御影堂平成大修復工事完了に伴う御動座法要、そして大修復完成慶讃法要が厳修され、宗政への関心は総長人事に集まりました。宗会では、昨年12月の宗会選挙後の会派再編で不二川総長にとって盤石の態勢になったかのように見えました。しかし、水面下では不二川総長退任への駆け引きが行われていたようであります。
不二川総局は、8月3日臨時宗会を招集し総辞職しました。即日ご門主より総長候補者のご指名があり、石上智康宗会議員・上山大俊元龍大学長・橘正信宗会議員(前総務)の3者よる選挙となり、翌4日に行われた宗会議員による総長選挙で橘正信氏が総長に選出されました。
総長選挙結果は次の通りです。
橘正信 44票
石上智康 30票
上山大峻 2票
今回の総長選挙は、結果としては与党候補が勝利する順当なものでありましたが、耳目を驚かすに充分なものがありました。
不二川前総局にとって、政権末期には今回総長候補者の一人である石上議員は野党の重鎮であり目の上のこぶとも言える存在でした。先の選挙では対立候補に肩入れをし、結果として選挙での勝利は得られませんでしたが、石上議員の会派を解体させるなど、石上議員の影響力を失墜させることにほぼ成功したように見えていました。そのような中で、石上議員にご門主の総長候補者へのご推挙があったこと、そして圧倒的不利の宗会においても石上議員が30票を獲得したことは注目に値します。
今回のご門主の総長候補者の指名には、ご門主の宗法の改正に対するなみなみならぬ思いが込められているとのことであります。宗法の改正には、宗門の将来がかかっています。部分的な対症療法というより、抜本的な改革が求められているのだと思います。そのためには、宗会議員の既得権益に踏み込むような問題を審議しなければなりません。大きな決断力と、強い指導力が求められます。橘総長の指導力が試される最重要課題となることは間違いありません。その一歩として石上議員をどのように処遇するのか、注目されるところです。
いずれにしましても船出をした橘総局には大いに期待したいと思います。現在停滞し、硬直化してしまっている宗務は数多くあります。宗務の実態を点検し、宗門の活性化に務めていただきたい。機構はあるが機能していないその原因を分析し適切な対応をすることが肝要です。問題は山積しています。
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無憂樹 2009.08.16 |
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