新聞・雑誌 仏教情報 拾い読み 8月号
(59)8月29日・日経新聞・読書欄
推薦図書の一冊に、岳宏一郎著『蓮如
夏の嵐(上・下)』(毎日新聞社)が紹介されています。次の通り。
岳宏一郎『蓮如 夏の嵐』は、蓮如そのものを、戦国前史ともいうべき、すべての価値観や秩序が崩壊した時代の象徴として捉えた力作。従って蓮如自身も名僧伝の類から完全に解放され、時にはマイナス面すらもさらけ出し、私たち同様等身大の人間として苦悩する。作者が抱いているのは混沌とした時代を真摯に生きる者に対する共感であり、そこには当然、安部作品(この本の前に紹介されている作品)同様、平成の今に対する姿勢が重ね合わされて来る。
(58)8月28日・産経新聞夕刊・文化欄
臨済宗神宮寺住職・高橋卓志氏が「ノストラダムスと2日酔い ― 新世紀への自覚の時」という題で
寄稿されています。
現代社会における様々な「いのち」の問題に関する時代の流れに危機感をもち、異論を投じています。
(57)8月28日・朝日新聞・「探求 記者の目」欄
「鈴木格禅讃さんの最後」と題し、8月19日に亡くなられた駒沢大学名誉教授の鈴木格禅さんについての
回想の記事が掲載されています。
生前のエピソードなど、鈴木格禅さんの人柄が偲ばれる記事です。
(56)8月28日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄
興福寺貫主、多川俊映氏の寄稿です。世界文化遺産に登録された「春日山原始林」について、神聖な山として不可侵であった(その結果として山が護られてきたのであり、いわゆる自然保護とは全く別物と指摘されています)反面、一部では用材調達等のため区域を限定して入山を認めてきた柔軟さを評価しています。最後に、「何事もやみくもでないことが肝心だ」とまとめています。
(55)8月26日・朝日新聞・東京版
「よく遊びよく学べ、大人も子供も寺子屋へ」と題して、杉並区の妙法寺境内で開かれている寺子屋が紹介されています。地元に住む大学生やお坊さんたちが地域の小中学生を集め、勉強を教えたり、一緒に遊んだりして交流を深めているようです。
(54)8月25日・読売新聞・第23面(社会面)
「葬儀、戒名料に不満」と題して、僧侶有志が全国規模で行ったアンケート調査結果が報告されています。葬儀の際にかかる費用について再考を促す意見が多いなか、注目されるのは、都市部だけでなく、地方においても不満が強いという点だそうです。
(53)8月25日・産経新聞夕刊・宗教こころ欄
千鳥ケ淵戦没者墓地で行われた新宗連の「平和式典」について紹介されています。式典では最近話題になった「靖国問題」にも言及されとか。尚、今年で34回目とのこと。
(52)8月24日・産経新聞夕刊・社会面「十字路」欄
空海が唐の皇帝から贈られたとされる純金製の数珠が、愛媛県美術館で開催される「国宝弘法大師空海」展に出品されると報じられています。その存在が一部の関係者にしか知られていなかったものだそうです。写真付き。
(51)8月23日・讀賣新聞・川崎版
「幻想的な光の川」と題して、川崎市の生田山信行寺にある公園墓地「春秋苑」で営まれたおくり火の法要「生田のおくり火・還燈会」について紹介されています
(50)8月21日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄
興福寺貫主の多川俊映氏の寄稿です。「老若男女」という題。同質のグループで集う場合には気付かない様々な側面が、老若男女が集う場で見えてくるのではないか、そして、それがこれからの時代大切なことではないか、という趣旨。
(49)8月17日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄
「『スピリチュアル』をどう訳す」という記事が掲載されています。人間の根底にある宗教性を論ずるときに必要な用語で、論議の的になっているとのこと。これからの日本社会(公教育を含む)で、宗教的情操教育がどのように取り上げていかなければならないかという問題にかかわることのようです。
(48)8月20日・本願寺新報
