2001.0801 POSTEIOS

 新聞・雑誌 仏教情報 拾い読み 2001年07月号 

(801)8月28日 朝日夕刊 第17面
 「僧として一足の重いわらじ」などと題して、芥川賞・直木賞の授賞式の記事ありました。芥川賞受賞の玄侑宗久氏に関わる部分のみ抜粋します。
 「禅僧の玄侑さんは墨染め衣で壇上に立ち、「台風の日に受賞になったが、禅宗ではこんな理不尽をわざと風流と呼びます」。家業と小説の両立に関しては「受賞によって坊さんとしての自覚がかえって強まった。二足のわらじのつもりはなく、一足の重いわらじをはいた気がする」と語った。
 芥川賞選考委員の池澤夏樹さんは「社会の重心が若い世代にシフトしていても、支えているのは中高年の人々であり、その悩みや苦しみを書くのが文学。死を意識しながら宗教を考える人々を描いた玄侑さんの文学は、力の発揮しどころだ」と祝辞を述べた。」

(79)8月27日 日経夕刊 「生活家庭」欄☆
 「主婦向けに通信教育部」と題して、武蔵野女子大学のことが紹介されています。
 「武蔵野女子大学は来年4月から、子育てに悩む主婦や、終末医療にかかわる看護婦、企業で働く社会人などに向け、心理学を学べる通信教育部を新設する」とのこと。

(78)8月27日 朝日夕刊 「こころ」欄
 没後20年を前に安田理深氏(真宗大谷派の僧侶)の評価が高まっている、との特集です。各地で安田氏の著作に基づく勉強会が開催されているとのこと。

(77)8月26日 新潮45☆
 新興宗教と「勧誘」という題する特集が掲載されています。

(76)8月25日 朝日朝刊 第1面☆
 「世界文化遺産であるカンボジア・アンコールワット遺跡群のバンテアイ・クデイを発掘調査している上智大学アンコール遺跡国際調査団(団長・石沢良昭教授)が24日までに細かい仏座像が4面に刻まれた「千体仏」の石柱を発掘したとの記事がありました。

(75)8月25日 中外日報☆
 24日に、北山別院(浄土真宗本願寺派)が京都地検に対して元輪番を背任罪で刑事告訴したことが報じられています。

(74)8月24日 日経朝刊 社会面 「窓」欄
 全文掲載
 醍醐寺は23日、収蔵庫の調査で、同寺の開祖・聖宝(しょうぼう、832−909年)の最古級の肖像画と、空海の同じころの肖像画が見つかったと発表しました。
 聖宝は奈良で密教を学び、874年に醍醐寺を開いた。上醍醐にある国宝の薬師堂なども建てたとされる。肖像画は縦54センチ、横46センチの油紙に墨で描かれており、裏面に「開山」「尊師」と書かれていた。
 聖宝の肖像はこれまでに約40点見つかっているが、今回の絵は油紙の使用などから最も古い鎌倉時代前期(13世紀)の作と見られる。数珠を持つ珍しい姿で、七条袈裟姿で台の上に座って説法する様子らしい。

(73)8月23日 中外日報
 「いま偲ぶ二人の仏教者」と題し、ハンセン病隔離政策に抗議した大谷派の小笠原登医師と当時の中外日報記者であった本願寺派三浦参玄洞について、中西直樹氏(京都女子大学宗教・文化研究所嘱託研究員)が寄稿しています。 

(72)8月22日 京都新聞夕刊
  真宗本願寺派が北山別院問題告訴を表明しました。
 浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)の北山別院問題をめぐり、同派の武野以徳総長は二十二日の臨時宗会で、「(関係者を刑事告訴すべきとした)答申の意志に沿った処置を取らざるを得ない」として告訴に踏み切る方針を表明した。
 北山別院(左京区)の墓地造成をめぐっては、本山が主導し、暴力団も関与のうえ、既存墓地があったように偽装して京都市の墓地経営許可を得たとされる。また、墓地造成会社への融資に際して別院名で債務保証した二億円が焦げついている。
 武野総長は、債務保証について「借入金の詳細は不明のまま。調査権限を持たない総局の限界を痛感している」と述べた。また、債務保証が「背任罪にあたる」との見解を示し、「不本意ながら、(告訴などの)処置をとらざるを得ない時期に来ている」と述べた。

