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花組 2000年11月10日〜12月18日 宝塚大劇場

作・演出 植田 景子

宝塚ミュージカルロマン
ルートヴィヒU世 〜夢と孤独の果てに〜
CAST
ルートヴィヒU世 愛華 みれ ビスマルク 夏美 よう
大鳥 れい エリザベート 渚 あき
ベルンハント・フォン・グッテン博士 匠 ひびき リヒャルト・ホルニヒ 春野 寿美礼
ディルクハイム伯爵 伊織 直加 オットー 瀬奈 じゅん
リヒャルト・ワーグナー 星原 美沙緒 ゾフィー 彩乃 かなみ

花組さんはなんと2年ぶり^^;タモさん(愛華)がトップになって初めてという。 んでもって、演出は植田景子先生のデビュー作・・・。
白鳥の王子として伝えられる「ルートヴィヒU世」の生涯を描いたミュージカル ってことでどんなにお耽美な世界がくりひろげられるかぁってちょいと期待していきました。
幼いころから「白鳥伝説」に魅せられていたバイエルン王国ルートヴィヒU世のお話です。 前王の突然の崩御に伴い若くして国王となったルートヴィヒ。若く美しい国王は民衆の 羨望を向ける。ルートヴィヒは音楽家ワーグナーを友人にし、美と芸術を国の柱としようと夢見るが、 ワーグナーのスキャンダルある素行が原因で追放を決断せざるをえなくなる。
現実から逃避しがちな国王を官僚たちは眉をひそめていながらも、自分たちの 都合のよいようにことを行っていた。
宮廷の中で孤立していく王は、幼いころから夢にみていた幻の乙女との世界に誘われていくのだった・・

暗いって噂をちょっと耳にしていたのですが、 そーいわれれば、淡白かなぁ。暗いというよりも、メリハリがなく短調といったほうがいいかも。。 まぁ、狂人といわれる王のお話ですから、そんなに明るくなるはずは最初っからないよなぁ(笑)。・・と この辺は全然気にならないです。
ただ、ルードヴィヒっていやぁ・・白いお城、もやのかかったような繊細な青い光ってイメージ なんですが(単なるイメージです。私は史実とかしりませんから)、 どーもあんまり張り詰めた緊張感がなかったんですよねぇ〜。
これは、タモさんの持ち味によるものが大きいのだろな。やはり光が柔らかいの。 人のよさげな持ち味が、危ういというよりも、幼いというイメージになっていましたね。 優しくって、芸術が好きな少年が、そのまま王になってしまった。 人の心が豊かになれば、人はみな幸せになれると信じていた・・・。夢と現実は 必ずしもいっしょにはならいない・・そのことに気づかず孤立してしまった・・・。 そんな王に見えましたね。
一応の満足度はあるものの、ルートヴィヒのお話としては、 硬質な雰囲気の似合う違うコンビでみたかったなぁ〜〜と思ってまうのは隠せないデス^^;

本当に狂っていたか否か・・あの舞台を見る限りでは、狂っていなかったと・・感じた。 夢に逃げることはあってもその境はやはり自分でわかったいたのではないだろうか・・
大人になるってことは、周りとの折り合いをつけないとやっていけない・・その部分を学ぶ前に 王になってしまっただけのような気がする。夢をみすぎていた・・そうそんな台詞があったけれど、 それだけ・・夢に飲み込まれてはいないと・・・
最後の水の中に入っていくシーンの演出は、いいですねぇ・・・好きでした。 グッテン博士のチャーリー(匠)との会話・・グッテンはあのふたりの会話で何を感じたのでしょうか・・ っというか、この2人の会話で何を観客に理解させようとしたいたのかがちょっとなぞだったのが 消化不良のように残ってしまった^^;。
チャーリーがね、王が消えていくのをみながら観客に向かって、 何やらすごい芝居していたので、気になってしゃーない(笑)。

ひさしぶりに見るタモさんは・・あんまり老けてなくて(笑)派手さはないですが、 トップとしてほやぁっとみんなの上にのっかってる雰囲気がよかったですねぇ・・・
誤解を生みそうな言い方になるけど、いるだけでいい・・そういう存在がトップだと思うから、 そう言う意味でなんかうれしかったりしたの(^ー^)。
ルートヴィヒという人物の、一般的なイメージからは少し 離れていたような気はしましたが(この辺り難しいですね・・決して悪くなくても、潜在意識の中で違うって おもっちゃったら良くは思えないでしょうから)、 ゛らしさ゛は充分。ただあの髪型・・ちょっと似合ってないと思うけど(笑)。 ラスト隔離されるために、連れていかれる時に、民衆と対応している姿、手を差し伸べる姿 をみて、なんだかホロっと来てしまって、王の心の純粋さがあのシーンでさぁっと鮮明になるような気がして、 この舞台がすごく好きなった(単純といってくれぇ〜^^;)。

