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雪組 2001年10月5日〜11月12日 宝塚大劇場

作・演出 酒井 澄夫

宝塚ロマン
愛 燃える ー呉王夫差ー
CAST
夫差ふさ(呉王) 轟 悠 伍封ごふ(夫差の忠臣) 朝海 ひかる
西施せいし(越国の姫) 月影 瞳 王孫惟おうそんい(夫差の家臣) 貴城 けい
范蠡はんれい(越国の将軍) 絵麻緒 ゆう 孫武そんぶ(夫差の家臣) 立樹 遥
伯ひはくひ(呉国宰相) 星原 美沙緒 婉華えんか(呉の王宮の踊子) 紺野 まひる
闔廬こうりょ(前呉王)/匂践こうせん(越王) 飛鳥 裕 伍友ごゆう(伍封の弟) 音月 圭

泣いてしまいました・・・^^;
いい作品であったかどうか・・・そんなことはどうでもいいって気分よ。
いい噂は聞いていなかったし、途中までは、 なんでこんな歌詞をわざわざ歌にすんだぁ〜〜ってばっかりだったし、 なんだかなぁ〜って思ってみてた。
でも、いいのよぉ〜だって満足したもんっ。 いっぱい突っ込みたいけど、それもまた宝塚だ(笑)。

そう思わせてくれたのはトド(轟)ちゃん。
孤高の王その言葉がぴったりはまる淋しい人だと思ってみていた。 トドちゃんのトーンの落とした声と表情がせつなくて・・・

人は勝手に王に非情さを求める。何も不思議に思わず父の敵をと思って育ってきて、 どこかにあった疑問。
西施に対しても裏切られているかもしれないという気持ちよりも初めてみつけた愛に、正直につっぱしってしまった。 ひとりの女性を守るために一つの国を滅す。やっていいことではないことは分かっていたはず。
「全て知っていた」この台詞を聞いた時に、わかっていてもこにすがってしまった気持ちに 涙がでた。
「そうか・・いってしまったか」当然のように淡々と・・
悲しいのは王を思う家来の心もあったということが見えていなかったこと。
「お前は安らぎをくれなかった」そういわれてもねぇ・・^_^;
この台詞だけはちょっと言って欲しくなかった。

西施のぐんちゃん(月影)は、綺麗・・でもぐんちゃんの綺麗さってひとめ会った時に惚れる美しさじゃないような気がするんですけどね。
んでもって、この人はいったい誰が好きなのか、 どこまでが本心なのかがイマイチはっきりとは分からなかったのが残念。
范蠡を好きだったのだろうけど、その後の展開で、王を愛しく思い始めているようにもみえるし、 范蠡のためにそういうふりをしているようにも見える。
それでも、残っていたのは・・・王のことを愛したというよりは、 自分の居場所はここにしかないと思ったそんな気がして、これまたかわいそうな気がしたんですよねぇ。

『地獄の愛ですね』
『いや燃える愛』
言っちゃったよぉ・・・そんな、なんとも台詞だけ聞いたら火噴きそうな台詞も出てきてましたが、 燃える愛という言葉の裏に、悲しいふたりの人物を感じてしまいました。
でも。。。なんでラストはいっしょじゃなかったんだぁ・・・・これかなり不満(怒)

ぶんちゃん(絵麻緒)もまた、
立場的に中途半端というか、心の中が見えない役で・・・ちょっと気の毒だったかも。 この人の野望みたいなもの西施に対する気持ちがわかんないの。
歌はもう少し声が前に出ると迫力でるのになぁと。ちょっとトドちゃんの迫力に負けていたような気がする。こういう敵役的なものをみたのは初めてのような気がするが、 みてみてもぶんちゃんの持ち味って柔らかいんだなぁと実感した。

反対にコムちゃん(朝海)はまぁっすぐなのよねぇ^^;。 一本気な部分がそんな持ち味にあっていてよかったんですが、 なんでそんなに「親の敵」に固執するのかがずっと不思議で・・・^^;。
台詞も歌も声がでっぱなし。 ずっと息をはいているような気がして少ししんどかったかな。でも、雰囲気は 明るいのに表情のトーンは低くて不思議な魅力はあるんだな。まだよーわからないんですけど。なんとなく。

かしげちゃん(貴城)は、突然恋をつげて・・切られる^_^;。その前からこの人ひとりでちゃんとラブ光線演技してんですけど、 話に絡んでこないんで不可思議な存在になっちまう。こういう愛し方もあるとかってのを見て、 西施の心の鎧が解けるような存在であればよかったのに・・・。

書き出すと、不満がでてきますねぇ(笑)。 でも、見終わったあとは、このコンビのラスト公演としてなんか完全燃焼してる(どっちかっていうとトドちゃんが) 気がしてよかったんです。
しばらくは、「父の恨みを忘れるな♪」このフレーズが頭の中こびりついて離なくて困った公演でもありました(笑)。

構成・演出 岡田 敬二
ロマンチック・レビュー
Rose Garden
岡田先生のロマンチック・レビューシリーズ♪。そう名打っていて?な公演もありますが、 これは、ほんとうにほんわか、綺麗で、ピンクの薔薇が咲いているイメージでした。
幕開きの、3人の美しいことったらねぇ・・・(笑)。これはもう・・・雰囲気で選っただろ。
「薔薇戦争」は、優雅なシーンがとつぜん戦いになっちゃってびっくり(いや、別に文句言ってるわけじゃ・・)。
まひるちゃんの戦っている姿が、かわいかった・・・キリっとした表情がいいな。

第2章は・・ぐん姫と、かしげ王子の夢の中のようなシーン。
パックの音月桂ちゃんは、ちょいと雰囲気が重いけどはまってる。
曲がバラがらみなのがここまでぇ。。。とちょっと笑っちゃう。
クラッシックな雰囲気のシーンは、シリーズ中必ず1コはあるんだな。決して嫌いな雰囲気じゃないけど、 ちょっともったりしてるなぁと私はいつも思ってしまう。 もう少しすっきり処理できなというかメリハリつけられないのかなぁ〜と。
ぶんちゃんの笑顔が、華やかで、芝居の時よりもいいなぁと思った。なんか雪組の面子の中にいるとこの笑顔新鮮だわ♪。
コムちゃんは笑うと顔がくしゃっとしてしまうのが気になる。鼻にしわ寄せるから・・(笑) 踊っているときなんかの自然な笑顔はいいけれど、 ぱーっと出てきた時の顔がねぇ。。。

綺麗で豪華・・そんな言葉がぴったりでしたが、コレという印象的なものはなかったかなぁ。公演から月日が 経ってるもんで^_^;(6ヶ月もほっといた私のせいよん)イマイチ説得力ないけど。
後半のシンプルなベージュだったかのスーツの場面が好きだった記憶がある。
全体的にちょっとトップであるトドちゃんの個性にバッチリ合っていたとは言いがたいところが、パワー不足の原因かなともおもいますが、 宝塚をみたぁ・・・って気にさせてくれるショーでした。
大階段を下りてくるグンちゃんの笑顔がピカピカでいままでの中で一番いい顔していたのが嬉しかった。 思わず「グンちゃんって寿退団?」と聞いてしまったほどです(笑)。

2002/05/05