1999.10.31 POSTEIOS

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 新聞・雑誌 仏教情報 拾い読み 10月号  

(124)11月1日・日経新聞夕刊・第1面

 「四国遍路(香川県山本町)」と題して、四国霊場を回る遍路が増えているとの記事が載っています。先行き不透明な時代を反映してか、会社を辞めたことを機に、自分探しの旅を続ける人もいるとのこと。


(123)『芸術新潮』11月号

 「ここ掘れ、400体。絶品の石仏群、北京で大公開中」と題して、三年前、山東省青州市の龍興寺という寺院の裏手から発見された石仏群について、7ページにわたって紹介されています。偶然、工事現場から発見されたこの石仏群は、北魏〜北宋時代(6〜11世紀)の仏像で、何らかの理由(廃仏、戦争等か)によって、まとめて埋められたと考えられている。日本の飛鳥、奈良仏に酷似する仏像も発見されている。


(122)10月31日・産経・くつろぎ日曜日欄

 「信楽寺のオルゴール」と題して、兵庫・豊岡の本派寺院・信楽寺所蔵の大型のディスク・オルゴールのことが掲載されています。これはロシアのクロパトキン大将が所有していたものだそうです。


(121)10月30日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「宗教の時代」と題する寄稿です。21世紀には、宗教心の育成に真剣に取り組まなければならない、との趣旨。


(120)10月24日・産経新聞・第一面

 「円仁請来の梵漢辞典」と題しての記事が掲載されています。東寺所蔵の経典の1種「悉曇章」が、天台宗延暦寺第三世円仁が唐から持ち帰ったものであることが確認されたと報道されています。馬淵和夫筑波大教授の話「悉曇章はの日本語の音の観念の整理に役立った。国語学上も極めて貴重で国宝級の価値がある」
尚、この記事、24日読売新聞はじめ各紙にも掲載されています。


(119)10月22日・読売新聞夕刊・社会面

 大谷光瑞の「二楽荘」再現という記事が掲載されています。今月23日から兵庫県芦屋市立美術博物館ではじまる特別展「モダニズム再考ー二楽荘と大谷探検隊」で、模型で復元された二楽荘が公開されるとのこと。


(118)10月20日・読売新聞夕刊・一面と特集

 「禁断の王国」ムスタンと題して、ネパール西北部の奥ヒマラヤ山中に栄えたチベット仏教の聖地ムスタンに残る15世紀の仏教壁画や仏像などの文化遺産が、初めて写真撮影されたという特集が組まれています。


(117)10月20日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「深刻化する宗教トラブルを問う」というシンポジウムが日弁連消費者問題対策委員会の主催で開催されたことが報じられています。先に発表された「反社会的な宗教的活動にかかわる消費者被害等の救済の指針(意見書)」について各界に意見を聞こうというのがその主旨。宗教界からは「宗教への無理解が目立ち、偏見すら感じられる」という意見が多かったと報じています。


(116)10月23日・日経新聞・文化面

 「新たな千年紀前に イエス像変容」という記事が載っていますが、その中で、イエスが仏教徒であったかもしれない、という説も紹介されています。最近刊行されたグルーバーら著『イエスは仏教徒だった?』(同朋舎)に詳しいとのこと。


(115)10月23日・日経新聞夕刊・社会面

 「故東山魁夷氏の分骨法要営む」(唐招堤寺)と題して、東山画伯が生前障壁画を制作した同寺の長老から、「亡くなった後も和上像と障壁画を見守ってほしい」と請われたことから、同氏の分骨が御影堂前庭の石碑の下に納められたことが報じられています。


(114)10月23日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の寄稿です。自分の師匠との関係を顧みながら、仏教で言う「依法不依人」という意味を紹介し、それについての想いを述べられています。


(113)10月21日・毎日新聞

 修験の聖地で、女人禁制で知られる大峰山に、奈良教員組合の女性14人が8月に登山していたことが報じられています。


(112)10月21日・朝日新聞夕刊・「惜別」欄

 中村元先生の追悼記事が載っています。中村先生が毎日上げられていた「日課経」のことや、仏間のことなども触れられています。


(111)10月19日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 東大東洋文化研究所の上村勝彦教授による、中村元先生の追悼記事が載っています。


