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雪組 2000年12月5日〜12月12日 シアタードラマシティ
脚本・演出 児玉 明子

月夜歌聲ーツキヨノウタゴエー
CAST
ウェンフー 湖月 わたる チャン 未沙 のえる
アンシア 朝海 ひかる ワン 美郷 真也
スージェイ 立樹 遥 フォンライ 音月 桂
ファン・メイ 萬 あきら ユアン 愛田 芽久

そんなに興味がわかなかったこの舞台を見に行くきっかけは・・ちらし。 発売日の少し前に他の芝居をドラマシティに見に行きそこでもらった・・・きっれぇ〜 ・・これはみにゃぁって(笑)。 何年かぶりに前売りチケット買いにならんでしまった^^;
それほどまでに惹かれたちらしだったんですが・・・本編のイメージとはちょっとちがったかなぁ〜〜 (あのままの話っていうのもどんなんか想像つかへんけど)

3年前大火事以来閉鎖されたままの劇場にフォンライという若者がやってきた。 行われるオーディションを受けて、あこがれの「覇王別姫」の覇王をやるのだ。 そんな彼の熱意をみてか管理しているチャンは、その当時のことを語り出す。
京劇の世界の第一人者ファン・メイの娘アンシアは京劇をするために、 男として育てられいた。 ウェンフー、アンシア、スージェイは幼いころから役者として厳しい訓練に耐えてきた仲間だ。 アンシアの夢は父のあたり役であった別姫役をやること、 その時の覇王役は大好きなウェンフーでと・・・。
スージェイは師匠が自分に必要厳しくすると感じ、京劇の世界を捨てワンの元で働くことになる。 そして、とうとう「覇王別姫」をウェンフーとアンシアで上演されることが 決定した・・・
その前夜・・アンシアはこの舞台を最後に京劇をやれ、ウェンフーの力になって生きていきたいと決意、 それを告げようとするが、うまくいかず、こちらも アンシアに思いを告げようともどってきたスージェイにそのことを話す。
嫉妬にくるったスージェイは、本番直前ウェンフーの楽屋に忍び込み、 硫酸を顔にかけてしまう。痛みに暴れたウェンフーの手がランプに当たり・・そのまま炎上・・

ここまでが1幕、幕開きのボンボンって音楽がね、なんだか「ロストエンジェル」思い出しちゃって・・^^; 勝手に盛り上がっていた私^^;。
子供時代を回想シーンなんかを使って3人の関係をそのまま映し出している ところや、芸への情熱、アンシアの複雑な女心と・・なかなかテンポのよい展開で、 1幕ラストの炎上シーンは圧巻!!休憩に入るときのざわめきがすごかったような気がする。
舞台前夜のシーンは・・まるでベルばらの「今宵一夜・・」だわ(笑)「月が・・・」にゃ ずっこけた。しかし、このシーン抜群に綺麗だったのだ。 アンシアはガウンの下に チャイナドレスを着ている。気分はもう告白に・・・
しかし、ウェンフーはいつもとかわらぬ笑顔で「どうした?緊張しているのか」と・・全然わかっとらん(笑)。 切ない思いを押さえながら、 ウェンフーの肩に首をそっとよりそう・・。よりそわせるだけなんですけどねぇ・・ ここがねぇ・・・人が言うコムちゃんの色気ってこういうことかぁ・・っとはじめて 自覚させていただいた。
こういうシーンがひとつあると・・なんかうれしくなる私であります(笑)

2幕はそれから3年後のお話、ウェンフーは消息不明で、 アンシアはまだ京劇を続けていた。スージェイはワンの元で順調に仕事をしてが、 ワンがアンシアの劇場をのっとりにかかったため2人は奇妙な形で再開する。
フォンライが劇場で歌のけいこをしていると、 仮面をつけたウェンフーがあらわれ自分がけいこをつけるから、 必ず覇王の役をかちとるようにという・・・。
スージェイはワンにアンシアへの説得をかってでるが、アンシアは頑として聞き入れようとせず、 「覇王別姫」の公演の準備をしていた。追い込まれたスージェイは、 アンシアが女性であることがばれれば、公演が打てなくなり、劇場を手放さずにはいられないだろうと、 ワンの耳にいれる。
それをネタにアンシアに脅しをいれるワン、そしてスージィ。そこにウェンフーがあらわれた・・
3年前の事件を証明されようとしたスージェイを助けようと、ホアリェン(ワンの娘で、 スージェイに好意を抱いていた)の銃がアンシアを貫く・・・
打たれたアンシアは、ウェンフーにやっと思いを告げることができ、幸せそうな顔をして息を 引き取った・・・。

