全国31教区の中でも広域教区である東京教区は1都8県を擁し、教区内各組を見ると過疎過密の両極の組を擁するいわば宗門の縮図といえる教区であります。 このような東京教区に一律的に現状の約2倍という目標護持口数設定され、いよいよ教務所は「1月までに」とか「2月までに」とか、各組に向けて各寺院の護持口数を決めて欲しいとの態度を示し始めました。
もちろん2月の定期宗会で護持口数調整についての問題に決着をつける予定があるので、宗派当局からプレッシャーをかけられてのことだと思いますが。
東京教区の各組長さん方はこの難題に取り組むべく、組内寺院の護持口数の調整に望んでおられます。が、この度、賦課金計算式の変更が発表されました。
今までは、「第8回賦課制度調査検討委員会の答申」に基づく計算式で組内寺院の賦課金を計算し調整に当たってきましたが、この期におよんで宗派当局は「総局案」というものを発表し、おおもとの計算式を変えてくるという信じられない行為に出ました 。
変更内容は以下の3点です。
@護持口数を護持点数に換算するにあたり、「委員会答申」では護持口数1口について「0.2点」でしたが、この度の「総局案」は「0.17点」に下げられました。
A「委員会答申」は護持点数1点、2,450円でしたが、この度の「総局案」は1点2,600円に上がりました。
B「委員会答申」では70歳以上の僧侶の減免は廃止されましたが、この度の「総局案」では「70歳以上の住職以外の僧侶について得度して25年以上の者は賦課金を減免する」ことになりました。
この「総局案」という新しい計算式で賦課金を計算すると、「第8回賦課制度調査検討委員会の答申」により計算した賦課金より、殆どの寺院はアップ率が抑えられることになります。 しかし、割り当てられた護持口数はなんら変わっていませんので、今回は金額的には減ることになりましたが、今後、「計算式を変更しました」ということだけで、いくらでも賦課金額を操作できるという手の内を、宗派は見事に「公開」したことになりました。
前の計算式で何とかまとめようと話し合いを進めてきた組は、また新たな計算式を発表して了承して頂かなくてはならないので、また振り出しに戻っていまいます。今までの苦労が水の泡です。
恐らく、「金額が下げれば護持口数は早く決まるだろう」と宗派は思っていたのかもしれません。しかしそうは簡単にいきません、そもそも、宗派賦課金とリンクしている教区賦課金の計算式も変更があるのか無いのか、届け出門徒戸数×千円の門徒講金は今後どうなるのか、これらが予想の域を出ず実に不透明な状態です。
1月、2月中に各寺院の護持口数が決まるということは無理でしょう。護持口数が上がる現場は大変なんです。
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清内路潤 |
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