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星組 2001年8月17日〜10月1日 宝塚大劇場

原作 池田 理代子/脚本・演出 植田 /演出 谷 正純

宝塚グランドロマン
ベルサイユのばら2001 −オスカルとアンドレ編−
CAST
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジュ 稔 幸 ジョルジュ夫人 高 ひづる
マリー・アントワネット 星奈 優里 ジャルジュ将軍 星原 美沙緒
アンドレ・グランディエ 香寿 たつき プロバンス伯爵 英真 なおき
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン 安蘭 けい モンゼット侯爵夫人 邦 なつき
ジェローデル 夢輝 のあ マロングラッセ 一原 けい
ルイ16世 一樹 千尋 ベルナール・シャトレ 久城 彬

どの雑誌に載っていた写真だったか忘れたけど、オスカルさまとアンドレさまのラブシーンの公演写真を見た第一印象は生々しいの一言。 体温が、汗がそのまま伝わってくるような・・肌がテカってるような・・(失礼σ(^◇^;))宝塚ファンになって10年以上、そんなこと思ったことなかったもんで、ショックでしたわ(笑)。 宝塚じゃないものになってたらどないしょって多少怯えつつの観劇です^^;。

しょっぱなからかなり失礼ですが(そんな正直に書くなって←ぢぶん)、でも舞台はね、円熟味を増したトップさんのオスカル様と、包容力抜群のアンドレがとても素敵に見えました。
そりゃまぁ・・かっこいいぃ。。とかきれぇ。。とかって気持ちは湧かなかったけれど(一言多いですね^^;)、いいもん見たって気分で劇場を後にしました。
見ておいてよかったなぁしみじみってかんじかなぁ・・。

幕開き「ごらんなさい♪」って小公子、小公女が迎えてくれる(笑)。マッシュルーム鬘が似合わないって評判のかよちゃん(朝澄 けい)の 小公子、なかなかかわいいじゃないですか(^.^)。そして、これが噂のバスタブのような花かごね。 さすがに・・・^^;。でっかいだけあって迫力あるんですが、イマイチ耽美じゃないですっ。平成の雪組公演のときにゃここで、 私は豪華さにぶったまげたんですが、今回は笑わせていただきました。
おまけに、 なんで真っ赤かのお衣装着たフェルゼン?(アントワネット様は赤よねぇ・・・) 好みがかわってしまったのが、原色のお衣装の多かったフェルゼン様です(笑)。
オスカル、アンドレの出会い。星原パパだけが以前の月組と一緒で・・ちょっと回顧。 お姉さま方の歌が妙にまったりしてて・・。
「強ければ家来にしてやる」この言葉ってなんかいいですよね。しかし、少女オスカル、スタイルよすぎで子供にゃみえん^^;。
ふたりが大人になったと思ったら・・・うえからトリコロールのテープが・・・バサっ(▼▼)。 この強引さはなんだとびっくりしている間に、話は宮廷に・・オルレアン侯爵が云々って・・・。 今回このオルレアン侯爵様大活躍でございました(名前がですが)。
この再演の舞台をみて思うのは、舞台装置の近代化をもうすこし取り入れてもよかったんではないでしょうか。
セリ、盆回し・・などを使うってあの幕前の芝居を減らすだけでも、テンポがでてみやすくなるんじゃと思ってしまう。

今回私のツボにはまってしまったのは・・・ナノダ!
マリーとフェルゼンの逢瀬のある庭園や、窓から見える夜空に出没する月・・・。時にはひっそりと芝居の邪魔にならないように、 時にはとぉっても綺麗に光ると自由自在・・・。シーンが変わるように月の大きさが変わるのが気になっちゃったんですよねぇ。
今回は、みんな大人です。オスカル様もアンドレに向かって「星が綺麗だ・・」とは言いません。 そのかわり、アンドレが言うんです懐かしむようにひとりで。。「星が綺麗だ・・」と。しかし、きらめく 星よりも綺麗な月が・・・^^;。「月が綺麗だぁ」の間違いよアナタ・・と突っ込む私(笑)

出番の少なさをカバーするためか、大勢口がさらに大勢になっていたような・・・衛兵隊たちもなんだかとっても かっこよくて・・・(笑)。若手男役結集なんで、やさぐれているというよりも、 現代の若者が兵隊にとられたらこんなんかもというようなだらけた兵隊という感じ。
子守唄のシーンは聞いていたので・・(笑)でも、あのシーン1幕が終わってしまうとは思わなかったです^^;。 やはりここまできたら、あのアントワネット様の大見得を切るシーンで終わって欲しかったなぁと。

そして、オスカルが巴里の町を訪れるシーンには唖然。曲も多少アップテンポになり・・・なんと・・・みんなで踊ってる・・( ̄□ ̄;)!!
苦悩のダンス・・・貧しさを訴えるダンス・・・・
オスカル様は、さぞやびっくりしただろういきなり貧しいなりで激しく市民が踊っていたら・・・(;^_^A

ノルさん(稔)のオスカルはなんというか・・誰よりも強そうでしたっ^^;。 荒くれた衛兵隊に「私に勝てるものが一人でもいるのか」と啖呵を切られると・・・ どーみたって、オスカル様の方が強くみえるんですよねぇ^^; (アランはふっとい声でいい味出してたし、対決シーンも迫力あるものになっていてGoodでしたが・・)。
歴代のオスカル様よりも大柄っていうのもあるし、トップのもつ貫禄というか・・・ノルさんの持ち味というか・・。そんなに たくましいってタイプじゃないと思いますが、やはり男役密度濃かったです(笑)^^;。
だから、甘さは少なく、男なのか女なのかわからないっていう魅力には欠けていたかもしれない。 でも、ジャンヌダルクのように戦う戦士のようなかっこのいいオスカル様でした。「人は皆幸せに」の歌も 「私の仕事〜〜」とかって歌ってましたし(使命だったかな?でもこれは2番?やたら守る守るを連発した歌になってましたが・・・)

