本の評・紹介ページ


0037 本紹介

『親鸞と歎異抄入門
〜その心の遍歴と他力の教え』
大法輪閣編集部編 大法輪閣


  雑誌『大法輪』に過去よせられた論考に新稿を加えて再構成した書。「日本仏教の中の親鸞」「親鸞の生涯と心の遍歴」「歎異抄入門」の三部構成となっています。山崎龍明氏をはじめ、梯實圓、瓜生津隆真、和田稠、高松信英各氏ほか、錚々たる執筆陣。やはり視点などに統一感を欠いている印象は否めませんが、一編づつが短いので飽きさせずに読ませる形になったとも言えます。なにより教えと生涯、そして歎異抄の解説がコンパクトにまとまったということでもとても重宝な一冊。


『ありのままの自分を生きる』
西原祐治著 徳間書店


  千葉組西方寺のご住職の新著。『がん患者・家族語らいの集い』の会報に連載された「仏教入門」に加筆してまとめられたものです。豊富な話材を駆使しながら仏教・真宗の本丸へ誘引する語り口が見事です。実に読みやすい。「浄土真宗の教えがもっとも正しい教えだというつもりはありません。むしろ、仏教は正しければよいのではないのです」という言葉に端的に示される実践の書。多くの肯きを恵んでくれます。


松本智量  






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