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宙組 2001年4月6日〜5月14日 宝塚大劇場
原作 池田 理代子/脚本・演出 植田 /演出 谷 正純

宝塚グランドロマン
ベルサイユのばら2001 −フェルゼンとマリーアントワネット編−
CAST
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン 和央 ようか グスタフ3世 箙 かおる
マリー・アントワネット 花總 まり ルイ16世 大峯 麻友
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジュ 水 夏希/彩輝 直 モンゼット公爵夫人 出雲 綾
アンドレ・グランディエ 彩輝 直/水 夏希 ロザリー 陵 あきの
マリア・テレジア 城 火呂絵 シェローデル 寿 つかさ
マロン・グラッセ 星 里未子 ベルナール・シャトレ 朝宮 ひかり
メルシー伯爵 未沙 のえる ソフィア 南城 ひかり

まあ、ステファン、ステファンと・・こんなにステファン人形のエピソードを 何度も語っていたべるばらはあったっけぇって心に残っとります(笑)。くどいともいう^^;
メルシー伯爵がフェルゼンに会いにいくシーンで泣きそうになり(笑)、
スウェーデン国王の「行け〜〜」に感動して(笑)
ルイ16世陛下どのの穏やかな性格に感嘆して・・
「駒鳥が鳴いている」をBGMに子供たちとアントワネットの会話(しばらくこの歌頭から離れなかった(笑))にしんみりして、
ラスト、アントワネット潔い後姿に感動した
そんな印象の舞台だった・・・。
どっか違うような気がするが小ネタ系がツボにはまったらしい・・・

なんとなく「ベルサイユのばら」を見たって気分にならなかったのが不思議。確かに綺麗で豪華だったんだけど・・・
思えば平成の再演の最初の雪組の公演は、これがベルば らかぁからってその存在自体に感動したよなぁ・・・(^^ゞ
ロココの世界にほわぁっとなって。3階席で、橋の上で打たれるアンドレが見えなかったの覚えてる(のちに橋はアンドレが死んでから降りてくるようになったんでしたつけ・・)。 冷静になるとひどい脚本だったし、出演者もばっちり似合っていたとは言いがたかったようだが、 それはそれなりに楽しかった。
それからチケット難もあってむちゃくちゃってわけにゃいかなかったが、結構回数みてたんだよね、だから 前夜祭に行った時、あまりの懐かしさに、再演を希望していたわけではなかったけれど (今見たい舞台じゃないのよねぇ^^;)、少々心躍るものがあったわけです。

しかし、私は再演時の残像に襲われてしまったのだった・・・(ーー;)。
まず、東京で星組のバージョンで、「我が名はオスカル」歌うって聞いてう<わぁぁ〜〜って思っていたんです。でも、 「愛の面影」をたかちゃんが歌うとは、全く頭によぎらなかったんですよねぇ・・・。 当日ロビーに入ってピアノ演奏聞いた時に・・あら、歌うのねって。
思ったよりも、なつめさん(大浦)の声私の脳裏にこびりついていたようで(ーー;)・・前奏がなると、その声がよみがえってくる。 でも、歌っているのはたかちゃん(和央)、おまけにまったく違うのびやかな声質で・・・。どちらがいいとか悪いとかじゃなくて、ひたすら違和感・・。(あぁ・・次が思いやられるかも・)
その他、づらづらと出てくる聞いたことのあるよな台詞。それがところどころ違ってる(あたりまえだ(ーー;))。そこでカクンとなっちゃう。 その先の台詞は聞きたくない(笑)言ってくれるなって言うのもわかっちゃってるし、 言ってくれるなと思っていも、言わないと気色悪かったり(笑)。
これじゃ楽しめないかぁ・・・。
そして、「愛の巡礼」これはもう、誰のってことじゃなく いったいこの曲の楽譜ってどうなってるの?と・・・気持ち悪かった。ブレスの場所、言葉の切り方が ぜんぜん違って・・・声が伸びないから切っているのか?とも思ったんですが、歴代のオスカル様全部が 美声だったわけでもないし・・・・、これってものすごい謎。
乗り切れないある部分は私の頭の中のせいだが^^;、これらの思いを打ち消すほどのものが、感じられなかったのもあるかもしれない。 時代の流れか・・出演者が全体的にあっさりしてて・・ そのあっさり加減がいいんだかわるいんだか・・・とここは葛藤(笑)。

ストーリーは有名なんで、何らかの形である程度の枠組みを知っているひとは多いと思う。 それにしてもこんなにはしょっていいのだろうか・・・見せ場ばかりつなげてもしゃーない。 初めてこの話の触れるひとはどういう感想を持ったのか聞いてみたい。
名場面をつなげた印象で、過程がない・・・。幕開き、フェルゼンの歌に始まり、 アントワネットが歌う・・ふたりがひっこんでから、 オスカルとアンドレが肖像画の中からでてくる・・・。 この始まりに象徴されるかのように、フェルゼンとマリー、そしてオスカルとアンドレこの2組の話が勝手に進行している。 それぞれのつながりが薄くて(オスカルとアンドレでさえ・・・)なんだか全てが突然。 一番気になったのは・・・オスカルはいつの間に心変わりした?と・・・(笑)。
そして、革命の背景がみえてこない、緊迫感が薄くかんじる。ぶちぎれたストーリーではやはり 気持ちは乗ってかないぞぉ・・・思いつつ、それでもなんだかちょっぴり感動しちゃったりはいる自分に気づき^^;、 やられたぁ。。。(笑)