ルートヴィヒの幻想の中にいる幻のみどりちゃん(大鳥)もまた・・・彼女自身の 個性に100%あっていたとは言いがたいような気がするが(あんまり知らないんですけどね^^;)、 優しく誘う様子をみてるとついていきたくなるのはわかる気がした(笑)。
でも、ふわふわ踊っているよりもマリーアントワネットの化身としての出番が一番綺麗だったなぁ (ここのシーンも豪華だったなぁさすがに)・・ふと、ここの組で 「ベルばら」やりゃいいのにって思った(笑)(但し・・タモさんフェルゼンね。)

グッテン博士は妖しくて(笑)。なんかいつもメンチきって(笑)あるいてましたねぇ・・ 私、この人の存在がずっとなぞだったんですわ^^;。何者この人って(笑)。 最後の方になってやってこの人は医者だったのかぁ〜ってってわかった(馬鹿??)。 しつこいけど・・最後の表情は・・何を意味していたのかなぁ〜うーん(ーー;)
それが確認したくてもう一度と思いましたが、時間的に無理でした・・残念

おさちゃん(春野)とオットーの瀬奈さんとが似ていて・・(笑)どっちがどっちだっけぇ〜〜と思っているうちに 終わってしまったおふたり^^;。すんませんって感じです。繊細な持ち味がして、 この物語の世界にマッチしてるなぁ〜〜と・・・宝塚よねぇ〜〜とうっとりさせていだいた(笑)
ゾフィのかなみちゃん(彩乃)は、歌声がきれいで・・・。以前のイメージよりかなり 落ち着いて見えて、はやいことトップになったらいいのにぃ〜と いうかはやいことなっちゃった方がいいタイプだろなという印象。 いろんな役みてみたいなっ(^^ゞ

ロマンチックレビュー
Asian Sunrise
ショーの方は・・のっけから誤っておきますがごめんなさい。わたしゃだめでした。 時間的なこともあったのですが、 もう一度みなかったのはこのショーをもう一度みるのはつらいかったんだなぁ〜^^;。
それにどこがロマンチックレビューなんだぁとクレームつけるぞ。 好き嫌いは別にしても、ちとちがうだろぉ〜〜って突っ込みたい(笑)
原色の衣装が渦巻いて、激しく踊る幕開き・・・いろいろな民族舞踊が 登場して、華やかに歌い?踊る。 華やかでいっしょになって踊れそうっていう声も聞きましたんで、 きっと、私の好みとはまったく離れていただけのことでしょう。
慣れない手具を使った振りなんかはさぞや大変だったろなぁ〜(おなじく 岡田先生の「夢・フレグランス」もでてきてたなぁ〜〜。あれはもろ ジャパネスクでしたが・・)

お芝居の方で感じたタモさんの柔らかい光は、ショーの方では、 歌声もろともちょっと物足りないって印象。ラストのターバン姿が一番好きだ。 赤いドラゴン衣装は・・マミ(真琴)さんに着せたってぇ〜〜と。
みどりちゃんは、生き生きとしてましたねぇ。 コケティッシュな表情がとても華やかでかわいかった。でも、この顔が一番!!っていう 顔があって・・そこになると一層キラリンとするのがおもしろかった(笑)。 前髪下ろさないほうがいいかなぁ・・
チャーリーは踊ってましたねぇ・・ あれはさらりとやっているようにしか見えないだろうが、 恐ろしく細かいステップ・・脱帽^^;。あと頭にながーいツノ?つけて踊っている シーンの笑顔が印象的です。

一番よかったのはおさちゃん(春野)の歌かなぁ〜〜伸びやかで聴いていて気持ちがいい。 って思っていたら、ラストのデュエットでも歌い・・んでもっておどっちまってて・・びっくり 。

6月に新システムが変わって以来、組替えや新専科の出演なんかで、 組らしいさというものが変わっていくのだろうなぁ・・・従来のタモさんの花組・・ ぎりぎりみれてよかったなぁ・・なんて正月公演の星組を見た後、 この公演のちらしみながらつくづく思うのでした・・。

01/01/10