(71)8月23日 日経朝刊 「交遊抄」欄
 五十嵐安夫氏(原信・専務)の寄稿ですが、「燈々無尽」と題して、仏典の言葉が紹介されていました。
 一部抜粋。
 渡辺師範(五十嵐氏の剣道の恩師)の口癖に「燈々無尽」があった。「良き教えを人にも教えよ」と「維摩経」の「無尽燈」を引用した。すなわち一つの灯を別の十の灯に点火し、さらに百、千とともしていけば明るく輝き消えることがない。
 こうした師に鍛えられたことを仲間らと語り継ぎ、師のように、絶頂にあるときも谷底を歩むときも堂々と陽気でありたい。


(70)8月23日 日経朝刊 「文化」欄 メイン
 「超大作 和紙で千年の輝き」などと題して、薬師寺・玄奘三蔵院に今年完成した平山郁夫氏の大作「大唐西域壁画」などに使用されている、特大の越前和紙について、その製作者の岩野平三郎氏の寄稿です。平山氏のたっての希望で、継ぎ目のない一枚の特大和紙を使用しているとか。
 一部抜粋。
 今年1月1日午前零時、21世紀の幕開けを飾り、奈良・薬師寺境内の玄奘三蔵院で平山郁夫画伯の大作「大唐西域壁画」が、最後の一筆により完成した。7世紀初頭にインドから大量の経典を持ち帰り翻訳した中国・唐の高僧、玄奘三蔵の旅の情景が描かれている。高さ2.2メートル、幅2.6〜3.2メートルの計13画面、七場面(総延長49メートル)。この壮大な絵には、福井県今立町の私の工場で漉いた特大の越前和紙が使われている。
 (中略)
 西方浄土須弥山などシルクロード七場面の壮大な絵は、公開されて七ヶ月余り。六十万人を超す参拝者が訪れた。高田管長、平山画伯にささやかなお手伝いができたことをこころからうれしく感じる。


(69)8月18日 日経朝刊 「プラス1」
 「お寺の「友の会」特典多様」などと題して、京都や奈良で、様々な特典が付くファンクラブを設ける有名寺院が増えているとの記事がありました。特典の内容は、会員になれば、拝観料が無料になったり、催物に招待されたり、会報が送られてきたり、等々。また、支払った会費が文化財の保護に役立てられる場合もあるとか。
 三十三間堂、醍醐寺、東大寺、興福寺などの例が紹介されています。

(68)8月18日 京都新聞☆
 本山のHPにハッカーが侵入しました。本願寺派によると、HPは終戦記念日の十五日午前一時ごろに書き換えられ、首相の靖国神社参拝を批判する中国語と英語の文章と、「×印」を付けた小泉首相の顔写真、中国国旗が書き込まれ、中国国歌が流れるようになっていたそうです。

(67)8月18日 中外日報
 浄土真宗本願寺派の宗会において、22日(水)に議員要求による初の臨宗が招集されたとの報道がなされていました。北山問題の処理の一つの山場だと思います。その審議内容に注目したいと思います。

(66)8月17日 朝日、日経・図書広告
 新刊書として、伊藤益著『親鸞−悪の思想』(集英社新書)が紹介されています。
   ◎説明文
 こんな時代だからこそ・・・800年の時空を超えて甦る「悪の思想」「善人すら往生を遂げるのだから、悪人が往生するのは当然」――見奇怪な言葉に込められた親鸞の真意とは。「歎異抄」に展開される思想を丹念にたどり、現代人にどんな意義を持つか考察

(65)8月14日 朝刊各紙 小泉首相、靖国神社公式参拝関連記事
 戦没者追悼を目的とした国立施設を検討するため、官房長官の下に私的懇談会が発足されることが報じられています。「国民、外国の人も喜んで進んで(参拝に)行けるような施設を造るようなことがあってもいいのではないか」(福田官房長官)

(64)8月14日 朝日新聞☆
 首相の靖国参拝に対する各団体の抗議・批判が取り上げられており、宗教団体では、真宗教団連合がトップで取り上げられました。 

(63)8月11日 日経夕刊 「生活家庭」欄
 「多様化する墓事情」「関心高い永代供養墓」などと題して、第一生命のシンクタンク、ライフデザイン研究所の小谷みどり副主任研究員による現代墓事情に関する報告ありました。
 厚生労働省の「墓地に関する調査」(1998年)によると、「年に1〜2回」または「年に3〜5回」墓参りに行く人は、合わせて72%。また、「自分が利用できる先祖のお墓がある」人は7割を下回っており、逆にお墓がない人は22%。お墓のある人でも「お墓を継いでくれる人が決まっている」のはわずか、51%等々の数字も示されています。
 また、最近関心の高い永代供養墓ですが、寺に後継ぎがいなくなって、永代供養墓自体が無縁化する、といった困った事態もあるとか。永代供養墓を選択する際には、「どのように埋葬され供養されるのか、寺院の経営状態や評判はどうかなどをよく調べる」必要があるとアドバイスされています。

