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雪組 1999年5月142日〜6月21日 宝塚大劇場
作・演出 荻田 浩一

ミュージカル
螺旋のオルフェ
CAST
イヴ・ブランシェ 真琴 つばさ ベルジェス 汐美 真帆
アデル/ルシル 檀 れい エドアール 嘉月 絵理
アリオン 紫吹 淳 ミレイユ 千紘 れいか
ロジェ 初風 緑 フランソワーズ 矢代 鴻
アントワーヌ 大和 悠河 ハツセン 立 ともみ

舞台の真中に螺旋階段があって・・・立ち止まる男独り…
マミさんの低い声が 半音ずつ下がっていくマイナーな曲調がマッチして、何かを感じさせるはじまり・・・
退廃的なムードがな流れる中、過去と現在が混濁しながら進んでゆく…
荻田先生の大劇場初演出作品!!です。作風的にとぉっても好きで、今回も全体に流れるムードは とても私好みで嬉しくなったよ。ただ、見終わったあとの感覚として、ものすごく満足したとは いえなかった…。全体の筋を把握するのに一生懸命になって、舞台の上の感情と一体化できなかったのが 残念(^_^;)

暗いって聞いていたの・・・好きだって言う人でも1回じゃ理解できない・・・って聞いていたの。 どーも賛否両論だったようで・・・
そのことのみを耳に入れ、舞台の解釈については耳に入れないようにして、見たんですけどちょっとだけでも 読んどくべきだったなぁって思いました。そうすればもうちょっと楽しめたかなって…
いろーんな見方ができちゃうところに、おもしろさもあると同時に、 一体何がいいたかったんだろう〜的な印象になっちゃうのだと思う。
個人的には、イヴと アデルとのつながりが見たかった。どのような出会いで、本当にふたりは愛し合っていたという 認識が薄いので、イヴがずっと過去を引きずっている辛さが真実味を帯びて こっちに伝わってこなかったんじゃないかなぁ。

そこでいろいろと考えてみるのが嫌いな人、1回しかみない人(大劇場はもう終わってしまいましたが・・・) なーんにも考えずに視覚的に楽しむことを ワタシはお勧めします!!
だってかっこいいよぉ・・・マミさん(真琴)の軍服姿にロングコート姿^^;、黒いダンス・・・ マント翻し怪しげなりかちゃん(紫吹)・・・。するどいまなざしのケロちゃん(汐美)・・・ 色気のある男役がいっぱいいて、 おまけに、マミさんはハーレム状態・・・美女が大活躍(^^ゞ。トップの檀ちゃんを筆頭に、 あつ(千紘)、ゆらさん(夏河)、コモちゃん(美原)と華やかよぉー。

元ナチの将校でありながら、レジスタンスの一員であるアデルと出会い、 レジスタンスの活動に協力し、そして混乱のなかの悲劇・・・・
戦後、イヴと名前を変えパリで過去をひきづりながら生きている男が。アデルに生き写しの妹ルシルが彼を 尋ねてきてたことにより、少しだけ前を向いて歩こうと思い始める…まで

マミさんは始終無表情なかんじでという、今までありそうでなかった役。さっきも書いたけれど、 文句なしにかっこがいい!!いろんな娘役とからむけれど、どの人とも心から 楽しんであっていない…そんな無関心さに惹かれちゃうのよねぇ女は・・・・^^;
「あなたがのぞむなら、いくらでも彼女をみせてあげよう」呪文のようにでてくるこの言葉…^^;。 アデルは本当にアリオンが甦らせていたのだろうか…、それともイヴの心がみせる幻覚だったの だろうか…

血の気のない顔、いつも神出鬼没に出てくる彼。この物語はすべてアリオンの見せいてる 幻なんじゃないか…そんな気にもなってしまう。イヴの存在そのものが幻なんじゃないかと・・・・
結局彼は何者かわかりませんでしたが…すごい存在感を残し、見ているほうの頭のなかを混乱させる…
いいですねぇ。この雰囲気(^^ゞ。そんなりかちゃんに翻弄されるマミさん って図がたまらないのぉ〜^^;。
一緒に出てくる白い少女(巫女らしい…)も、 子供のような妙に無垢な笑い声がいっそう不気味さを倍増させてくれますぅ〜。那津乃咲ちゃんすごい\(^o^)/

ルシルとアデルの2役の檀ちゃん。地元の新聞で、 「かつての日活青春映画の清純派を思わせる雰囲気と顔立ち」とかって書かれてましたねぇ・・
ルシルの時の声がとても綺麗でしたね。 「生きていている人は生きつづけていくそのことが大事、それは死んだ人を忘れるのじゃない」 こんな台詞あんな良く通る綺麗な声で入ってきたから、イヴの心を 溶かしたんだわなんて勝手に思っております。ルシルはあの後どおしたんでしょうねェ

アデルの時の黒いドレス姿は抜群に美しく、いろんな色にそまれそうな 感じに好感持ちました。あとは、首が前にでているようにみえるのだけを直してほしいっす。

ガイチ(初風)君は、またまたマミさんにつっかかっていってましたねェ…ナチの人間は嫌いなそうで… 結局ベルジェスの行動が、均衡を破ったってかんじになったのですが、私はこの人が何かをやらかすんじゃないかと ヒヤヒヤしてましたよ(笑)。
曲がったことの嫌いな、まぁーっすぐな気性が良く出てました。