国土庁主催の「中学生、水の作文コンクール」において、島根県の浄土真宗本願寺派寺院の娘さんが、1万1900にも上る応募の中から、最優秀賞を受賞したと報じられています。
(47)8月14日・日経新聞・社会面「窓」欄
前日営まれた高野山万灯供養会のことが紹介されています。弘法大師の墓所で約千年ともし続けている「貧女の一灯」から移された、約10万本のろうそくの炎が幻想的な雰囲気を醸し出したとのこと。
(46)8月14日・日経新聞夕刊・第一面「あすへの話題」欄
興福寺貫主の多川俊映氏の寄稿です。「八月十五日」という題。「敗戦」という表現を避けるためではなく、戦争には勝者も敗者もいないのだという意味で、勝負に拘らない「終戦」という表現を、今こそ大切に考えていくべき、という趣旨。
(45)8月13日・日経新聞朝刊・文化面
「東大寺、ドイツで「生きた寺院」展示」と題して、今秋、ケルンで開催される東大寺展のことが紹介されています。宝物の展示だけでなく、僧侶の朝夕の勤行を始め、生の東大寺を知ってもらおうという趣向も凝らされているとか。尚、この出展品は、12月9日から、池袋・東武美術館でも展示される。
(44)8月10日11日12日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄
お盆対談ということで、ピーコ・横森理香・村田直治の3人の対談が3日間に渡って掲載されました。タイトルは、
1日目、死んだらどこへ行く
2日目、近くて遠いお坊さん
3日目、すたれる風習に待った
でした。
(43)8月9日・朝日新聞・社会面「青鉛筆」欄
群馬県桐生市の寺で、パチンコ台の供養祭が催されたとの記事が載っており、パチンコ台を安置した祭壇の前で僧侶が読経している写真も掲載されています。
(42)8月8日・毎日新聞・書評欄
中野美代子著『三蔵法師』(中公文庫)、並びに、朝日新聞社の『三蔵法師のシルクロード』とが取り上げられています。なぜ、三蔵法師がかくも人気があるのか、という問いに答える形で紹介されています。その答えの一つに、見逃されがちな次の点を指摘されています。「インドにおける重要な仏教遺跡のほとんどが、彼の記録から発見されたということだ。玄奘なかりせば、仏陀の悟りの場所ブッダガヤーも初転法輪の地サールナートも、埋もれたままだっただろうという。」
(41)8月7日・日経新聞夕刊・第1面「あすへの話題」欄
興福寺貫主の多川俊映氏の「雪景色」と題する寄稿です。冷房無しで暑さを乗り切る秘伝を紹介しつつ、現代人は想像力をたくましくする機会が減少をしたことを歎いておられます。
(40)8月6日・日経新聞夕刊・第1面・特集「親子で挑戦」欄
「座禅を組みめい想」という見出しで、長崎県国見町の寿妙院の活動が紹介されています。家族一緒に座禅を組んだり、共同作業を行ったりするのが基本メニュー。泊りがけ組も増え、国の農林漁業体験民宿にも指定されたとか。
(39)8月6日・朝日新聞夕刊・第1面
「東日本にもあった法隆寺級の寺院」という見出しで、前橋市の「山王廃寺」のことが取り上げられています。7世紀の東日本に、七堂伽藍を備えた大規模な寺院が存在したことが、明らかになってきたとのこと。但し、住宅密集地のため、全域調査までは進んでいないとか。
(38)8月2日・朝日新聞・第一面
「名簿・財産目録、1万宗教法人が未提出。自治体、処罰手続き開始」と言う記事が掲載されました。改正宗教法人法による提出書類の最初の期限から1年が経過し、自治体が未提出法人の処罰手続きを始めるとのことです。未提出法人はPL教団や善隣教を始め、全国で一万にものぼるとのこと。
(37)8月2日・日経新聞・文化面「交遊抄」欄
臨済宗大徳寺派管長の福富雪底氏が「3人の師」と題して寄稿されています。仏道修行の過程で出会った三人の師匠を紹介し、弟子を導く立場となった自分を引き比べておられます。
(36)8月1日・朝日新聞・「声」欄
群馬県の浄土真宗本願寺派僧侶・艸香千里氏が、「こころのケアには僧も忘れずに」という題で投稿されています。施設や病院を訪ね、そこに暮らすお年寄りと一緒にお盆の法要をお勤めするというボランティア活動が紹介されています。
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