ボクの誕生日にデビューした彼女は、厩舎専属の騎手であった北沢伸也騎手を背にして未勝利・500万下・900万下をトップでゴールした。 その後怪我で鞍乗できなかった北沢騎手に代わり、岡部騎手を背にした彼女は900万下と特別戦を2つ勝ち、晴れてオープン場の仲間入りをした。 それまでの彼女の勝ち星は全てダートであったが、オープン馬になった彼女はオーストラリアトロフィー(芝・1800m)で4着と好走する。 このレースの1着は宝塚記念を制したダンツシアトル。このときからポジーは芝への道を歩み始めたのだ。 初の重賞である函館記念を5着した後、UHB杯ではゴール前強襲で芝初勝利。天皇賞出走を目指した陣営は得意のダートでもうひとつ勝利を加え、出走を確実にした。 そしていよいよ天皇賞… 彼女の評価は決して高くはなく、穴馬狙いの予想家が名前をあげている程度だった。 ゲートが開くと彼女はそれまでのレースと同じように集団の後ろ。 直線に入ると横に広がった馬群の中からピンク色のメンコをした彼女は力強く坂を駆け上がってきた。 ゴール板を駆け抜けたとき1着サクラチトセオーとは差のない5着。 勝つことを信じていたが、満足だった。 愛知杯で一番人気になった彼女は中間の熱発もあり大敗。 その後ファンも陣営も天皇賞の夢を追いつづけた。 しかし気まぐれな彼女はその後一度も勝つことはなく、天皇賞の2年後に初めて芝で勝利したレースを最後にターフを去っていった。 僕には見えるのだ。 馬券を握り締めてる僕を見つめながら意地悪そうな笑顔で微笑む彼女が。 |
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