正直、2幕に入っていききれ状態というか・・・(笑)、ふたりの思いがあまりにも一途で、 その心に感動はしたもののなんとなく突っ込みたくなるような 展開になってきてしまったという印象^^;。
ウェンフーはなんで隠れていたんでしょ。 フォンライをこっそり育てて夢を託すつもりだったのかもしれないが・・ 別に隠れないでもいいんではない?あなたが悪いことをしたわけじゃあるまい。
オペラ座の怪人もどきのように(どこにすんでんだぁ〜) フォンライのもとに現れて、勝手にそんなんじゃだめだと激怒してる(笑)。 1幕のウェンフーの性格からして、ちょつと考えにくい行動なんですが・・ そんな根暗な仕方はしないだろう。
死んだウェンフーとアンシアの死に化粧をするスージェイっていうのも・・ おぃおぃって感じでしたわ。そのまま、2人の京劇姿にもっていく演出は 華やかでよかったなぁ・・。感情がね、ライトの大きさと共に高まっていくんだ(*^_^*)。

わたるくん(湖月)は・・・1幕は前向きな精神をもった明るい青年を・・2幕は愛に苦悩する 影のあるオトコ・・・ふぁんにとってはなかなか贅沢な趣かもしれん。 どちらもとぉーってもかっこよくて、台詞の声もみるたんびにこんな声してたっけぇ って驚かされる。今ものすごく勢いに乗っているんだろなぁって感じる(*^_^*)。
本当はね、これぐらい勢いある時期にトップになっちゃうといいんだろと個人的には 思うんだけどなぁ・・^^;

最近゛りょう゛ちゃんの写真見ると、思い出すコムちゃん(朝海)ですが(笑)。 京劇姿みて・・・このかっこをさせたくてこの話をつくったんかしら・・ って思った^^;。白塗りしたうなじがいろっぽいったら(笑)。
この役女性なんだけれど、世間的には男に見えないといけないし(オスカルなんかだと 女でいいんですよね)・・・でも、京劇女形だもんで男らしぎてもいけない・・そんな ややっこしいところが、 今のコムちやんの持ち味とぴったりはまっててよかったんじゃないかなぁ・・。
白いスーツがぶかぶかでねぇ・・かわゆい(笑)イマイチにあってないところがよかったわ(誉めてんです・・ 念のため^^;)。
京劇でみせた剣の踊りは見事。あの剣さばきにゃちょっとほれましたっ・・・

スージェイはしいちゃん(立樹)。スージェイというのは、 この話しの中じゃ完全に゛ワルイヒト゛なんですが(笑)、アンシアを思うあまりに道を 踏み間違えてしまったといういい人を捨てきれない情けなさが^^;よかったです。
私にはとにかく笑った歯が印象的な方というだけしかなく・・こんな、 屈折した芝居ができるのかと・・正直うれしい驚きでした。

フォンライの桂ちゃん(音月)は、伸びのある歌声が気持ちよかった。覇王というよりも、 別姫やらせたいって雰囲気ですが、大役を夢見ている少年っていう感じがぴったりで かわいかった(*^_^*)。

あと京劇のシーンはちょっとみていてつらかったですねぇ・・・京劇自体ちゃんとみたことがないので、 (女形が男性だってこともしってたような知らなかったような・・ですもの^^;)あれが、 ちゃんと形になっているかどうかは謎なんですが・・ひと場面全部やらなくても雰囲気だけで 充分。それよりも余韻をもったまま幕を下ろして欲しかった。
児玉先生の作品は初めてだったのですが、なかなか、宝塚ふぁんのツボをついた作品で(笑)。 なにやらパクリ説(言葉わるいなぁ〜すんません^^;)なんぞもあるらしいのですが、このくどさを言い方向に^^;作品を作っていってほしいです。

2001/01/21