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月組 2000年8月6日〜8月20日 宝塚バウホール
脚本・演出 大野 拓史/作曲・編曲 高橋 城

更に狂はじ
CAST
観世元雅 大和 悠河 後小松上皇 梨花 ますみ
観世元重 霧矢 大夢 細川 持之 名城 あおい
みずのえ 白羽 ゆり 金春氏信 北嶋 麻実
錦木御前 星 里未子 足利義持/北畠満雅 大樹 槙
世阿弥 萬 あきら 久秋 一色 瑠加
義円 箙 かおる 観世元能 遼河 はるひ

バウ千秋楽の日の午前の部、会服を着た方々が山となってあさる サバキチケット^_^;。こわかったよ・・・
まっ・・・ひとのことはいえないかもしれないが(笑)。 しかし、甘くみすぎてましたっ^^;。それでもめでたく中に入ることができ・・・ 売ってくれたお嬢ちゃんがいい席なんですけどぉ〜ってわざわざ言った意味がわかった(笑) ぐらい前だった・・
前置きはこのぐらいにして・・・いやね、ポスターを見た時点でわりと期待していたの・・ なのに、なーんか腰重くて^^; ・・この日までひっぱってたんですが。。
ふふっ(∩-∩)。私的には・・かなり満足のいく舞台だった♪。 「タニちゃん(大和)の鳥帽子姿が素敵だっていってたよぉ〜」この一言で、腰あげてよかったぁ〜(笑)

足利義持の時代・・・(ってことは室町時代ダネ)。将軍家が猿楽よりも田楽を 愛好していた。
世阿弥のふたりの息子元重と元雅は、 猿楽を愛しまた類稀れな才能をもっていた。 ある日将軍家に、猿楽を見せる機会を得え、ふたりの歌や舞は認められ、 いよいよ観世座が将軍家の庇護を受ける 日が来るかのように思われたがその裏で、 次第に政治の波に巻きこまれつつあった・・

正直、権力あらそいがどうとか、その頃の政治的な動向がどうとかっていうのは、わかった ようなわからないような・・・(わかった気になってみていただけだと思う(ーー;))。 「みずのえ」の存在もちょっと分かりにくい。
ただ、その権力闘争のなかに、どっぷりと つかってしまった、一族の哀しみと、「能」という芸能にそそぎこんだ情熱みたいなものが 伝わってきて、じーんと来ました。
世の中で猿楽風情とさげすまれていて、やっと将軍家にに認められて、世に広げられる、そんな 喜びが、利用れされてしまったんだろなぁ・・(T_T)。

なんでも、歌劇とかのあらすじには、相続あらそいって載っていたらしいのだが、 とんでもなく仲の良い兄弟でした・・・(笑)。元重は芸の道に生きて、 ひたすら観世座のためにがんばる兄ちゃんってイメージ。元雅は、 芸術肌っで、理想家かな。
ふたりとも一途で・・その一途さが悲しかったね。
今バウで主役を張っている中では、最年少クラスなんだろうが・・・日本物、それも 能の世界という特殊な設定にも関わらず(細かいことは私にはよくわかりませんが、お芝居の他にやらねばならんことがいつも以上にあったであろーと推測する)、 完成度の高い舞台だったんじゃないかなぁと思う。

元重のキリヤン(霧矢)の、流れのあるお芝居を見るのははじめてなのだが、 安定感のある舞台姿に感心・・・声がいいってことは歌に幅がでるから、特だなァ〜と 実感しましたね。すべてを背負っていく姿が堂にいってて、せつなくもあり、 悲しくもありましたね。ただ、もうちっと中にある熱気みたいなものが、 外に伝わってきてほしいなぁと私的には思う。

元雅のタニくんは、最初の出のふんばってるお顔がおかしくて・・(失礼^^;・・だって 必要以上に顔に力はいってんだもん)綺麗って聞いてたんだかなぁ・・って(笑)。 やはりこのひとの顔は動いている時の方がいいのかな。 芝居が始まって、物語が進んで行くにつれどんどんとオーラ増してくる感じ。 みずのえに「もう逢わない」と言いきった時、兄に「殺してくれ」と言い切った時などここだぁ〜ってツボの表情の見せ方はさすがです(笑)。
淡い檸檬色の上着がよく似合っていて、みずのえとの2人のシーンはなんだか雛人形みてるみたいでした。

主役の2人以外の方々のソロも多い、話しも入り組んでいる。それもW主役・・。 話が散漫になりそうな状況がうまく噛み合っていてみんなが適役って思える。 そして、主役がきちんと際立ってる辺りは先生の手腕なんでしょか・・
別にWにする必要もなかったような気がしますが、タイプの反対のふたりだから丁度よく・・・
歌もね、キリヤンがとても上手くて、聴かせる歌をたっぷり聴かせて迫力もんだったから、 その後で歌うタニ君は正直、気の毒かと思いましたが、違った意味で負けてなかったりしてましたし(歌によってかかなりアヤシイが^^;)、 なによりも、2人の声の愛称がいいのか、2人で歌う歌がすごく好きでした。

素直に運命をあるがままに受け入れて不幸な境遇ななかで 可憐に咲いている花・・・。初ヒロインの白羽ゆりちゃん。
まだまだ芝居が一本調子で、客席を意識しすぎている んじゃないかなというのが気になるけど・・綺麗な声が愛らしくて・・華やかさがある。 若手の娘役が多いといわれる月組の中では最もヒロインらしいタイプなんじゃないかな。 この先がちょいと楽しみ。

三男坊の元能をやっていたはるひくん。よかったよとの噂、聞いていたけど、 どんな人?ってな失礼な私^^;。ナルホドがんばってましたねぇ・・。 愛嬌があって嫌味がなくて・・楽しませてくれました。
北畠光満やっていた大樹槙が台詞の声、歌と共にしっかりして聞きほれましたねぇ・・。
チャル(箙)さんはもう・・・憎まれ役やらせたら、天下一!!もぉ ぞんぶんにやっちくれぇ〜^^;。しかし、あっちこっちですごい公演回数こなしてません? 私が見るバウほとんど出演されてるような気がする・・・
ケイさん(萬)は、雅だァ〜〜・・ホントこの方、色気というより色香って 感じでも雅な雰囲気がぴったりでした。
フィナーレのキリヤンが歌って後ろで、チャルさんとケイさんが踊っているの っていうの、かなりシビレたよぉ(^-^)//""パチパチ。
小松上皇は、御簾の後だったので、ずっと誰がやってはるのだろうと思っていたが、 梨花ますみさんだったのね・・・プログラムでお髭つけてはるのにびっくりぃ・・(@_@)。 フィナーレでは美しいお姿で。。ほっとした(笑)。

もいっかいみたいぃ・・って思う気持ちが強く残った公演でした。

00/10/28