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雪組 2000年4月22日〜5月5日 宝塚バウホール
脚本・演出 谷 正純/作曲・編曲 吉崎 憲治・宮原 透

大正異聞
ささら笹舟ー明智光秀の光と影ー
CAST
明智日向守光秀/妻木幸四郎/
旅の雲水
貴城 けい 溝尾 庄兵衛(光秀の家老) 汝鳥 伶
煕子(光秀の妻) 紺野 まひる 天野源右衛門(光秀の家臣) 美郷 真也
羽柴秀吉 未沙 のえる 藤田伝五郎(光秀の家臣) 未来 優希
織田信長 箙 かおる 明智左馬之助秀光(秀光の従弟、娘婿) 蘭香 レア
長兵衛(小栗栖の土民) 風早 優 明智光忠 音月 桂
恵林尼(光秀の母)
舞 千鶴
歓修寺晴豊(武家伝奏)
鈴鹿 照
登勢(幸四郎の母)
灯 奈美
よし乃(幸四郎の許婚者)
有沙 美帆

旅の雲水が、小栗栖の藪の中で長兵衛に出会う。長兵衛は光秀を殺した男、しかし、 世間で噂される人物像と謀反人であるという事実とが結び付かないと悩む。雲水は 光秀のことを回想していく・・・
明智光秀って、織田信長に反旗をひるがえし、本能寺の変で天下をとり、 「3日天下」ということ場ができたぐらい短い間に殺されてしまった・・という人物。 まあ、けっこ書かれているがどこも温厚で知能派というイメージ。
イメージ通りだが、家臣思いで不遇な時をみんなで頑張った姿、信長との確執の経緯。 その中で、光秀には影武者がいたって話。んで殺されたのは光か影かぁって。。
結局はどっちだったっけぇ〜?と長兵衛もろとも良くわかんなくなっちましたけど・・(笑)。

この時代のお話は、よくTVでみかけるのでなんとなくは理解しているのですが、 なんせ〇〇の戦いとか、似たようなのが多くて・・(--;)。 ああぁ〜こういうのもあったわねぇって歴史のお勉強している間に一幕は終わってしまいました^_^;。 明智光秀の死に関してはいろんな説があるのかしら…それまでの過程はいつもみても大差ないのですが、 某〇河ドラマなんかは、とんでもない人が首を秀吉に持っていったりしてましたしっ^^;;;(笑)。
2幕は、人の気持ちの流れがみえて私の感情もそこそこ動いてきた。 影と入れ替わっていることに気がついた妻が、どちらを愛しているか分からなくなるっていうのは ちょっと無理があるような気がしたが・・ 支えあって、時代に流されつつもみんなが人のことを思いやって悩む姿にゃちょっと 感動したりして・・^^;
初主演のかしげちゃん(貴城けい)。雲水、光秀、そして影とでずっぱりの大活躍でしたが、 この役が彼女のよいところが出ていたかっていうと、ちょっと弱いかも。 一番主になっている光秀自体があまり魅力的にみえなかったのが残念。まあ、キャラクター的に あんまりにもおもしろ味ないかぁ^^;(だっだらなんで主役にすんだよぉ〜〜(笑))
歌は体一杯歌っています・・って印象。かなり出番も多いので大丈夫かなと思っていたら、 私がみたあとやっぱり喉つぶしていたらしい・・。 (そーやってみんな強くなって行くのねェ〜って何故か母親モード(笑))。
面差しや雰囲気がどことなくかなめさん (涼風)に似ているといわれているだけあって、ちょくちょくおすすめしていただくんですが・・ ごめんなさいっ^^;;;;登場の雲水・・わかりませんでした^_^;
誰だろォ〜とみていた私。 まあ、歌を聴いているうちにこれはやっぱりかしげちゃん?って^_^;。 予習してなかったので3役もしているとは知らなかったとはいえ・・あまりに失礼だよなぁ〜
だからって言うわけじゃないが、 なんとなくまだ、個性というものがあまり感じられない印象。この先化けるかなぁ〜。

まひるちゃん(紺野)はかわいかったです。現代っ子のイメージがあったので和服がこんなに似合うとは・・ちょっと意外な気がしました。
出番も多くくポイント、ポイントでしか描かれていないようなので、難しかっただろうが、 たおやかで母性にあふれて芯の部分で凛としていて涼やかでいい感じ(∩-∩)。 いつもくせがあるなぁ〜と気になる部分が、動作と一緒に押え気味になってちょうどいいのかな。

光秀の家臣には、実力派がそろう。光秀の右腕となる汝鳥さんは、こういう殿思いの実直な家来やらしたら、 今右にでるものはいないんじゃないかしら・・・
ちょっとコミカルな味をかもしだしながらもグッと閉める美郷さん。歌になったら 唄います♪・・っといい喉を聞かせてくれた未来くん。ちょっともったないよな気もしましたが、 チームワークよさそでいい感じでした。
そんななか若手どころでがんばっていたのが、音月桂ちゃん。 華やかですね彼女は。侍のかつらつけてっのに、顔だけ まだまだ女の子・・^^;でも、声はしっかりしているし先がちょいと楽しみかな。
チャルさん(箙)が織田信長のえるさん(未沙)が秀吉と、 ポイントとなる歴史上の人物のところに専科の方が入ってらっしやるがぁ〜〜。 光秀がかしげちゃんだから。。やっぱりちょっとバランス的には悪いかな。
それよりも顔白くて・・こわい・・ふたりだけ、 なにやら歌舞伎の世界にいっちまっている・・・(ーー;)なぜに??。 2,3ついていていってた人いたかも(笑)

谷先生の作品っていうと開口一番、 人がバタバタ死んでくってぇとこがどーも嫌だとおっしゃる方がわりといらっしゃるが、 まあ、題材的に今回はそれでも無理がなく・・・^^;。 持ち味が、いい方向に向っていたのでは・・と思いました。私がいつも気にかかる、 主題の押し売りみたいの部分もないとはいわないが、ギリギリのラインで・・・(笑)
笹の葉が生茂るセットはずっと変らず、雰囲気は抜群でしたし、。そこでうまい具合に過去と 現在が交錯していくのもおもしろい・・
すり替わりもそれを上手く使っていて、全体的にいい舞台だったなぁ〜と思えます。

コールはかしげちゃんの歌の間にみんながでてきて、ラストは独りで静かにおじぎで幕・・。 出番の少ない下級生にゃ気の毒だったが、こだわりを感じて私は好きです。

2000/09/24