月組 2001年5月18日〜7月2日 宝塚大劇場
脚本・演出 木村 信司
オクタヴィアン | 真琴 つばさ | ヘルマン | 大和 悠河 |
ゾフィー | 檀 れい | ユーリ | 汐美 真帆 |
オックス男爵 | 紫吹 淳 | オルグ | 霧矢 大夢 |
ニクラウス | 汐風 幸 | オットー | 大空 祐飛 |
ウラノス | 立 ともみ | マリア・テレーズ | 美々 杏里 |
アンニーナ | 夏河 ゆら | マルガレーテ | 西條 三恵 |
まわるまわるオルゴール…幕が開いたら・・・ピンクの世界!!
多少くらくらしたが(笑)、前の公演がベルばらだったせいか、とても優しい色合いが上品に見えてしまったのであります。
王子様を待っていたゾフィーの夢での幕あき。なくてもいいようなきもしますが綺麗だったから・・・(笑)
有名なオペラ「薔薇の騎士」の宝塚化。舞台はウィーン。
オクタヴィアンとテレーズはテレーズの寝室で愛を語っていた。オクタヴィアンはいゆるテレーズの若い愛人。そこへ、
テレーズのいとこであるオックスがやってきた。オックスは田舎貴族で、財産を散財して破産したため、大金持ちの
ファニナル家の娘テレーズとの結婚のために「薔薇の騎士」(婚礼の使者)を誰にするか相談するためにやってきたのだ。
オクタヴィアンは慌てて、衣装室に逃げ込んだ。テレーズはその「薔薇の騎士」に
オクタヴィアンを推薦する。そんな話のなか、衣装室で小間使いの衣装と着て女装をしたオクタヴィアンは
その場を去ろうとするが、オックスがえらく気に入ってしまい^^;、行きがかり上オクタヴィアンの妹の
マリアンデルということになってしまう。
数日後オクタヴィアンは、「薔薇の騎士」としてゾフィーの元に銀の薔薇をもって訪れる。ゾフィーはその
美しい薔薇の騎士に、オクタヴィアンもまたゾフィーに引かれてしまう。そこにオックス男爵が登場。
あまりの行いにゾフィーは失望し、結婚はしたくないというが、オックスは動じない。
ひと騒動のあと、オクタヴィアンは、オックスをおいかけてきたという娘マルガリーテに出会う。
マルガリーテ宛の手紙には「男爵のしている指輪を得た上で、一晩を共に過ごすことがあるならマルガレーテと
結婚するだろう」と書かれていた。
それをみたオクタヴィアンは、ゾフィーのため、マルガレーテの為、一芝居うつことにした。
オペラってこういう取替話ってよくあるのでしょうか。「オペラ座の怪人」の中のオペラにもそういうシーンがあって、
「カンディード」にも女装した男にほれるって・・・。昔は女性が舞台の上に立つことがなかったからそういう設定も
多いのだろうかと、カンディード見ながら思いました。
マミ(真琴)さんのさよなら公演、正月のTV中継の評判があまりにも悪くて…見ていなかった私はそんなにおもしろくないのかぁ・・と期待せずに行きました。
しかし、はまってしまったんですよねぇ・・・正直^^;
これだけチケットをちゃんと用意していなかったことを後悔した公演も少ない。
確かに、単純なおはなしで・・マミさんがやるのにゃ今更と思われるかも「Practical Joke」のような渋い男役 真琴つばさを最後に見たかったというのも分かるが・・
あたしゃ…愛を告げてる恋に悩んでるマミさんが好きなんだわなぁ…(笑)だもんで満足でしたっ。
まあ、最初はね、さらばぁっとかってオックス男爵が、みんなが懸命に走っているシーンをみておぉ〜〜い(~-~;)ヾ(-_-;) と思いましたよ。
でも、この馬鹿馬鹿しさを一生懸命楽しそうに演じている姿をみてると
あっぱれだなぁと思えて・・
中盤ぐらいからは、マミさんりかちゃん(紫吹)の独断場で・・・。これまたあっぱれ!!(笑)
話が単純でコメディだから遊びやすかったんでしょうが・・・いいかいってぐらい笑った(笑)。どこまでが アドリブでどこまでが台本だかわからないぐらいに自然で・・・(そのあとにみた舞台でえらい不自然なアドリブだっただろうものを みてからよけいにすごかったんだなぁと思いましたっ^^;)。ふたりの間がとてもよくて・・一見好き勝手やってそうで、芝居が壊れるとこまではしないっていう限度がちゃんとあるから安心してみてられる んです。
マミさんは、ほんと美しいオクタヴィアンと愛嬌たっぷしのマリアンデルで・・・。マミさん的には
許容範囲そうなので、楽々と生々と演じていたようにみえる。ここのところ気になっていた、何言ってるか
わからない歌も、曲調のせいか丁寧に歌っていてちゃんと歌詞の意味が伝わってきたこともありがたかった。
ラストの
ゾフィーに惹かれつつもテレーズを気にしてか、愛を告げるのをためらうオクタヴィアンを、「いいかげんに、
自分で決めることをしなくては」とテレーズに後押しされながら、告白して、少し大人になって新しい生活をはじめる
オクタヴィアンの姿と、ひとつのことをやり終えて宝塚を卒業していく姿がダブってちょっとうるうるきちゃいました。
またテレーズのちずさん(美々)が、今回もうとってもよくて・・・歌はいうまでもなく、上品な雰囲気と落ち着きが抜群でしたっ。
