今月の法話


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更新日 2001/01/01

「年頭所感・2001年」

   明けましておめでとうございます。

 私たちポストエイオス研究会は、人々の悩みに直接答えることができなくとも、悩みを共有できる立場にありたいとの願いに立ってホームページを運営しています。最近のニュースのページをはじめとして各コーナーでは、あらゆる事物に対して私たちの思いを述べていきたいと考えています。僧侶がどのようなことを考えているかを知っていただくことにより、仏教の思惟方法や浄土真宗の立場や物事のとらえ方を知っていただければと思います。

 元来仏教は、因果の法を説く中で、現実社会の中で如何に生きるべきかを個々に問うてきた教えでありました。しかし、現在仏法を意識しながら生活している人はどれほどいるでしょうか。残念ながら、いつの間にか、仏教は生活の場から遊離してしまっていると言っても過言ではありません。

 朝日新聞(12月18日)のこころ欄に載っていました座談会『人権と宗教』の中で、カルトの問題に対しても仏教教団は反応が鈍かったことが厳しく指摘されています。ジャーナリストの江川紹子氏は、
 「あの事件(サリン事件)が起こる以前、どこかの仏教教団がオウムを調べていないかと思ったが、見つからなかった。事件が起きてからも何もしていない。個人的に取り組もうとしている仏教者がいても、教団としてバックアップしない。日弁連の『判断基準』などにも、反発するだけで、自分たちの既得権を守ろうとする。そこは、反省してもらわないと」
と仏教教団の、社会の問題への無関心を厳しく指摘しています。

 私たちは、教団を代表するものではありませんが、社会に対して発言する中で、仏教教団の矛盾もいままでより以上に見えてきていることも事実です。僧侶向けページでは、単なる批判に終わることなく建設的な意見を述べていきたいと思います。仏教教団といえども、世俗を離れた存在ではありません。もし、世俗を超えた気分に浸っているとしたら、それは傲慢な姿でしかあり得ません。現実社会からは縁遠い存在として、ますます敬遠されていくことになるでしょう。

 ポストエイオスは、常に動いている社会に敏感に反応し続けていきたいと思っています。ポストエイオスのホームページに行けば、何か意見を述べているだろうとの期待をされるようなページづくりを目指していきたいと思います。

小林 泰善  

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