宗報11・12月合併号横書き88〜93頁に、本願寺派宗制の改正案が記載され、宗門内に意見が求められています。12月末までということで余りにも性急な意見聴取なのですが、「宗制」は宗門の憲法にあたるものですので、大いに注目しなければならないと思います。
今回の改正で変化として注目すべきところは、下記の通りです。
1.門主制について
改正宗制では血脈相承に言及しているのは第4章「宗風」の冒頭部分であり、前文において宗門の伝統と血脈相承をうたっている旧法に比して表現がかなり弱められている。
2.聖教について
@浄土三部経・七高僧の論釈・宗祖の撰述に限定され、蓮如上人の著述等は聖教に準ずるものとしている。
A歴代宗主のご消息等は聖教に含まれていない。
B『歎異抄』については、宗門においても最も親しまれている書物であるにも関わらず、この度の改正でも書名を挙げてはいない。「蓮如宗主が信心の鑑として敬重された典籍」に該当するのではあるが。
3.宗風の記述について
@寺院に関する記述がない。
A僧侶・門徒のほかに寺族があらたに加えられている。
B僧侶、寺族及び門徒は、「同一に念仏し、聞法と伝道に努める同行であり、同朋である」として、それぞれの役割について言及していない。
C宗門の人々の行動(信心の生活のあり方)についての理想または規制について言及していない。
「宗制」は宗門の憲法であり、基本を外さずに絶対必要最小限の法規となるものと思います。改正によって記載されなかった点については特に論議が必要であると思います。
|
群生海 2004.12.16 |
|
|
|
|
|