たかちゃん(和央)フェルゼンはスマートな貴族フェルゼンそのものだったんだよなぁ・・・^^;
それがどしたっそれがあかんのかぁ〜 て言われそうだがそれが私には単に物足りなかったとしか言いようがない。
再演時の新聞記事で「考えようによってはとんだ道化だが、持ち前の腕力で強引に2枚目にしてしまった」って一文が心に残っているのだけれど、 その腕力の部分が足りないような気がしてならなかった。
もちろん道化にゃ見えないけど・・・前半は特に周りが見えていなくて、 オスカルに対してもメルシー伯爵に対しても逆ギレしてるよう感じちゃったもんで・・・。
これはたかちゃんのせいではなく、宝塚のフェルゼン(原作は違うって声聞くけどね)なんだから仕方がないんだろうが、 それを”和央ようかの魅力”で補って、どこか一本もう少し太い筋の通った男にしてほしかった。主役でなければ、綺麗なフェルゼンってな 存在でうっとりしててそれもまたよかったと思うのですけどね。
意外とフェルゼンが似合いそうにないタイプの方がやった方がおもしろい役なのかなぁ〜と思ったりもして・・。
1幕のラストから着ていた白地に緑の飾りのシンプルな軍服(マントの裏地も緑でしたっけ)がとっても似合ってましたっ。 エナメル質のブーツは気になる・・(笑) <p> 物足りないっていうのは、フェルゼン様だけでなく、オスカルもアンドレも・・・^^;
みんなその役であろうとはしている、何がどう悪いってこともない、しかし、それがいっぱいいっぱいかぁ・・と感じて仕方がなかった。
オスカルはどうしたって目立つ役だし、どんなにストリーがはしょられていても、「今宵一夜」は見せ場だし、 「バスティーユ」のシーンは盛り上がる。んでもってかっこよかったりすんだが、その他の シーンになるとなぜか地味になってしまうのが気になった。今回かわいそうなぐらい、 地味な軍服になっちゃっていたけど(どしてなんでしょ?)、だからっておとなしくなる 必要はないよなぁ・・ほんとあの時代り巨大な歯車のひとつにすぎなかったのは残念(笑)
アンドレ君は・・これまた出て気の毒なぐらい出てこなくて・・・^^;。 コメントしようもない気がするが・・。個人的には橋の上の死ぬ時の決して美声とはいえないかすれたお歌が・・ ちょっとツボにはまって好きだったかも(笑)。一応影に徹しているが^^;ところどころにあふれちゃってる華やかさが、 やはりオスカル向きなんかなぁ〜と思った(扮装写真ではアンドレのほうがいいかなと思ったんですが)。

なんだか少し物足りないって思うひとは多い中、おなかいっぱいになっちゃったのは・・・ はなちゃん(花總)のアントワネット。
評判どおりに美しく堪能させていただきました。前半はかわいらしすぎて、 フェルゼンとの2人のシーンもなんだか子供のままごとのようだったんですが(なんか緊迫感のないラブラブなふたりだったよなぁ。。)、 後半のチュールリ宮にうつされる頃から、 母性に目覚めはじめた頃からはとても貫禄がでてきて、見ごたえありました。軽やかさが彼女の持ち味だと思うんですが、 この辺りはやはりキャリアで補っているのでしょうね。
新しくできたというアリアもアントワネットの心情を表わしていて聞き応えあった。
だからエトワールは・・・別にはなちゃんじゃなくてもいいんじゃないでしょうかねぇ。。。 ボレロも踊っちまっていることだし・・^^;。 そこにでてこられた日にゃあたしゃ特別にはなちゃんのファンじゃないもんで、上から降りてきた日にゃ 正直もういいって(笑)。

ちょいと下品目なお貴族さまのシーンは減っていて(これはありがたかった・・・)・・・タキちゃん(出雲)が奮闘してましたねぇ^^;。 最初に書いたように助演人の存在はとても心強かった。
ベルナールが、とっても目立ってましたね。かっこもよかったし設け役だぁ・・・
幕開きの小公女、小公子は、ないとだめなんだろか・・・。ないと寂しいかぁ?(笑)
子供時代のアントワネットは、 歌は綺麗な声で気持ちよかったけれど、どうもくねくねと媚リすぎなのが気になった・・^^;

星組の「オスカルとアンドレ編」はどんなもんなのか・・ うわさに聞くとあっちもストーリーはなんだかヘンテコになってるらしい(ーー;)
出演者の熱演に期待して・・・ただ期待しすぎないでみたいと思ってる。

2001/05/15