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140 あんのん医療保険の料率が
大幅に変更

 宗派が昨年2月より始めた、本願寺派の住職寺族門信徒など関係者専用の団体保険である「あんのん医療保険」の料率が発売一年で大幅に変更になった。

1)発売わずか1年で補償額が半額に
 この保険はとても良い保険だった。@保険料は、年齢・性別・職業を問わず、全員同額。A団体契約のため、30%の団体割引。B新規加入は69歳まで、継続は79歳まで加入可。(契約は1年毎の更新)。C病気・ケガによる入院について、1日目から補償。D地震・噴火・津波等の天災によるケガも補償。E精神障害による病気も補償。などである。
 保険会社の予定では、本願寺さんの保険なので、関係者の全年代の方々が沢山加入すると言う見込みであった。しかし、そうはいかなかった。この保険に加入したのは、69歳まで加入でき継続は79歳までできることから、この年代の方の加入率が高くなった。結果、保険金を支払うことが多くなった。
 わずか一年で、補償内容、保険料を見直すことになった。変更点は、保険料が全年代同額ではなく、年代別になり、年代が高くなるにつれ、保険料が高くなり、補償額も低くなるということである。詳しくは別表の通りだが、65歳以上の方だと、以前は月1,000円で、入院給付1日4000円だったが、今度は半額の2000円になる。逆に59歳以下は保障内容が良くなっている。比較的元気で病気怪我も少ない年代は補償が良くなっているが、本当に保険が必要な年代に対する、補償が薄くなってしまった。
 保険料率の変更は、死亡や病気になる方の数、平均余命など、統計が変わると変更になるが、わずかな金額である。こんなに大幅に変更になる保険は聞いたことがない。

(保険新旧対比表はこちらで



2)浄土真宗本願寺派の名を傷付けた

 この保険の販売に際しては、本山、教務所、組、住職が薦めたり紹介をしている。ご門徒の中には、「本願寺さんが薦めるのだから安心」ということで加入した方も多い。安心していた保険がこんなに早く変わっていったら、本願寺から住職まで、信用がなくなってしまう。御法に傷が付くと言うことである。もし、住職の信用がなくなって門徒さんが離れていったりしたら保険会社はどうしてくれるのだろうか。



3)保険会社は誠意ある対応を
 保険会社は、事務的な対応しかしていない。収支のバランスが取れなくなったので、変更をし利益が出るように修正しただけだろう。本願寺派の名をかり販売していると言う重大さをどこまで理解しているのか、ましてやもうその名を汚したということ。まず自覚は無いだろう。
 この度の変更について、コールセンターから加入者に電話連絡しているようだが、コールセンターの方が本願寺のことを理解しているはずはなく、人によってはお行儀の悪い言い方をする人もいるようだ。加入者からすれば本願寺の保険を説明してくれるコールセンターの人も本願寺の人なのである。その方々の発言や態度も本願寺の名を汚すことになりうるということを理解し、誠意ある対応をしていただきたい。
 保険会社の試算ミスによるこの度の事は、先ずは宗派や関係機関住職方に対しての平謝りから始めるべきことである。



4)宗派の財源としての保険?
 加入者に1人に対し、組(そ)に千円の事務手数料が入ってくる。特に組事務所では加入にあたって、各種研修会などで関係者に御案内をする程度で、事務をするわけではないが交付金が来る。宗派から組にはいるのだから、宗派には保険会社から入っていることになる。この経費も保険に反映させてくれれば少しは変更の度合いが少なくなったのではと思う。



5)今後
保険会社の担当は、今後変更は無いようなことを言っているが、それも誰もが約束できない。心情的なことだが、加入者が増えるとは思えない。また修正、廃止等と言うことになったら、大問題である。
 この保険は1年更新で終わりがない。このまま続くとも思えないしどうなるのか心配もある。注意深く見ていきたい。


合掌          
清内路 潤 2009.01.16