『 G O 』
金城 一紀 著 |
すこーし古いですが、直木賞作品、金城一紀著、窪塚洋介主演で映画化もされた「GO」です。よかったです。日本人、国籍、差別、いろいろ考えさせられました。
第123回直木賞受賞作品。窪塚洋介主演で映画化もされました。在日朝鮮人として生まれた主人公杉原の、友人正一との死別や、突如現れた美しい少女桜井との恋愛などを通した成長を描く。民族・差別・国籍など思った以上に深い内容で考えさせられます。
本自体は主人公杉原になりきって一気に読みました。喧嘩が強いというのは、すべての男の子の憧れです。
そのケンカ術は心理学者か、ターミネーターのように、相手を分析し手玉に取ります。
普段は静かにその爪を研いでいる虎のような孤高の少年は、あくまで冷静にこの世界を見つめ続けます。しかし、恋人を前にしてその自分の中にある孤独を一度爆発させると、堰をきったように、その人間くささが溢れ出し、そこにおいて主人公になりきっている自分も救われるような気持ちになったのでした。
元ボクサーの杉原の父親がまたいい味出しています。なにせ、自分が気に入らなければ、息子とタイマンをはり、反則技使ってまでちんちん(注1)にしてしまうのですから。
著者の金城一紀はコリアン・ジャパニーズと自称されて、私と同年代の68年生まれですが、古臭さも感じつつ、一方で現代の若者の生き方をリアルに描かれているという印象を持ちました。若者の心を掴みたいお父さん必見です。
(注1)ちんちん・・・ボコボコにするの意味
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竹柴 俊徳 |
POSTEIOS研究会 |
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