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宙組 2000年1月1日〜2月8日 宝塚大劇場

脚本・演出 酒井 澄夫
レビュー・アラビアンナイト
砂漠の黒薔薇
CAST
アリシャール王子/黒薔薇(バルク王国の王子) 姿月 あさと ジャミラ妃(バルク王国の王妃) 出雲 綾
マリヤーナ姫(シャゼン王国の姫) 花總 まり ミスカー(道化一座の踊り子) 陵 あきの
ヤワン(道化一座の歌い手) 和央 ようか シャイザ(黒薔薇の右腕) 樹里 咲穂
ゼリム(盗賊) 湖月 わたる マルシーナ姫 南城 ひかり
バハルル(道化一座の親方) 大峯 麻友 ハルン王子(ジャミラ妃の息子) 夢輝 のあ

本年はじめての公演は、姿月あさとのサヨナラ公演・・・
人気絶頂のスピード退団ってことで、チケットは前売りでひさしぶりにほぼ完売状態。 楽近くなるとチケット取りにくくなるだろうと(さばき命ですから(笑))、お正月に早々と見てきました。
春の桜の頃やお正月になると宝塚の雰囲気が懐かしくなるっていう友人がいるけど、 なんとなく全体がお正月ムード(何がってわけじゃいですけどね)で、懐かしい感じ。ひとりだったのが ちと淋しかったけどね。

さて、お芝居の方ですが・・・さばき待ちをしている時の回りの反応はいちおうにして良い物ではなく・・・ (初日をみた人がまたそこにたくさんいたってことだわねぇ^_^;)、ちいとばっかし 不安な気持ちで舞台に臨む。
久しぶりの2階席1番前、眺めは絶好!!(笑)

どんな話かというと・・・アリシャール王子がバルク王国の平和をとりもどすために戦うっ話(笑)。 ←終わってからね、ロビーにいたら放送でこのような(若干違うと思いますが) 説明がされていてナルホドと感心してしまったのよ^_^;。
あんまり意識して聞いたことなかったんですが、いつもこな風に説明されてんのかなぁ・・。
でもまっ、それ以上の何があるって話じゃなかったんだわ^_^;。人が一杯でてくるわりにゃポイントがない。 先が楽しみでない展開で・・・はっきり言ってなんど時計を眺めたことか・・・

主題歌とか途中で歌われる曲はけっこ好きでしたね。
突っ込みがいはあるけど・・・(笑)。最大にウケタのが、コトが一軒落着した直後に真ん中からでてきた 国王さん・・・あんたは今までェ〜なにしとったんやぁ(笑)って。
話の自体も、うにゃ〜でしたが、出演者もありゃりゃと感じてしまったんですわ。今まで、作品の良さに隠れていた宙組の若さが、正面にでちゃったって印象かなぁ・・ どーもぼやきモード炸裂しとんなぁ私・・ ブツブツ(´〜`)

で、とにかくこれがサヨナラ公演となる姿月あさと氏。
アンシャールの時は、 だらだらとしゃべるとト書きにあったんでしょうねぇ、台詞にもありましたけど本当に だらだらしゃべってましたねぇ(笑)。 黒薔薇の衣装も王子の衣装も良く似合ってました・・大きいから見栄えするよねぇこういういろんなもん くっつけたよなお衣装。
幕開きの歌はパワー全開!!かっこよかった・・・ネ。
ただねぇ・・ふぁんの人がみたらまた違うんだろうけど、どーもずっと同じ顔で・・ 前向いてるって印象が抜けなくて・・あんまりおもしろく・・・ない。
正義の味方参上!!って役回りで・・・あまりのタイミングで登場するのがおかしかった (これは本人のせいじゃないけどね)。最後に色気のある姿みたかったなぁ・・

無謀な突撃姫(笑)の花總まり。
これまたアラビアンなお衣装が似合ってて花のようカザッテオキタイニャ(∩.∩)。 ビジュアル的には申し分ないんだよなぁこの芝居
勝ち気で真っ直ぐなお姫様。 突如行動に起こすからびっくりしちゃうよ。突然王子の部屋に踊り子に化けて入りこむし・・ 最後も槍持って戦いにくっし・・・邪魔やって(笑)。
ちいと疑問に思ったのだけれど、姫って自己紹介する時に自分で○○姫って名乗るもんなんでしょうか??