檀ちゃんのひたいの生え際って。。なんだかリカちゃん人形のようだ(笑)
ふわふわしてて、世間知らずのお嬢様像にはぴったりはまってはいたものの・・・生え際だけじゃなくてなんとなくこういう役どころになると人間味が薄くなって不自然な感じがするのが不思議で仕方がない。
プラター公園で、見知らぬひとに声かけられて困ってる檀ちゃんが好きだったよ。
りかちゃんは・・お金と女に目がないオックス男爵。こちらも楽々と?軽やかに演じてましたねぇ。ほんまぁーにどうしようもない男爵様なんですけどねぇ^^;どっかとぼけてて愛嬌があるんです。役は2枚目からは離れてましたが、プロローグのりかちゃんは綺麗でした。
でもなぁ・・・男爵様をおっかけてきたマルガレーテさんよぉ・・思い直した方がいいような気がします。
こうちゃん(汐風)は、オックスの家来。どうしようもない男爵をほっておきたいけど、ほっておけないから(お仕事ですから・・)、
ウィーンまでついて来ちゃってるんです。マミさんとりかちゃんが激しいから(笑)、その飄々とした家来ぶりがちょうどいい。
たまーにひそかに、りかちゃんのアドリブやハプニングをつっこんだりして・・なんかうまいなぁっと思ってしまう。
テレーズの家来のオットーのキリヤン(霧矢)は、歌えるっていいですねえ・・という印象でしょぅか(笑)。妙にマンガちっくなのが はまってて・・慌てている姿がかわいかった。しかし、あんなに何かするごとに歌が入ったら、 物事進まないでしょうねぇ(笑)。
子供のゾフィーの千佳ちゃんは文句なく可愛かった・・特にオックス男爵みてそのお友達が
あんなひとは嫌だって逃げてっちゃうあとのオロオロした顔が。
しかし、そのあとゾロゾロとそのお友達?がでてきたのにはびっくり。
若手娘役さんの出所がこういうところしかないのもかわいそうだと思った。
ゆらさん(夏河)と光樹さんの夫婦がなんか好きでした。ゆらさんこういう落ち着いた役のほうが怪演してるより
味があるようでいいなぁと思います。
マミ&リカの個性が強烈なのと、役が少ないのとで他の方々はちょっとしどころないような雰囲気でしたね。
タニちゃん、ケロちゃん、ゆうひくんもそれぞれ一応、彼女らなりに役づくりしてるようですが、
印象にのこるものではなかったな。
あっ印象といえば・・プラター公園でゾフィーに絡む謎の男のりえさん(嘉月)ってばいったい・・・何者?
その後何か物語りにからんでくるかとおもいきや出番はそこだけ・・・なんか気になって仕方がなかったです。
幕開きはスパニッシュ。マミさんは赤が似合う!!とここでファンモードに突入(笑)。ダンちゃんもお芝居とは違い大人っぽくて
美しい・・・。
そして、トリック。ここはなかなか面白かった。りかちゃん、だんちゃん、
こうちゃんがコートから手や足を消していき・・・最後はいなくなって・・・今度はマミちゃんに。
なんてことないけど、ふふっと微笑んでしまうトリックですね。
女役さんのマニッシュなパンツスーツもかっこいいものです。
(妙に、女役意識したパンツは好きじゃないんですけど・・こういうのは好きなんです)。
そして、いきなり婦人警官のダンちゃんには??だったけど、なんだか真ん中にいることがやっと慣れたのかなぁ〜〜
と思えるようなダンちゃんでした。
この辺りかな?スパニッシュで男役さんがりかちゃん絡んでいるのは・・・(笑)。ここのちずさんの歌好きでした。
中詰は、タニちゃんとキリヤンがはつらつと飛び出してきて、会場全体が大盛り。なんとなく若さの笑顔って
武器だわぁ・・っと痛感(笑)。ぱぁっと明るくなっていいですよね。まっ衣装もハデだったてのもあるかぁ・・^^;
客席に下りてくる演出になっていますが、2階からみても楽しめるように人を配分していてくれる
心遣いがありましたね。
盛り上がった後は、ダンちゃんが白い衣装でさまよってる。やはり綺麗です。目がいっちゃってる雰囲気なのはわざとなのか?
いつもなのか(笑)。でも、そこにマミさんビーストやってきて首筋めがけて襲う。
これぞ野獣真琴の魅力って感じで、歎美なシーンになっていて嬉しかった。欲をいえばもっとダンちゃんとからんでほしかったかな。
フィナーレは、マミさんのサヨナラショーって感じでしたね。
大階段をうまくつかってすごく広がりのある場面の連続でした。
男役を従えたマミさんの「マイウエイ」から、ピンクのりかちゃんのシーン。場面がばぁっと広がったようにづかなって、
感動ものでした・・・ここの女役さんの衣装が舞台栄えする綺麗な衣装だったと思います。
マミさん、ダンちゃん、りかちゃんのダンスなどもあってわぁ・・って圧倒されている間に終わったかな。
マミさんのエンターテーメントとしての、集大成をいい形でみせてもらえたなぁ。
ただ、マミさんとりかちゃんのふたりの魅力で充分に芝居、ショーが成り立ってしまったから、
いいんかいなぁ。。と。
どちらかで活躍できるような配分も考えて欲しいなと、舞台の満足感とは別のところで
ちょっと不満を感じた公演でした。
2001/09/24