えることはありませんが、シキミは果実や花を取り除いて用います。手軽で良い香りを長く楽しむことが出来るからだと思いますが、シキミにこだわることもありません。
現在は諸外国からいろんな種類の花や木が入ってきておりますが、お浄土を表現しているお仏壇にふさわしい花や香木を探してみることも楽しいことだと思います。
「シキミでなければならない」「シキミを供えてはならない」といった偏見のないのが浄土真宗です。
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