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雪組 1998年8月7日〜9月14日 宝塚大劇場

作・演出 酒井 澄夫 
舞踊詩
浅茅が宿−秋成幻想−
CAST
勝四郎 轟 悠 法師 箙 かおる
曾次郎 香寿 たつき 柏木(勝四郎の母) 飛鳥 裕
宮木/眞女児 月影 瞳 まろや 小乙女 幸
時貞 汐風 幸


雪組の方には申し訳ないってぐらい、大劇場で雪組の舞台を見ていなかった私。 前回は「エリザベート」ですから…(^^ゞ。 今回も危ないところ、滑り込みセーフで見させてもらいました。
久しぶりに雪組の舞台をみて思ったのは、あまり違和感ないなぁこの組はということ、 もちろん出演者は大幅に変っていたのだけれどね。ここのところの宝塚の新陳代謝についていくのに 必死な私にとっては、顔ぶれだけでほっこりとしてしまいました。(^^ゞ。

この時代の日本物の舞台好きなんですよ。雅で、「京の都は、あこがれだぁ」っていう時代。
もとになっている「雨月物語」については小学生の低学年の頃、ませて大人の本読みたさに読みはじめ、 その不気味な雰囲気におののき、途中でやめたんだな。で気色悪いってイメージが強い。 今では妖しい世界大好きなもので、その辺のところも期待していたのだけれど、どちらかって言えば、 華やかなで幻想的。世にも不思議なって話より日本昔話系だ。
法師のシーンがかろうじて、不気味って雰囲気がただよってはいたけれどなんとなく物足りない。 もう少し、音とか照明とかの力を借りないと大劇場という、大きな空間全部を不気味な雰囲気で 染めきってしまうのは大変なんじゃないかなぁ。でたぁ〜って思わず言っちゃう存在は さすがでしたけどね。

総踊りで幕開き。暗転の中、銀橋に人か並びぱっと電気がつく瞬間が私は大好き。 何回も観てもはじめてみたような感動があるんだなぁ。団体のお客さんなんかと同じように「わぁ〜」 って声あげたくなる(^^ゞ。
でも、心なしか今回は寂しかった。5組になり出演者が減った余韻がこういうところに出て来るものだなる。 バックが簡素だったのもあるしね。

視覚的にはすごく美しい舞台だったと思う。
漠然と観ているものには、すっきりとまとまって奇麗な舞台だと十分楽しめるものではあったが、 ところどころもう少し迫力が欲しいかなとも思う。
眞女児の屋敷の中は、ジュサブローさんのお衣装が、一番映えたところじゃないでしょうか。 きりっとした色合いと、はっきりしたモチーフがいい。(しかし、時貞さんの衣装は・・・(^_^;))
ありきたりなのだけれど・・・
勝四郎が妖怪の眞女児とにほれあって、退治しにきた時貞と戦うっていうのなら ドラマチックだったかもね(^^ゞ。だって主役である勝四郎君カヤの外なんですもの・・・。 眞女児に連れて行かれようとはしていたように見えたが・・・
まあ、世の無常がテーマになっているらしいので、どちらかっていうと、 本当の見せ場は、ラストなのだろう。
眞女児がいなくなり、故郷に帰ろうって、言い出した時には、ええ〜そんなあっさりと…^^;って、 これで終わるのかぁって思ってしまったのよねぇ。7年間の成長が全然見えない二人であった…
まあ、その後の桜のシーンが物悲しくて…桜が奇麗で…よかったので、ゆるす(笑)。 (宮木の墓が立派すぎるとの声を聞いていたが、あの墓を見た時はそらあかんでって笑ったよ。)

出演者に目を向けてみると・・・
轟の勝次郎はあくまでも、受け身。最後の戦いのシーン以外はほとんど何もしてないぞ(笑)
轟ファンが、舞台で望む姿とは違う気もするが、私は、かえって突っ張ったところがなく人間味が出て、 良かったような気がする。うん私は好きだ。
しかし、だいぶのんきな勝四郎殿であったなぁ(^^ゞ。宮木のお守りが自分を助けてくれた の知った時や最後のご対面シーンは、もう少し感動なり、感謝なりして欲しかった。
宮木との銀橋シーンがとっても微笑ましくって…トップコンビの雰囲気があったかいのってすご く観ていて嬉しいんだな。それだけでOKって感じです(^^ゞ。

