1999.9.30 POSTEIOS

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 新聞・雑誌 仏教情報 拾い読み 9月号  

(92)9月29・30日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「日本宗教学会」第58回学術大会の一部が(上)・(下)と2回に分けて掲載されている。
 (上)では、個別発表で、関西国際大学短期大学部の岩井洋・助教授が「宗教の情報史観」と題して発表したことが紹介されている。
 また、(下)では末期医療と宗教の関係が論じられたことが紹介され、真宗大谷派教学研究所の林弘幹氏と京都大の中村隆子氏の発表について掲載されている。


(91)9月29日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 泉美治著『科学者が問う 来世はあるか』(人文書院)が紹介されています。科学者の立場から、来世観、さらには縁起などの仏教の根本思想を見直そうという内容だそうです。


(90)9月28日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄

 「禅とキリスト教の接点さぐる」との題で八木誠一氏が、この13日になくなった禅思想家の秋月龍a師への追悼文を寄せています。秋月師は若い頃には、キリスト教の洗礼を受け、その後、仏教、特に禅へ傾倒されたそうです。


(89)9月24日・産経新聞夕刊・社会面「日刊じゅくーる」コーナー

 浄土真宗本願寺派の宗門校である国府台女子学院の平田史郎校長へのインタビューが載っています。「仏の教え生かし生徒の素養さらに充実」というタイトルです。


(88)9月21日・22日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「仏式葬儀への提言」上・下が連載されています。「21世紀の仏教を考える会」=藤木隆宣代表・曹洞宗が「仏式葬儀について不満や提言」を全国から募集した意見をもとに仏式葬儀の問題点を探っています。
 寄せられた意見を集約すると、@葬儀や戒名の料金などに対する不満A葬儀の際の僧侶の態度に対する批判的意見、の2点だそうです。


(87)9月21日・日経新聞・社会面

 京都の東寺の国宝不動明王像の頭部に、仏舎利を入れたとみられる金属製の円筒が見つかったとの記事が出ています。エックス線撮影で判明したとのこと。尚、この像は839年に開眼方法が営まれた日本最古の不動明王像であり、空海が中国から持ち帰った仏舎利の可能性もあるとか。


(86)9月21日・朝日新聞・家庭欄

 東京周辺の真宗大谷派の若手僧侶グループが、日本点字図書館を支援するために、10月1日に「チャリティー公演・ピアノコンサート」を開くことになったとのこと。


(85)9月21日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄

 「親鸞のこころで文革体験語る」という表題で、中国人学者の張偉さんが紹介されています。野間文学の仲立ちで親鸞聖人に共感し、その視点に立って自身の体験を日本語で年内にも出版するとのこと。


(84)9月19日・読売新聞・地域ニュース

 「変わるお葬式」と題して業者まかせの葬儀に疑問や不満を抱いた人々が、自分らしい葬儀を求める一方、高齢化社会で拡大傾向にある需要を見込んで異業種参入も増え、様々なスタイルの葬儀が登場し始めたことが記事になっています。
 自由葬として、音楽葬、お別れ会が紹介されるが、読経が黙とうに代わり、焼香が
献花に代わって行われるそうです。


(83)9月19日・朝日新聞・第26面「文化事業」欄

 今秋、上野で開催される「西遊記のシルクロード展」の紹介が載っています。「仏像の原点、巡る旅」「三蔵法師の足跡たどる」などのサブタイトルが並んでいます。10月23日〜12月9日 上野の東京都美術館にて


(82)9月18日・朝日新聞・家庭欄

 「『お位牌さん』の居場所」というタイトルで、嫁ぎ先と実家の双方のお位牌を預かることになった方の悩みが紹介されています。少子化により、この類の問題が多くなってくると思われます。


(81)9月18日・朝日新聞・学芸欄「探究・記者の目」欄

 「『オウム進出』悩む宗教者」という学芸部の菅原伸郎記者の評論が載っています。オウム信徒が移り住むことになった栃木県のある浄土真宗寺院の悩みを通して、オウム問題を考察されています。


(80)9月18日・日経新聞夕刊・第1面「世相ウォッチング」欄に

 「声明ワンダーランド」と題して、天台、真言声明の最近のブームについて写真入りで紹介されています。国立劇場、青山のスパイラルホールから、遂には大学の学園祭にもお声がかかっているそうです。


(79)9月18日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「俊寛ゆかりの島」と題する寄稿です。御自身が今夏、与論島などを訪れた体験を基に、俊寛が流されたとされる鬼界ヶ島に想いを馳せておられます。


(78)9月17日・産経新聞夕刊・第1面

 「ぶらり中国 山西省へ行く8」というコーナーに、五台山の尼僧学院が紹介されています。この寺は、いわゆる駆け込み寺ではなく、仏教を極めようという堅固な意志を持った者のみ入門を許している、大変厳しいお寺のようです。


(77)9月16日・朝日新聞・国際面

 「中国五十年」という連続特集で、民間宗教として仏教、道教などについて触れられています。中国における仏教の現状の一端を垣間見られます。


(76)9月16日・朝日新聞・社会面

 中国でダルマ大師の碑が発見されたことが報じられています。不明なことの多いダルマ大師、本物であれば画期的発見とのことです。発見者は、東京都羽村町の華厳学研究所所長の小島岱山氏。