喧嘩ばっかりしてるコンビの和央ようかと陵あきの。
喧嘩のシーンがいやに多くて・・最初は面白いとかんじていたんだけどねぇ。喧嘩するほど仲がいいって 言葉どおりの二人でしたがちょっと恋人どおしになるようには見えなかったなァ〜。
最後の和央がみせた一瞬のためらいの顔がよかったよ。

昔はコラサン王国の家来、今は盗賊っていう湖月わたる。
こちらも華宮あり(役名わすれた・・)と、出てくりゃ喧嘩ばっかしてる^_^;。でも歌ちょっと上手くなったかなぁって 思った。唯一「情熱」の時よりもポイント上げた人ぉ〜

今回は若手さんの台詞も、目立つところでたくさんありましてぇ・・・
夢輝のあ(これは役が^_^;)、南城ひかり(歌キンチョーしてたねぇ)あたりはええんですが、その他の 華宮あいり(女役にあってたけど・・この間のバウと 全然いめーじかわらんなぁ)ぐらいからは・・ちいと辛いもんがあったかなぁ・・^_^;。 特に一言台詞のみなさん・・・がんばってくらーさい。

さっき過去の作品を眺めていたんだけど、 お正月公演にはこういう勧善懲悪っぽい単純な話多いよなぁ・・・個人的にゃあんまり好まないもんで、 ここ数年観てないぞ・・・ハハ・・^_^;
お正月から「螺旋のオルフェ」のような頭使うダークトーンの話もなんだと思わないけど、 せめて「バッカスと呼ばれたの男」ぐらいしゃれっ気のあるのにして欲しかったぞ。おまけに これ、サヨナラ公演だよなぁ・・・


作・演出 藤井 大介
スペシャル・レビュー
GLORIOUS!!−栄光の瞬間−
お芝居とは一転してショーの方はノリもよく、華やかで2000年の幕開きにとぉってもぴったり!! こちらはもう一度みたいなぁ・・。 宙組の誇る歌手(大峯・出雲・真中・美々・鈴奈・朝比奈)の皆さんも思い存分歌ってましたしねぇ。 歌もさることながらメイクにも力はいってましたしねっ(^^ゞ。
しょっぱなから全員の大合唱でわいのわいの・・・ものすごいハイテンション!!。「聖者の行進」という 馴染みある曲っていうのも、良かったですね。
難をいえば後半の「栄光への瞬間」まで、突っ走った場面が続き、後で思い起こすと賑やかだったなァ ていう漠然とした印象しかないところ、 ロケットだってどこであったかしらんって感じなんですもの(笑)(銀橋で歌うたってからねェ・・)。 そして、トップコンビの場面が浮いてこなかったことでしょうか。
ショー的にはGOOD!!劇場に行けばストレス発散できるでしょう(∩.∩)。 (一部の場面を除いては歌が歌えれば誰でもいいかなぁって雰囲気のショーだなって気もしちゃいますが・・・。)

姿月は得意の歌をいっぱい・・ショーの時って芝居よりも数段と大人っぽくていいんですよねぇ。 やっぱりこの人は役者ではなく歌手だなんだと・・感じました。
個人的には、ちょっと押さえたつぶやくような歌声の方が、好きなので力で押すタイプの歌が 多かったのは残念でした。そういった意味でもちょっと楽しみにしていた「アンチェンマイハート」 は不発^_^;。こんに歌だっけぇ・・・って(笑)

花總は、芝居の方でも思ってしまったのだが・・・歌下手だったっけぇ・・・と。 ショーでも子供のような歌声になってしまっていて・・・
スタイルを生かしたと思われるひとりだけホットパンツの衣装もなんだか、細すぎて迫力なかったなぁ。 どうも精彩を欠いていてように感じてしまったの。
タイプ的に今回のようなはじけたショーにはあんまり向かないんでしょうか・・・

後半が良かったんですよ・・
宇宙の中にたたずむようなシンプルなセットの中未来を歌う。すいこまれそうでした。
ここの演出は泣かせるぅ〜。私でさえもうるうるっときちゃったじゃないですかぁ〜 (お隣さんはもぉぐびぐびでぇ^_^;)。楽しい曲なんだけど・・みんな笑ってんだけど。 この時間がずっと続いたらいいなぁ・・って思ったら悲しいんです・・・いつも。
そして、宙組全員が見守る中歌い去って行く姿月・・・
幕前で一人手を振る花總がちっちゃくて、いじらしくてねぇ・・(この人こーやって何人見送ったんだぁ〜)。 毎日毎日、サヨナラを意識せずにはいらなれくて、辛いだろうなぁ・・

そして、大階段をひとり降りてくる姿月。最初はアカペラで・・曲は「アンチェインドメロディ」。
歌声が遠慮なく響き渡って・・・この場面は名場面となるでしょうねぇ・・感動でした。 最後歌の途中から、みんなが大階段へスタンバッっていくのもなかなかおもしろかった。
最後はまたみんなで大騒ぎ。自然に手拍子しちゃって興奮のうちに幕!!。

「GLORIOUS!!」とは「栄光ある」「素晴らしい」という意味。
栄光ある2000年の幕開きに卒業していく姿月に・・・これからの宝塚に・・・乾杯!!
おわり。

2000/01/10