ぐんちゃん(月影)は2役、ひたすら勝四郎のことを愛し続ける宮木と、物の怪の姫眞女児。
全然違う正反対の役なので、演じ分けるのは無理がなかっただろう。キーポイントはやっぱ「声」かな。 宮木の方もいじらしく(「これで思い残すことはございません」の台詞にはずーっと待っていたのだなぁ ってすごく愛しくなってしまった。)良かったけれど、個人的には眞女児の方が好き。 研ぎ澄まされた美しさ、みたいなものがあった。中でも、 眞女児の登場シーンは空気が変わるようだったし、宴の最中、居眠りしていた勝次郎を起こすのに、 わざと扇を落したところの目はすごく印象的だった。

曾次郎のタータン(香寿)。何も言うことございません(^^ゞっていうのは冗談だけれど、 役自体が今更タータンがやって、どうこう思うものではなかった。 上手いのは分かりきっちゃっているしねぇ(^^ゞ。
幸ちゃん(汐風)も、もう少し存在感の重みみたいなものがあったら充分かな。家来2人と共に常に手をグ− にして、仁王立ちしているのがなぜか受けた^^;。
どうせしどころがあんまりないって感じの役なんなら、タータンと幸ちゃん役反対でも 良かったんじゃないでしょうか。(どちらかのふぁんに石ナゲラレルカナ^^;)
主要人物以外の役がこれだけ小さいと、 宝塚ふぁんの特色からして、ストレスたまる人多いかもしれないなぁ〜^^;。
あと印象に残ったといえば、子役の二人。歌も上手かったし、さわやかでかわいかった。
そして、ネット上の公演評で今回の設け役と誰もが書いてる貴城けいのりん弥。 ちょっと期待していったのですが、 期待しすぎたみたい・・・確かにあの場面じゃぁ大きいしめだつし奇麗。でも、聞いていなければ・・・ 眞女児に気を取られてそんなに気にならなかったかもしれない。

席は2階S席。日本ものということで、幕開きの豪華さなどを、是非上から見たいと思っていたので、 ラッキーでした。しかし、幕間の休憩の時にまわりを見渡してびっくり(@_@)。
すごく空席がめだってて…この間から、WSSだの、宙組のお披露目だの、サヨナラ公演だので話題先行で、 わりと盛況だったように思えただけに、この空席にはなんだか寂しいものを感じた。


作・演出 中村 一徳
グランド・レビュー
ラヴィール
とりあえず一言お衣装ひどくないかい??
一度見ただけで何がどうとははっきり覚えていないし偉そうなこというのもなんだが・・・ なんでこんな衣装着ているのだ・・・って、もっと似合う衣装あるやろ〜と何度も思った(^_^;)。 彫りの深いはっきりした顔だちの人多いみたいなので、あんまりごちゃごちゃしたもの 着ると暑苦しい・・・・(笑)
ショー自体はオーソドックスな雰囲気。ポスター(このポスターもどうしちゃったのでしょうかねぇ・・・と思う) そのまんまにピンクに羽根いっぱいっていうこれぞレビュー で始まる。日本もののチョンパと同じくこういう始まり方は、華やかでいいものだ。
で、トドちゃんの早変わり・・・何をしていたのか見逃した^^;。オペラグラスで右みて左みてしている間に もう、いつもの男役姿になっていたんだよ〜。でも心なしかトドちゃんの舞台姿暗くなっているような・・・ お化粧のせいかしら??ちょっと気になった。

