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116 中途半端な賦課制度の改正


 
 5月24・25日に開催された臨時宗会において、賦課制度の改正が決定されました。
 しかし、2005年度は賦課要素の内、護持口数の部分については改正前の口数で算定すると言う不完全な決定です。
 現時点で、近畿の5教区で護持口数の調整が遅れているため、護持口数の調整が間に合わなかったのです。まさに、見切り発車の実に中途半端な改正決定です。

 そもそも、護持口数の改正は、総長通達等の本山よりの文書によりますと「不公平感の解消」が目的でありました。
 その弁でいきますと、調整の終わっている26教区におきましては、調整以前の旧来の不公平な護持口数により賦課金を納めなければならなくなります。「冗談も休み休み言え」と言いたくなります。

 今回の宗門の護持口数の調整は、非常に乱暴であったと感じている僧侶は多いことと思います。
 目標護持口数の算定基礎となる数値は、『民力』と調査目的の異なる8年前の宗勢調査を基礎として県単位に算定されています。
 寺院の実態をまったく考慮に入れないその数値は不公平感の解消どころか、新たな不公平を招くことを予想しうるものでした。

 東京教区護持口数調整委員会は総局に対して数度の質問状を提出いたしましたが、本山からのまともな回答はありませんでした。
 その強引なあり方に疑問を感じながらも、大人の対応(?)として調整を進めてきたのが現実です。
 何のことはない、その結果は、総局は本山のお膝元の近畿地方の教区をまとめることすらできなかったということだったのです。

 無理を承知で申し上げることですが、もう1年間猶予があるのなら算定基礎からやり直して調整の仕切り直しをしていただきたいと思うのが正直な気持ちです。
 「大人の対応」と申しましたが、各組は「“不公平感”とはなにか。主観による比較はその出発点から公平を欠いている」「自己申告による懇念について、収納する立場から不公平を語ること自体がおかしい」などの疑問を抱えながら、愛山護持の思いを錦の御旗にして調整を進めたのです。
 宗務当局は、この度の誠に情けない事態に対して何も責任を明らかにしないのでしょうか。甘ったれるのもいい加減にして欲しいと思います。

 腹立ち紛れにもう一つ。
 参拝志納部発行の冊子『あなたの名前はなんですか』回収問題。無駄に失われた経費はいかほどなのでしょうか。

 宗務機構の箍が緩んではいませんか。


群生海 2005.6.1