タータン(香寿)のアンドレは深みがありましたね。
誰よりも強そうなオスカルが、女性にもどる唯一の時って感じでよかった。 ノルオスカルもアンドレの前だけは無理なく女性に見えましたもん^^;。歌声にも包容力があって、 あのガラスの馬車と一緒に「愛・・それは・・」ってタータンの声が聞こえてきた時にゃ。ちょっとした感動デシタ。 オスカルが小さな頃に言っていたように、迎えに来てくれたんだぁ。。。ってネ。

このオスカルとアンドレのコンビがいいなぁって それを一番感じたのは、アンドレがオスカルに毒を飲ませるシーン。
このシーン、一番嫌いだったんですよ(笑)。でもね、ここですごく入り込んじゃった。 オスカル様は・・怯えている?そう思った時にガーンって(笑)。 今まで、オスカルがここで初めてアンドレが 心中しようとするほど思いつめて自分のことを愛していたということに驚いていたようにみていたんですが、 それだと気がつかないわけないだろぉ・・・・バシッ(-_-;)ってなってしまうんですよ。
でも、力強く無理やり抱きすくめられて、初めてアンドレが男性であるということを意識したと同時に、 怖かったんじゃないかなと。
そのぐらいアンドレ様鬼気迫っていたし。。怖かったもんなぁ〜〜。
ノルさんが本当に震えて泣きじゃくっているように見えたんで、そう解釈しちゃって一人で盛り上がったんですが、 その後の芝居みていて、ノルさんの芝居でおどろいたする表現だとこうなっちゃうのかも知れないと おもったりも・・・さてどうなんだろ?(笑)。

優里ちやん(星奈)のアントワネット様は、もっとてろーっとまったりした雰囲気になるかなと想像してましたが、 結構可憐でしたね。母親としてのシーンも、大見得を切るシーンもなかったからよけいかもしれません。
フェルゼンとのシーンほんと幸せそうで・・・籠に入れられた小鳥の悲しさを感じました。
ドレスがどれも上品なデザインになってきてみとれちゃいましたねぇ(*^^*)。
子供がフェルゼンの子ではないかと言われ、憤慨して市民に攻撃をするように言ってしまうところの感情の持っていき方は 見事。
けどなぁ・・この流れだとオスカルの「王妃さま・・あんなにご信任を受けておきながら・・・」って台詞が ちょっと浮いてしまう・・・^^;。

とうこちゃん(安蘭)のフェルゼン。アントワネット様とのシーンはいいのですが、ノルオスカルが恋焦がれるような相手には見えず、 かなり違和感が・・・。更に3人の関係がぜんぜん見えてこないのでよけいに不自然やりとりになっちまう。なんか、 廊下の端と端でしゃべってるし・・^^;。
いきなり「私だって貴女が・・」って告白されてもなぁ^^;(だいたい本人に、告白なんぞしてましたっけ???)。 んでもってフェルゼンの答えが、「そうだったのか・・」とはいやはや・・どーにかしてくらさいっ(脚本ね)。
アントワネット様との別れのシーンは、なぜかさばさばした明るい笑顔で去っていくのであった。

ベルナール様がかっこよかったなぁ・・・。ロザリー殿は出番がほとんどなくて、 ラストに叫ぶための人になっちゃってましたね^^;。 巴里の町に視察に行くっていうのに、やたら嬉しそうなのはおかしいよなぁ・・・
ねったん(夢輝)のジェローデル様はキリリとしてかっこよかったです。なぜに黒髪?なんですが(笑)。

ルイ16世はヒロさん(一樹)。10年前はベルナールでしたのよねぇ・・・。ほんわかした 国王というには綺麗過ぎるというか、シャープすぎる感はありますが、そこはさすがですね。 人のよさげな国王様になってました。
マロングラッセさんはどしたの?って(笑)。なんか貴族の乳母にはみえなかったのが残念。 オスカル様との絡みがほとんどなかったからよかったけど・・・。

フィナーレは、都会的なショーでしたっ。奇抜さはなかったですが、大階段を使って、 すっきりとして見ごたえあり。
サヨナラを意識したショーでもあり、人はいろいろな思いでこれを見るのだろうなと思った。 優里ちゃんのダンスは、もう少しみたかった気がする。

10年ぶりの再演。華麗に豪華に・・なっているわりにゃ、その豪華さには陶酔できなかったっていうのは不思議な話。
いらんところで華美になっているし・・・ 過ぎたれば・・・とかってことわざがあるよに、何事にもほどほどにしといてくださいな。
赤いブーツ青いブーツ(こっちに持ってくる時によく却下にならなかったよなぁ^^;)は、それをみただけで、 他のものをみるのを忘れさせるほど奇妙だし。ラストシーンのオスカル様の軍服についていた、 紐を編んだような飾りはいったいなんだったんだろう・・・^^;。

宙組の時に感じた残像はさすがに少なかったです。 どうしても比べてみてしまうってことはありまけどね。あまりにも違うものを見たって気になったからかなぁ(笑)。宝塚ではないものではなくてね(笑)
心配していた「我が名はオスカル」も、多少感慨にふけっちまいましたが、 1回しか出てこなかったし・・・(あそこで歌わせる意味は全然わかりませんでしたが(笑))無事クリア
今回は、ノルさんとタータンの「培ってきたもの」に乾杯かな( ^_^)/□☆□\(^_^ )。

2001/09/02