アントワーヌのタニ君(大和)は、ここのところ定番ってかんじの役どころで、危なげなかったですね。 まだ大人になりきれていない若者の不安定さを、やらせたら抜群だね。
今回はすごーくおいしい!!ってみんなから言われてるケロちゃん、組替え後初めての大劇場公演なので、 月組の中にいるのをみるのは初めてなのですが、違和感なく、 東側のスパイっていう聞くだけでかっこよさそな役をしぶーく見せてくれます。こいつが一番あくどい だぁ(笑)
さ行の音の発音が強すぎるのがひっかかるんですが、台詞がはっきりしてていいですねぇ。 声だけ聞いていたら、退団した元雪組みトップの高嶺ふぶきに似てるような気がふとしました( もっと癖もってらっしゃいましたけれど・・)

次の大劇場演出がいつになるかはわかりませんが…今度はよくばらずもう少し、 どこかに救いのある話展開で見てみたいと思います。何度も言いますが…私は大好きなんですよ。 でも、よく一緒に見に行く年配の方は、やはり「おもしろくないねぇ。宝塚から足が遠のきそうだわ」 なんて悲しいこと言っちゃってくれてますから・・・(笑)


作 鴨川 清作/構成・演出 草野 旦
ミュージカル・ショー
ノバ・ボサ・ノバ−盗まれたカルナバル−
CAST
ソール 真琴 つばさ マール 初風 緑
エストレーラ 檀 れい ブリーザ 千紘 れいか
オーロ 紫吹 淳 メール婦人 汐美 真帆
ルーア神父 大和 悠河 ボールソ 大空 祐飛
マーマ 嘉月 絵理 ラービオス 西條 三恵

この前って、こんなに笑ってたっけ・・・って途中考えてしまうぐらいおかしかった。(笑)。 貸切公演ってこと、千秋楽間近ってこともあったのだろうと思うが、かなり笑わせていただきました。
前公演からの続演ですが 比べてどうこういうほどあちらを覚えていないのが残念なんですが、 うる覚えに覚えてる印象からすると、雪組バージョンの方がショー的要素を強く感じ、 月組の方は、芝居を見ている感覚が強かったよに思う。
ううぅっ やっぱりもう一回ぐらい見とくべきだったよなぁ・・・後悔(ーー;)。してまたこの公演も1回しか みれなかったんだよなぁ・・・

そして、お芝居との対比も良かったんじゃないでしょうか。それぞれ、違った役どころで(って いうかあっちがみなさん殆ど笑顔ってものがない舞台でしたからねぇ^^;)きっとこっちで発散していることでしょう。

トップと二番手・・・きっと この設定似合うだろうなぁって思っていたんですよォ〜。インチキ臭い色男(笑) りかちゃんにいたってはそこに泥臭さも重なって・・・いやぁ良かった(^^ゞ。
ノリもいいし・・・屑拾いのシーンでは、いきなりトランペットにミュートつけて吹いたみたいな 声だして・・・(笑)。 お客さんを乗せるタイミングとかがえらくいいからおかしいんだわ。 マミさんブラボォー(^^ゞ
マダムXのクラブの女装対決では・・どんなもんだい顔のソールに、じたばたするオーロ。 どんどん、動きがいかつくなって・・・銀橋ではスカート蹴り上げて歩いてましたっけ・・・ りかちゃんブラボォー

期待してたマールとブリーザは期待通り。熱い恋人達を力強く演じてくれてました。 これこそ・・・若い恋ですね
ガイチマールは。雪組でみたコムちゃん(朝海)マールよりも落ち着きがあり、オーロとの対決シーンに 迫力があったように感じます。
ブリーザのあつは、ダイナミックなダンスがとても気持ち良い…。オーロとの濃いデュエットダンスは ずぅーっと見ていたかったなぁ…これを を楽しみに来たのよといってもいいぐらい楽しみだったワタシ^^;

檀ちゃんは、作品に助けられましたね。とにかく黒塗り軍団の中でひときわ綺麗なお嬢様・・って設定が この上なく似合って・・・。マミさんとも絵になるしねぇ。りかちゃんとの時は なんかかどわかされているよに感じてしまったケド・・・(まあ確かにそないな設定かぁ・・・)。
女装したソールがドレス脱いで、いつものソールに変わる様を目をまんまるーくしてみていたのがかわいかった。 フィナーレの歌(ここはちょっと^^;)以外はGoodですね。

ルーア神父とシスターマーマのコンビも華やかで良かったですねェ・・・ 表情がくるくる変わって、かわいいの。親子みたいだったけど^^;
噂に聞いて心配していたタニ君の歌もそれほどひどくなかったし・・・掛け合いも楽しくて満足!!
マミさんともりかちゃんとも違うタニ君の底抜けに明るい笑顔・・・まぶしいよぉ。

メール夫人のケロちゃん・・正直言って、想像できなかった姿だったんですが・・・。 男役の渋い姿とは違って、意外に華やかでびっくりでした。して、やっぱり豪快(笑)。 力ずくで迫りまくってた・・・ボールソだけじゃなく、ドアボーイまで・・・誰も止められない・・・^^;;;
ボールソが、オーロの手下というよりも、メール夫人に追いかけられてる少年ってイメージの方が 強かったのも、メール夫人の存在感のせい?

ピエロの3人はいつも全身で喜怒哀楽を表現してくれました。3人の踊りがものすごく そろっていて、敢闘賞もの・・
後で踊っていたコモちゃんの黒塗り姿がものすごくかわいくて・・ボーロでもできるんじゃないかと 思ってしまいました(∩-∩)。

めぐりあったお席が、ど真ん中というところだったので、全体がちゃんと 見えてラッキーでした。あっちもこっちも見れましたし・・・。 大人数のシーンが多いので、どこでみても見ごたえありなんじゃないでしょうか。
ここんとこ、ビデオに録画してまで見るという作業をしていなかった私ですが、この作品は是非 お家でも楽しみたいなぁって思います。

99/06/25