「千里の道も」取材秘話
その1:突然嵐のように

あれはフィリピンオープン取材の2日目のこと。漫画家の渡辺が、突然顔面蒼白になり、下痢と嘔吐の往復パンチに襲われたのでした。もちろん、生水には十分注意していたのですが、オレンジジュースの氷がいけなかったらしく、それはもう死ぬか生きるかの瀬戸際のようなせっぱ詰まった状態に追い込まれてしまったのです。

日本から持ってきた薬はまったく効果がなく、これは取材を中止して帰国しなければならないかと、一瞬頭がパニックになりました。

幸い、滞在していたホテルに医務室があり、そこで見てもらうことにしたのですが、何しろ渡辺も大原も英語は並みの日本人レベル。慌てて辞書を取り出して、必死に説明したところ、医者はいたってのんびりしたもの。旅行者が必ず起す水あたりのようなものとのことでした。

「千里の道も」コミックスより
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「千里の道も」コミックスより

やはり、フィリピンの下痢にはフィリピンの薬が一番効くらしく、渡辺氏も嵐のような一昼夜を過ごした後、けろりと全快したのです。

この、体を張った体験が、後にストーリーに生かされたのは言うまでもありません。それにしても、ダイアリーア(下痢)とヴォミット(嘔吐)は、英語が苦手なふたりにとって、忘れ様にも忘れられない単語になりました!

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