先の定期宗会で可決された、「活動拠点設置の届出に関する宗則」の施行
に伴い、全国各教務所を通じ全寺院に、届出用紙等が配布される事務手続きが進められている模様である。 当宗則第6条には、「この宗則の施行について必要な事項は、宗達で定める。」としているが、その宗達の徹底もなされないまま事務手続きのみが先行して行われることに、強い危惧を覚える。 当宗則の運用にあたり、その問題性が解決されるまでの間、事務手続きを中止をすることを要望する。
定宗での当局の説明を伝え聞くところによると、当宗則施行の目的は、「当面は活動拠点に関する調査であり、ゆくゆくはその拠点から賦課金等応分の負担をしていただくことを目的としている(要旨)」とのことである。
しかし、宗則の条文を見る限り、その説明する目的を読み取ることはできない。むしろ、活動拠点設置については届け出制とし、その活動について宗門が公に認めていくというように読むことも可能である。 もし、この宗則が、そのような目的で運用されるとするならば、今日までの宗門の都市開教対策はすべて否定されることになる。
東京教区では、宗門の都市開教対策に大きな期待を懐いている。 それは、マンションなどに拠点を持つ教化意識のまったくない拝金主義の僧侶が、葬儀社の下請けとして葬儀を行うことにより、多くの潜在的門信徒が宗門に愛想をつかし離れて行くという事実があるからである。 既存寺院でカバーできないところを、寺院設立(教化拠点)のためにいのちをかけ責任を持って活動する有為な人材の出現を心待ちにしているのである。
ところが、当宗則は、当初の目的(?)のみの運用であったとしても拝金主義の僧侶に市民権を与える可能性が充分にある。 宗祖750回大遠忌の宗門長期振興計画では、「新たな100万門信徒の誕生」を掲げている。しかし、この法規により、その数以上の潜在的門信徒が、宗門に愛想を尽かし離れていくであろう。
いずれにしても、宗門は、届出書を受け付けた時点で、多くの問題を抱えることが目に見えている。 拝金主義の人々は、宗門に多少の賦課金を払ってでも宗門の市民権を得ることに意義を見いだすであろうからである。 これは、首都圏だけの問題ではない。地方の中小都市でも同様の問題を抱えることになりかねないのである。
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群生海 2006.01.01 |
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