1.教区再編にかかる意見聴取
現在、宗門では教区再編にかかる意見聴取が行われている。
寺院庶務部の依頼文によると、現行の問題点として次の点を指摘している。
@教区別・組別の寺院数や僧侶数の較差
A面積等の地理的問題
B財政的な較差
C教区規程に規定されている寺院数に達していない教区、 組の存在
D寺院・組・教区における教化活動の較差
そして、以上の観点から、組は1組30ヵ寺平均、教区は5つの編成案が提示される。教区の場合、現行は31教区であるが、多い案でも18教区、少ないものでは7教区に統合するという教区の広域化が目論まれている。
2.なぜ今、教区再編なのか
現在、宗門は3年後に勤修される宗祖の750回大遠忌に向け、組・教区をあげてお待ち受けの体制づくりを進めている。その努力をぶち壊す提案を、どうして今しなければならないのか。
教区再編が本当に必要不可欠なものなら、新しい体制で大遠忌を迎えるべきではなかったか。また、もし大遠忌後に再編が実施されれば、宗門の混乱と長期の停滞は免れないだろう。
3.教区再編を提案する理由が不明瞭
指摘されている問題点により、教区が立ち行かないような危機的な状況があるのか。財政的な較差が一番現実的で深刻な問題であるが、危機的な現実が存在するのか。
4.広域化が地域較差是正に繋がるのか
教区行事を実施する場合、遠隔地の寺院ほど交通費等の負担が大きくなる。過疎地対策に逆行するのではないか。
5.教化活動の較差を広域化で是正できるのか
組の活動が充実するためには、30ヵ寺は多過ぎる。一カ寺5人の会合でも150人。活動を充実させるために組の分割が当面の課題になっている組が現実にあるのだ。
教化活動の較差を是正するためには、教区の再編より別の施策があるのではなかろうか。教区の広域化は論外である。
6.教区再編の最大の理由が宗会議員定数改正絡みだとしたら
噂によると、宗会議員定数是正がうまく行かないのでその打開策として教区再編案が生れたという説があるとの事。 それが本当だとしたら、あまりにも乱暴な話である。宗門としてリスクが大き過ぎる。一票の重みの較差是正には、それこそ選挙区を複数教区にまたがる広域にして中選挙区制にするなど、リスクの少ない別の方法を検討してほしい。
この度の教区再編の提案は、まったく不可解だ。宗門の活性化に繋がるのであれば話が分かるのだが、まず再編ありきの提案にはついていけない。問題がある場合、現実に問題が生じている教区や組について、部分的に適正化を計るべきではないだろうか。
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群生海 2008.2.1 |
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