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宙組 1999年6月25日〜8月9日 宝塚大劇場

脚本 柴田侑宏 演出・振付 謝珠栄
ミュージカル・プレイ
激情−ホセとカルメン−
CAST
湖月 わたる
ドン・ホセ 姿月 あさと ミカエラ/ホセの母親 陵 あきの
カルメン 花總 まり ダンガレイ 大峯 麻友
メリメ/ガルシア 和央 ようか フラスキータ 出雲 綾
エスカミリオ レメンダート 樹理 咲穂

もぉ〜激情って題そのもの!!一途なもぉーまっしぐらよぉ〜。
官能的、直情的なカルメンに惚れて、軍隊を辞め、どんどんと運命にながされていく…
カルメンに向けられたホセの思いは、 まっすぐな分だけカルメンの激しさよりも熱く激しいものだった・・
カルメンが赤い火なら、ホセは青い火だったのかも・・・・
カルメンの物語は、宝塚でホセの物語になった・・・かな。さすがタカラヅカ^_^;

熱いラブシーンもあると言うことで楽しみに(ラブシーン好きなの(^^))していた舞台でした。 確かに、なかなか見ごたえのあるシーンでしたわ(^^ゞ。 しかし、私はホセが牢屋に入って、カルメンと牢越しのキスにすごく 色気を感じました。ふふっ。

カルメン自体はあまりにも有名なんですが、舞台をみているうちにこんな話しだったのかぁ〜って 思っていた私がいた^_^;。
特に、ホセのイメージはどーも後半のカルメンと上手く行かなくなってからのもの が大きくて、ホセってば軍隊あがりだったんだねぇ…^_^;知らんかったわ (いったい今まで何見てたんでしょうかねェ、スケートのとか見てたのに…)。

というわけで、ずんちゃん(姿月)のホセって正直想像できなかったの・・・ (のんだくれてヨレヨレのずんちゃんってねぇ・・(笑))しかし、こんなに はまっていいかいってぐらい、役にはまってましたねェ今回は。
もともとは軍人で妙にまっすぐで・・・融通の利かない堅物が、1歩キレた^_^;時の 危なさ・・・・あわれさ…
どんなに危ない仕事をするようになっても抜けない人の良さ…なんかは抜群でしたね。 カルメンが離れていくのをいつか戻ってくる…って信じて…最後は死という行為でしか、 締めくくれなかった心情が伝わってきて…せつなかったです。
しかしまぁ・・・良く歌ってましたねェ〜武器最大利用(笑)。 ナンバーが何曲あったんでしょうか。 声を張り上げるナンバーが多かった中で、母親が死んだ後のシーンでの 独白調の(最初はアカペラだったっけ…??)がとても良かったです。

恐いくらいにお美しいカルメンのはなちゃん(花總)… このヒトどこまで綺麗になっていくの??登場シーンなんて、絵から抜け出たよう(^^ゞ
情熱的な女性を頑張って演じてました。とても綺麗で魅力的。ホセがメロメロになるのもうなずける。 ただ、カルメンという一般的なイメージからするとやはり線の細さが気になってしまいますが、 宝塚のカルメンとしてはあれ以上は必要ないって気がします。
だからってこともないのですが、後半が好きだなぁ〜
ホセのことを愛してはいるが、自分の為に次々とヒトを殺していくホセがどんどん恐ろしくな って、運命を変えようと占を何度も繰り返すシーンがとても印象的(スペードのエースって 何の意味がありましたっけ…??確か…゛死゛だったよなぁ〜)。

たかちゃん(和央)は、「カルメン」の作者メリメと、ガルシアというカルメンの夫の二役。
こういう回想録のようなつくりはわりとよくあるのですが、今回は、メリメの心情とホセの心情が絡めてあって、 つかず離れずってところが面白かったと思う。
たかちゃんは、ベージュ系の衣装が象徴するように落ち着いた男を好演ですね。この方のの歌声・・・ この前の「エリザベート」てちょいとはまりかけ、深みのある声好きです。
ガルシアは反対に、力ずくで人を押さえようとする男。ホセに殺されてすぐメリメに戻っていた時は ちょっと笑ってしまいました・・・・^^;。

エスカミリオのわたる君(湖月)は、がんばてキザってましたねぇ。マント使いって男性でも力のいる ことで大変だったでしょうがその辺りはすごくよかったですが、やっぱりもう少し貫禄欲しいなぁ。 がんばってるのが見えちゃうの…

余談ですがエスカミリオのイメージって、私のなかじゃズンちゃんなんですわ(笑)。
も一個余談の妄想モードとしては…真琴、風花コンビでみたかったなぁ〜いやなに、エスカミーリオも リカちゃんにおもいっきしキザってもらって…(誰がやってもよさそだなぁこの舞台…)

