A:
4月8日のお釈迦さまの誕生日をお祝いする仏事のことを、「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」、「降誕会(ごうたんえ)」などといいますが、いまでは一般的に「花まつり」の呼称で親しまれています。
「灌仏会」という名称は、お釈迦さま誕生のとき、人々も天地自然もよろこびをあらわし、空からは甘露の雨が降ったという故事に由来します。「灌仏」の「灌」は「そそぐ」と読みます。草花でかざった花御堂を作り、そこ中に釈尊の誕生仏の像を安置して、ひしゃくで甘茶をそそぎかけて祝うわけです。
さて「花まつり」という名称についてですが、これは明治期に浄土宗で採用したものだと言われています。「花」と「お誕生」の関係については、おそらく、お釈迦さまのお生まれになったときが草花の華やぐ時節であったことや、あるいは、比叡山戒壇堂の灌仏会のときに行われる「花摘み」(女人禁制の時代にこの日だけは入山がゆるされ花摘みをした)の行事などがあり、こうしたことから供花をもって祝う行事にふさわしい呼び名で親しまれることになったのではないかと思われます。
| |