(110)10月18日・毎日新聞夕刊・文化 批評と表現欄

 梅原猛氏による中村元先生の追悼文が掲載されています。


(109)10月19日・朝日新聞夕刊・「こころ」欄

 高崎直道鶴見大学長の、中村元先生の業績をしのぶ追悼文が寄稿されています。


(108)10月19日・朝日新聞
 
 特別展「西域記のシルクロード……三蔵法師の道」の特集記事が載っています。10月23日から12月19日まで東京都美術館で開催されます。


(107)10月18日・夕刊各紙
 
 日蓮宗の身延別院(中央区)の僧侶が賽銭泥棒を殴打し、死に到らしめてしまった事件が報じられています。


(106)10月16日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「なりたくないもの」と題する寄稿です。コソボ問題に絡めて、仏教の「離間語」つまり、二枚舌を使って双方を仲たがいさせることにより利を得ようとする輩がどこにでもいるものだ、というお話しです。


(105)10月13日・産経新聞夕刊・社会面

 「源頼朝没後八百年 東大寺大仏殿で法要」という記事が載っています。1180年の平重衡による焼き討ちで焼失した東大寺の復興に力を貸した源頼朝を偲ぶ法要が営まれたことが報じられています。


(104)10月14日・朝日朝刊・「声」欄

 「位牌の同居に仏さまの心は」という投稿が載っています。嫁ぎ先と実家との両家の位牌をどのように扱ったらよいか、との悩みを持つ人が増えているという仏具業者の方の投稿です。


(103)10月13日・読売新聞夕刊・社会面

 「お坊さん作法研修」と題して浄土真宗本願寺派の「住職総参拝」が取り上げられています。僧侶の読経や作法を再確認しようという趣旨で始められたとか。


(102)10月13日・読売新聞夕刊・文化面

 峰島旭雄氏の「中村元博士をしのんで 『生きた学問』ラジカルに」という追悼文が掲載されています。峰島氏は、中村先生の多大な業績のなかで、「生きた学問」を展開された点と東西の比較思想学を構築された点を挙げています。


(101)10月13日・日経新聞・文化欄
 
 「日本の仏教の粋、苦闘の英訳 大蔵経に取り組み17年、ようやく端緒」と題して板東性純さんが寄稿されています。大正新修大蔵経の英訳の今までの苦闘と今後の意気込みが語られています。


(100)10月10日・産経新聞・総合面

 「公明 他宗教団体との意見交換を提案」との記事が載っています。公明党が競合関係にある他の宗教団体との意見交換に乗り出したとの内容です。全仏にも出向いたことが触れられています。


(99)10月5日・産経新聞夕刊・「宗教こころ」欄

 「生きる意味と現代」と題して、大阪府立大学の山田邦男教授(人間形成論)の評論「星野富弘さんの詩をめぐって」が紹介されています。


(98)『中央公論』11月号

 「特集 仏教に「今」を学ぶ お寺がさぼっている?」という特集が組まれています。養老孟司氏と無着成恭氏との対談、並びに、ひろさちや氏の執筆等です。


(97)10月8日・日経新聞夕刊・社会面

 「歴代天皇が密教秘儀」という見出しで、天皇即位の際に江戸末期まで行われていた密教的秘儀「即位灌頂」の由来や実態を示す文書が発見されたと報じられています。この文書は、即位灌頂の儀式を天皇に伝授してきた二条家の当主宅に家伝の宝物として保存されていたもの。その儀式は、平安後期から、孝明天皇(1847年即位)まで行われていた、とのこと。


(96)10月8日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「逆縁ながら弔う」と題する寄稿です。興福寺を焼き討ちにした平重衡を題材にした薪能が、他ならぬ興福寺で催されたとのこと。


(95)10月8日・読売新聞夕刊・第23面

 「重文寺院を競売公告」という記事が掲載。国の重要文化財に指定されている門跡寺院大津の円満院が、建物、庭園など最低売却価格4億6000万円で負債返済滞納のため競売にかけられるとのこと。


(94)10月8日・読売新聞・第27面(生活)

 「『葬送』専門家育てよう」。自身の死後、「自分らしい葬儀をしたい」「死後の後片付けを託したい」といった希望を持つ人に対して、適切なアドバイスができる人材を育てようと、東京の市民グループが養成講座を企画。「講座を日本における葬送問題のサポートネットワークづくりの第一歩にしたい」という企画者のコメントが載っています。

(93)10月2日・日経新聞夕刊・「あすへの話題」欄

 興福寺貫主の多川俊映氏の「文化の損失」と題する寄稿です。奈良国立博物館で「聖と隠者」という特別展が開催されたが、内容は濃いものの入館者数が少なかったらしい。今後、国立博物館なども行革の一環としての独立行政法人化が進み、営業面も無視し得なくなると、地味な味のある展示より、客寄せパンダのような展覧会ばかりになるのではないかと危惧されています。