トドちゃん、タータン、ぐんちゃんと歌いついでゆく。やっぱり安心して聞いていられるって いうのはいいものだ(^^ゞ。
でも「安心して聞いていられる」「安心して見ていられる」というのがずっと続くと・・・ それはそれで面白くないのかもしれない。贅沢ってか(笑)
あと、ショーはやっぱり好きな人、みたい人がいるほうが断然おもしろいなぁって実感したのであります。 すごく淡々と見ている自分が妙に嫌だった^^;こういう見方しちゃう時ってどんなに素敵なものでも いまいち乗り切れなかったりするんだよなぁ〜反省。
反省しながら、今度はICRUSで知り合った??(この表現変か・・・^^;あっ気に入ったか) 若手男役さんを探すべく、オペラグラスを除く・・とうこちゃん(安蘭)は顔もよく知っているので すぐ分かるが・・あとの二人は、汐美くんと貴城けいちゃんは・・・プロローグの段階では私にゃ分からなかった・・・ オペラグラスなもんで、動かれると・・・つらい^^;。

男役さん探してる間にダルマ姿で踊っている娘役さんに気が行っちゃいまして。貴咲美里と紺野まひるの二人。 特にまひるちゃんには、引かれてしまいましたね(実は舞台でみるのははじめてだったのいで この子かぁ〜って^^;)。今回の舞台そのままずーっとこの二人追いかけて観てしまった。おかげであんまり 真ん中の人観てないの(笑)。
第2章ではタータンの相手していた美里ちゃん。 しかし、ここの場面はちょいと無理があったような・・・がんばっているが観ていてすごく分かってしまう。 う〜ん色気ない。なんかおぼこい(^^ゞ。うしろで踊ってたまひるちゃんのほうが、若いんだけれど、 なにしてくれるか分からん危険な感じがして好印象(なんか葉月里緒奈の危うさを思い出す)。
持ち味が違うので、うまいこと使われたらショー自体が華やかになるのじゃないかなぁ。娘役さんは 組がえの噂もあるしこままの状態で、行けないかもしれないけどね。

第3章は、エジプト。なんでこれがエジプトなのか・・・堅い私の頭では良く分からんカッタ^^;。 ぐんちゃんが美しくて良かった(^^ゞ。華やかな落ち着きと貫禄は自信が出てきた証拠なんでしょうね。
中詰めぐらいで、やっとこさみつけた先ほどの2人。ショーではこんな風になるのかと、まじまじとみてました。 パーマのかかった前髪が色っぽい汐美真帆。目が怪しい^^;。雪組の中で唯一って言ってもいいくらい、 アイドル的な持ち味が光っていた貴城けい。この先が楽しみで、この2人みたさにこの先雪組公演足運びそうな 気配あり(^^ゞでした。

一番よかたったのは第5章「DANCE JASS IN」。お衣装もシンプルで、すっきりとして よかった。ダンスもなかなかみんな決まっていてカッコ良かったし、見ていて気持ちが良かった。 ダンスシーンはかっこいいことはもちろん、踊っている人が気持ちよさそうなのが一番だ。上から 観ていると、人の動きもおもしろく見ごたえのある振り付けでした。
他のシーンがカラフルだったので余計にそのメリハリが良かったのかもしれない。

フィナーレは、幸ちゃんの歌から。ショーの歌としてはちょっと押しが弱いなぁ。そして、大階段 降りてきてタータン登場。いきなりロックに行きますかって(@_@)。ちょっとびっくり。 歌えるかどうかは別にして、ちょっと柄じゃないよねぇ。楽しそうで、いいのだけれどなんか違和感あります。 せめてあの衣装は・・・やめて欲しい(~_~;)。
ラスト、ボレロの音楽が流れてきて一瞬「そして今は・・・」かと思ったら「テンプテーション」だった。 そしてトドちゃんの低い声(^^ゞ。二人のデュエットは怪しげなムード、でもちょっと硬いご様子。 この辺は好みですね・・・アハ^^;。

ラインダンスは、2回、中村氏のパターンだそうな。まあ華やかで悪くないかな。2回目の時に 真ん中で踊っていた男役さん。背がすごく高いなのでびっくりした。 でも真ん中で踊るわりには踊りはいまいちのように思えて、なんでこの人が?? って正直思ってしまいました(失礼^^;)。

お芝居の方と同じくショーの方も、まとまっているって印象。 お化粧のせいか顔までみんなトドちゃんぽい^^;。
オーソドックスなパターンのショーではあるんけれど、 ちょっと統一されすぎちゃっていないか?って印象をうける舞台でもありました。次は何を すんだろうねぇ〜

98/09/20