1999.7.31 POSTEIOS

 新聞・雑誌 仏教情報 拾い読み 7月号  

(35) 7月27日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄

 「ザビエルの時代」という連載がありますが、今回は「専修念仏、ルターとの類似に驚く」というタイトルです。内容は戦国期の宣教師たちが、一向宗とルターの主張との類似に注目していたというものです。
 尚、記事の中で、東本願寺出版部発行の『キリシタンが見た真宗』という本が紹介されています。当時のキリシタン関係史料の中から、真宗に言及する部分を抽出したものです。


(34) 7月27日・朝日新聞夕刊・第12面

 「金子みすずの世界展」の特集です。内容は、「大漁」などの有名な詩数編、みすずの生涯、そして、みすずを発掘した矢崎節夫氏のコメント等からなっています。因みに展覧会は29日〜8月10日まで。東京・大丸ミュージアムにて。


(33) 7月24日・朝日新聞・第17面(学芸欄)

 「こころ」欄担当の菅原伸郎氏が、「教育すべき宗教の歴史・役割」という題で、学校教育において宗教教育がどのように扱われてきたか、また、その問題点等を論じておられます。


(32) 7月24日・日経新聞夕刊・第1面の「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊英氏の執筆、第2回目です。今回の内容は、「自己との出会い」という題で、芥川の「鼻」を例に、比較相対を離れ、本来の自己を見つめ直そうという、有り難い御法話です。


(31) 7月23日・日経新聞・文化面

 「生れかわった法隆寺宝物館」と題して、東京国立博物館の法隆寺宝物館の完成記念特別展示についての報告が載っています。最大の特色は、8世紀の作品が中心の正倉院宝物よりもさらに古い、7世紀の宝物が含まれている点、とか。8月29日まで。


(30) 7月23日・朝日新聞夕刊・第2面の「窓」欄

 「三蔵法師」というタイトルです。玄奘三蔵はじめ多大な努力を払って仏典を伝来した、いにしえ人たちの労苦に想いを馳せつつ、瞬時に情報が得られる現代の行く末を案ずる、というのが趣旨。


(29) 7月22日・産経新聞夕刊・第5面

 「『海の男』見守り続けた100年、瀬戸内海『兵学校の島』の寺」と題して、広島県江田島の浄土真宗の品覚寺が取り上げられています。戦争中、兵学校の生徒が休日になると品覚寺を訪れ、当時の住職と様々な交流があったこと、物故者法要が今も続いていること、などが紹介されています。記事は次のように結ばれています。「名刹という言葉は、人の営みとともに歩む、こうした寺のことを言うのであろう」。


(28) 7月21日・日経新聞・文化面「交遊抄」欄

 「住職のもてなし」という題で、駐日ドイツ大使が寄稿されています。内容は、長野五輪の際、ドイツチームのために寺をゲストハウスとして提供した長野市の蓮香寺という寺の住職のもてなしに感激した、というものです。


(27) 7月20日・朝日新聞

 朝日新聞創刊120周年記念企画の「シルクロード・シンポ99」が紹介されています。シンポジウムは、東京・福岡・奈良で開催され、3会場に共通するパネリストは山折哲雄氏です。共通するテーマは、玄奘・東西交流(国際化)・仏教。


(26) 7月17日・朝日新聞夕刊・社会面

 浄土真宗の延浄寺(東京都調布市)住職、網代正孝氏を中心とするフィリピンへのボランティア活動のNGO活動が紹介されています。同住職を会長とする「日本フィリピンボランティア協会」の会員の方の寄付で、フィリピンに仮称「コミュニティ開発大学」を建設することになった。


(25) 7月17日・産経新聞・書評欄

 「21世紀へ残す本残る本」の一つとして、鈴木大拙の『日本的霊性』(岩波書店)が紹介されています。鈴木大拙は禅と念仏の双方を重んじた仏教者です。


(24) 7月17日・読売新聞・東京江東版

 延命寺(東京都葛飾区)では、インターネットを利用して、寺や地域の行事案内を行っています。サイバー坊主、電脳住職の異名も。


(23) 7月16日・朝日新聞・家庭欄
 「くらしの友」が3年ごとに行っている「葬儀に関するアンケート」の結果が紹介されています。斎場葬が6割を越え、お布施の平均額は五十七万九千円、また、「戒名は必要ない」という声が47。1%もあったとか。


(22) 7月13日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄
 宗教情報リサーチセンター(文京区小石川・小石川伝通院「繊月会館」)が紹介されています。同センターでは、多種類の新聞・雑誌の宗教関係記事を収集蓄積し、コンピューターで検索し、閲覧することができます。


(21) 7月13日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄
 在家仏教協会初代理事長だった故加藤辨三郎さんの著作集が、協和発酵工業50周年を記念して出版された(非売品)との記事が出ていました。
 加藤氏は、科学者であり、念仏者であった方です。その人となりを紹介しています。


(20) 7月13日・讀賣新聞・第37面

 「ポスト定年」と題した記事に、戒名のあり方が取り上げられていました。解答者は葬儀問題に詳しい碑文谷創氏。


(19) 7月11日・産経新聞・書評欄
 下記の本が紹介されていました。
田原由紀雄、橋川惇編著
「傑僧 訓覇信雄」 (白馬社・一九〇五円)
 全国に一万末寺、一千万門信徒を抱える京都・東本願寺は昭和四十年代から五十年代にかけて、「お東さん紛争」とよばれた内紛を経験した。宗祖親鸞の血を引く大谷家に対し、宗門の改革を求めて立ち上がったグループを率い、精神的支柱となったのが元宗務総長の訓覇信雄(くるべ・しんゆう)。反逆僧ともいわれた彼の評伝、語録などを集めた一冊。


(18) 7月7日・夕刊フジ

 伝統仏教教団を主な構成員とする全日本仏教会では、不破理事長が自民党の森幹事長に対して、宗教政党である公明党が参画する自自公連立政権は容認できない、との反対を表明。


(17) 7月6日・中外日報
 6月30日に全日本仏教会で、教化セミナー「これからの葬儀を考える」が開催されました。パネラーは、大村英昭大阪大学教授、奈良康明駒澤大学教授、村上興匡東京大学助手。

(16) 7月2日・日経新聞・文化面
 
 薬師寺管主の松久保秀胤氏が「仏足蹟信仰 足跡をたどる」と題して、御自身のライフワークとされている仏足蹟(石)研究について寄稿しておられます。研究のための海外への調査旅行は40回を越えたとか。


(15) 7月1日・中外日報・第一面
 種智院大学の沖和史先生が、「『還浄』運動と教学論争」と題して、真宗でしばしば耳にする、「浄土へかえる(還浄)」という表現が、適当か否かについて議論されています。3回連載。


(14) 7月1日・朝日新聞・社会面「青鉛筆」

 浄土真宗の厳正寺(東京都大田区)には七百年前から「水止舞」が伝わっています。雨乞いならぬ、雨止めを願ってのものだそうです。これは、無形文化財として守られ続けています。