(75)9月15日・朝日新聞。「声」欄

 「若者の合掌姿 ごちそうさま」という投稿がありました。食堂で出会った若者の、「ごちそうさま」という合掌姿にすがすがしさを覚え、忘れていたもの、大切なものを呼び覚ましてくれたような気がする、という内容です。


(74)9月14日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄

 「自分と出会う」コーナーは、仏教談話会主宰の野田風雪氏の寄稿です。清沢満之に私淑するなど、真宗の教えを拠所とされていることがうかがわれます。


(73)9月13日・日経新聞夕刊・社会面

 松江市の来美(くるみ)廃寺跡から、7世紀後半から8世紀前半に溯る金堂跡が出土したことが報じられています。古代の廃寺では極めて珍しい須弥壇や仏像の台座も発見されたとのこと。来美廃寺は地方豪族が建立した寺院として、出雲風土記にも言及されている、とのこと。


(72)9月12日・朝日新聞・社会面

 「この人が読みたい」という特集に、比叡山で二度目の一千日回峰行を成就した酒井雄哉氏が取り上げられています。「欲望 生きる 死ぬ 悩む 大阿闍梨、今を生きるヒントを下さい」という見出しです。


(71)9月12日・日経新聞・アート面

 「東西の芸術 古都で融合」という見出しで、京都・大覚寺の「音舞台」という催しが取り上げられています。「京の名刹で音楽や舞踏を演じる「音舞台」(京都仏教会など主催)が四日、京都嵯峨野の大覚寺で開かれた。千二百年の歴史が息づく境内を舞台に、パントマイムの名優、マルセル・ルソーら内外のアーティスト七組が競演、約三千人の観
客が楽しんだ、とのこと。金閣寺、清水寺などに続いて今回で十二回目だそうです。


(70)9月11日・産経新聞夕刊・文化面

 作家の三田誠広氏による「新しい宗教の時代」と題した寄稿が掲載されています。三田氏はキリスト教、仏教双方に関する著作があり、「宗教は面白い。世界とは何か、自分とは何かという根底的な問題に、宗教は魅力的なアイデアを出してくれるからだ。」と述べています。


(69)9月11日・朝日新聞夕刊・社会面

 「欧州で初の東大寺展」と題して、「ドイツにおける日本年」の中核行事の一つとして、欧州で初めての奈良・東大寺宝物展(文化庁など主催、朝日新聞社など後援)が十一日、ケルン市立東洋美術館で始まったことが報じられています。開幕式典を兼ねた開眼法要では、有馬朗人文相、ナウマン独文化担当相らが焼香、裏千家家元の千宗室氏が献茶をした。


(68)9月11日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「70%の人生」と題する寄稿です。人は時間の流れに様々な区切りを付けては、それに追われ、せわしなく過ごしている。本来、時とは、無限定に淡々と流れていくものではないだろうか。


(67)9月11日・産経新聞・社会面

 「大師の情熱、再現」という見出しで、日本画家の高山辰雄氏の手がけた高野山への奉納屏風が完成し、東京別院にて披露が行われたことが報じられています。「密教の本を読めば読むほど分からなくなったが、情熱に燃える大師の表情を表現できたらと、模索した。」とのこと。十月十二日から十六日まで一般公開される。


(66)9月10日・朝日朝刊・社会面「青鉛筆」欄

 元チューリップの財津和夫さんが、1999年9月9日9時9分に、金閣寺で会いましょうという20年前の約束通り、1000人のファンと共に、金閣寺に集合したとのこと。当の金閣寺は「主催しているわけではないので」と困惑気味、とも。


(65)9月9日・日経新聞・並びに産経新聞・社会面

 三重県上野市の見徳寺で、七世紀後半の飛鳥時代後期(白鳳時代)の作と見られる木造の薬師如来像が発見されたとのこと。一木造で、この時代の特徴の一つである、童顔、童形だそうです。


(64)9月4日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「物の本」と題する寄稿です。俗説で、インド人はカレーを三度味わうと言われるが、当のインド人にはあまり知られていないらしい。よくできた話というのは、意外とそういうものが多いのでは、という内容。


(63)9月2日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「禅と念仏」という季刊誌が禅と念仏社より創刊された。発売元は法蔵館。編集委員は、曹洞宗・板橋興宗氏、浄土宗・水谷幸正氏、浄土真宗・大村英昭氏。執筆者は、仏教関係者は控えめで、仏教部外者の登場が目を引く構成となっているようです。


(62)9月2日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「仏教から見る脳死HP開設」と題して、宗教者と医療者(15名で構成)がともに相手の立場を尊重しながら1年半にわたる議論を交わし、HPを作成したことが紹介されています。代表は杉谷義純・前天台宗宗務総長と福西孝信・兵庫県立西宮病院腎臓移植センター部長。アドレスは、http://www。think-life。gr。jp/


(61)9月1日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「現代の寺子屋・長野万福寺(大谷派)ルポ」という特集記事が掲載されています。同寺で毎年夏に行われている「宗教と哲学に学ぶ」というサマーセミナーが紹介されています。今年は、精神科医で龍谷大教授の木村敏氏の講演。


(60)8月31日・朝日新聞夕刊・「こころ欄」

 「鎌倉時代にも『福祉の先達』 律宗の僧・忍性の再評価進む」との題で鎌倉市の極楽寺の開基・忍性が紹介されています。鎌倉時代に、病人、老人、貧窮人たちのための福祉施設とも言うべきものを作ったとされており、その研究が進んでいるとのこと。