前半のどーもカラフルな幕をみていてなんで こんなんなの・・・って思っていたのですが、中盤、゛目゛モチーフにしたのが出てきた時に、 あぁ〜そう言えば日比野克彦さんの装置たって言っていたなぁって思い出しました^^; (すべてそうなんだろうかぁ…??)。
あのなんともいえない独特の雰囲気が、破滅に向かう物語とマッチしていて好きでしたねェ。
東京が1000Days劇場になってから、セリや、盆を使った舞台が少ないと当初は言われていましたが、 今回はものすごく上手に使われていたと思います。
舞台のセリを十字架にしたシーン…あそこのシーンだけでももう一度みたいってぐらい気に入った(笑)。 ホセとカルメン、メリメとミカエラの四人の歌声もすばらしく、 名場面と呼んでもよいと思います。

柴田センセと謝センセのコンビって定着しそうですねぇ。いや定着して欲しいです。 個人的に柴田先生の脚本好きですから、どんな形でも新作を作りつづけていって欲しいものです。


作・演出 岡田 敬二
グランド・レビュー
レビュー‘99
岡田先生のロマンチックレビューの原点を見たような気がした。
オーソドックスなつくりで、目新しさはないけれど、前回公演がノバ・ボサ・ノバだったことを考えると よかったような気がします (一緒に観劇していた方はこういうのが見たいのよーっておっしゃってましたから(笑))。

幕開きは、大階段で・・・・華やかに始まる。
宝塚以外の舞台を見始めるとかえってこういう嫌味なぐらい(笑)豪華なセットと衣装をみると、 タカラヅカをみてるなぁって気になって、いろんなことに寛大っちゃうのが不思議です(笑)。
オペレッタのずんちゃんのピンクのコスチュームなんて・・・ココじゃなきゃみれないものですよぉ。 ほんまに。襟元フリフリの夜会服なんぞ、ちまたの男衆が着たらそれだけで、なんだかなぁ〜ですもの (たまにみるとやっぱりゲンナリします)。

総勢60人というロケットは、かなり見ごたえありましたねぇ。以前どこかの組でやっていた時はそれほど 感じなかったんですが、今回は、ロケットでこれだけの見せれますぅ〜 って意気込み感じちゃいました(^^ゞ。
なんで黄色だったのか分かりませんが^^;、一色に統一されたシンプルさもナカナカよかった んじゃないでしょうか。
わたる君のダルマ姿も久しぶりで…華やかな笑顔と綺麗なおみ足。たまにゃみたいもんです(笑) (ダルマ姿って言えば…幕開きのはなちゃんのダルマ姿も特筆すべきものがありますねぇ。足ながーい^^;)。

オペレッタからアトランティック・オーシャンのシーンは、共に懐かしい曲がいっぱいで・・・いろんな ことを思い出しつつ見すぎて…あんまり記憶にないの(^_^;)。ごめんねぇって感じ(笑)。
ずんちゃんの歌声って…ちょっとかなめさん(涼風)を連想させるものがあってねぇ(こんなこと 思ったのはじめてなんだったんだが…)・・この辺りぐらいから ちょっと私、冷静な観劇はしてないと思う(笑)。

「夢人」のシーンは、ファンタジックなシーンでしたね。銀橋で歌う歌は、これまた…^_^;。こんなシーンで 使われていたのねェって。宝塚の歌ってやはり、その元のシーンで使われている状態が一番 自然なんですね。
バレエシーン綺麗だったけど・・踊っている方のタイツの膝のたるみが気になって(笑)。 昔のタイツじゃないんだから…(^_^;)まさか、衣装まで当時のまんまなんでしょうかねぇ。 衣装って言えばね最後のずんちゃんのお衣装…あれはなんとかしてくれませ(笑)。赤いのいらないよぉ〜 チャボとかにわとりとか想像しちゃったの私。
あぁ・・・またぼやきモードに入ってしまった…イカン(笑)

ラストの、デュエットダンスは綺麗でしたねェ。ここはもう完璧にうっーっとり してみてしまいましたよ。ずんちゃんご苦労様って言いたいぐらいリフトの多い振りで(笑)。
でも、長身のコンビならでの大きさと、タキちゃんのやわらかな歌声は見ごたえありです。

あとねぇ・・・マユさん(大峯)がかわいくてねぇ。なーんか独りではりきってて(笑)。黒燕尾の シーンでもかぁーって明るい笑顔で踊ってらした…いやぁ〜いいですわ。

お芝居の方もそうだったのですが、どーもトップコンビとたかちゃんあと3番手のわたる君ぐらいまでで、 すべてが構成されているようで…人の使い方にはちょっと疑問が残りました。
じゅりも…鳥になって踊ってたけど(個人的にはあそこはダンサーか、娘役にあててほしいわ)、もうちょっと 使ったってぇなぁ・・・って思いましたし、その他、若手さんにいたっては、 突然階段で、歌われても誰だぁ〜って印象でした。もったないなぁっておもって…

この作品花組に続演なんですよねぇ…。私の中じゃカラーがあまりに違うので、どのようになるのかと ちょっと楽しみです。

1999/07/18