(62)8月11日 日経夕刊 「旬の一句」欄☆
 宇治の万福寺に因んだ川柳作家・大西泰世氏の寄稿が掲載されていました。

(61)本願寺HPに掲載☆
 真宗教団連合が、靖国参拝中止要請を首相宛に6月5日付けで提出していましたが、この度、8月3日付で再提出しています。

(60)8月5日 朝日新聞・大阪本社版☆
 全日仏理事長の石上智康師の靖国に関する談話が掲載されました。大阪本社版のため東京版では掲載されませんでした。靖国問題に対して適切にお答えいただいてます。靖国問題は、外交問題であるような報道をされていますが、信教の自由の問題であることを訴えています。

(59)8月7日 朝日朝刊 2面下段の図書広告欄
 文芸春秋発行の『文学界』9月号に、先頃芥川賞を受賞された玄侑宗久氏の受賞第一作とインタビューが掲載されています。インタビューのテーマは「僧侶が小説を書くということ」です。

(58)8月6日〜・日経夕刊・「人間発見」欄、連載(インタビュー形式)
 天竜寺塔頭・南芳院住職、ヘンリ・ミトワ氏が取り上げられています。
 冒頭部分のみ。
 「米国人の父と日本人の母の間に生まれた京都・嵐山の天竜寺塔頭・南芳院住職、ヘンリ・ミトワ氏(82)は、戦争で二つの国家の間に引き裂かれた波乱の道を歩んだ。国籍とは。戦争とは。文明とは。流転の人生が二十世紀を浮き彫りにする。
 ――米国から21年ぶりに帰国したのが1961年ですから、今年でちょうど40年になります。ビジネスマンをしていて禅と出会い、日本に舞い戻ってから妙心寺で得度したあと、天竜寺の平田精耕老師の弟子になったわけです。43歳でしたから20歳前後の若い修行僧と一緒にする修行は大変でした。日本はまだ石油ストーブも珍しい時代でしたね。
 いまはこの南芳院で米国で結ばれた妻と暮らしながら、毎月一日、十五日、三十日に本山でお経を上げてお勤めするほか、お茶や陶芸のけいこや外部の公演などいろいろな意味で修行の毎日です」
  以下略。

(57)8月5日 日経朝刊 読書欄
 山折哲雄著『愛欲の精神史』(小学館)が紹介されています。
 冒頭の部分のみ。
 「山折哲雄はアカデミズムとジャーナリズムの両方を自在に往来してきた稀有な宗教学者である。『愛欲の精神史』はいい意味でその山折宗教学の特徴と醍醐味が横溢している。出だしから秀逸だ。浄土真宗の僧侶であった父親の灰皿が、若い娘がスカートを広げて腰をおろしている姿につくられていて、その娘の表情に魅せられた話から始まり、読者は一気に山折ワールドに引き込まれる」 (評者 鎌田東二氏)

(56)8月4日 朝日夕刊☆
 ハンセン病患者の隔離政策に当初より反対して治療を続けた医師のことが紹介されていましたが、その方が、愛知県の寺院出身者で、お寺との関係が少し述べられていました。

(55)8月2日 中外日報
 この度の参議院議員選挙で、浄土宗寺院住職の小泉顕雄氏(自民党公認・比例区)が初当選したことが報じられています(14万2747票獲得。20人当選したうちの第18位)。浄土宗僧侶が国会議員に当選したのは、戦前の椎尾弁匡氏以来とのこと。
 記事より一部抜粋。
 「小泉氏は自民党の公認を得たものの、当初から僧侶として仏教界を足場に選挙戦を繰り広げ、岐阜県仏教会など仏教会関係に支持を求める一方、各伝統教団を中心に支持を訴え、特に地盤とする浄土宗では宗議会や教区長会、全国の各地方教化センター、各教区の各種研修会や大会、さらには吉水講、おてつぎ運動の各種会合などで精力的に支持を訴えた」


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