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月組 2001年3月10日〜3月20日 シアタードラマシティ
脚本・演出 正塚 晴彦

Practical Joke−ワルフザケってことにしといてくれよ−
CAST
ドイル・ウェンズワース 真琴 つばさ ピエール・フランソワ 汐美 真帆
ジル・ザーランド 檀 れい マウロ・カダローラ 霧矢 大夢
ママ・ローサ 矢代 鴻 ディビット・バクスター 大和 悠河
ジェミレー・アッテンボロー 夏河 ゆら カレン・ロバーツ 西條 三恵
サンダンス/ビットリオ 嘉月 絵理 カトリーヌ・ロエベ 叶 千佳

ドイルの仕事は、トラブル・バスター。映画の製作中におこったトラブルを世間に知られないように、 うまく処理すること。今はディビット・バクスター主演の映画に関係している。
ディビットは女性に目がなくなにかというとトラブルを起こすのだ。ある日、ドイルは呼び出され、 フランスでの撮影中に ディビットは相手役のカレンとデート中にひとりの男に殴られたらしいのだが、アクションが売りなのにたった一人に やられたとあってはかっこがつかないから処理してくれと頼まれる。
すぐさま現地に向かうドイルだが、行く途中、先日映画の製作発表パーティーで知り合ったジルといっしょになる。 ジルもまたデビットの怪我のうわさをききつけての取材に向かうらしい。 ジルは話相手が見つかったと喜ぶが、ドイルの席がファーストクラスだったために、一端そこで別れる。
ディビットを怪我させたのはカレンのボディガードのマウロだった。カレンはマフィアのドン娘で今は家をでていたが、 父親が勝手にボディガードをつけていたのだ。
ドイルとジルは、何度が偶然を重ねながらお互いのことを知り、近づきあっているように見えた。しかし、ドイルは朝鮮戦争で 受けた傷がもとで、いつ死んでもおかしくない状態であることをジルに告げ、これ以上かかわらないでほしいと 言う・・。それでもジルはドイルに向かっていくが・・・

結局変わらなかったんだねぇ・・・
お芝居が終わった時、そんなことをぼんやりと思った。 ジルがあそこまで本音でぶつかっていっていたのに・・・そう思うとやりきれない思いが残る結末でした。 女性はね、愛することで変わってほしいと思うもの^^;(皆とはいいませんが)。
頑固なまでに自分の信念を貫き通してしまったドイル。自分が死んだとジルに知らせたのは 優しさ故のこと?・・・そう解釈しても、なんだかのどかに海の見える場所で なごんでるドイルみてると・・・「ワルフザケ?」冗談もたいがいにしたまえと怒りすら覚えてしまう^^;。
ちょうどこれを見て家に帰ると、テレビでドラマやっていて、死期を間近に迎えたらしい(その番組別にみていたわけじゃないんです) 男が「今何が怖いっていったら、愛する人の笑顔を奪いとってしまうこと」って・・言ってましてそりゃ貴方はそれで いいかもしれないけど・・彼女はどうなんだぁ〜と。かっこばかりつけて勝手に消えてしまわれちゃたまらない。
男の人がもつ男の美学なんだろうか・・となんかシンクロしちまってしみじみ画面を見つめてしまいましたよ。

スーツ姿の決まっているマミさん。頭が切れてやり手で・・そりゃかっこいい。こういうのも見たかったなと思っては いたが、ラブラブ(この表現もなんなんだが^^;)やってるほうが好きかもしれない・・と思った。
反対に、ダンちゃんは、お姫様よりもこっちの方が人間味が見えていいかなっていうかドレスよりもスーツの方が 綺麗に見える。肩のラインが綺麗じゃないんでしょうねぇ・・・。怒っていたり、よっぱらっていたりする表情が とぉってもかわいくて・・・惚れました(笑)。
余談ですが・・・マミさんと檀ちゃんのデュエット・・・あんなに難しい振りつけないほうが・・・^^;。激しく踊らなくとも、 ただ、肌をよせあっているだけでいいんじゃないかなぁ〜。

トラブルメーカーのタニ君(大和)。女性に弱くて・・・やられっぱなしの言われぱなしで・・おっかしかったですねぇ・・(笑)。 傷だらけの映画撮影は、おかしくもありまた、かっこよくも(いや・・剣が、軍服が似合うのよねぇ〜)・・・ 傷がリアルで(そりゃほんものって設定だし・・すぐ消えてたけど(笑))迫力満点でした。
その映画の監督のケロちゃん(汐美)もいい味だしてましたねぇ・・・この方イカロスの時の印象がとてもよいのですが、 この元お貴族で熱血な監督が妙にはまっていて、久々のヒットです^^;。セーター姿が多いんですが、惚れ惚れする肩で(笑)手が長いんですよねぇ・・・。
かなりいっちゃってておかしいんですが、カレンを優しく見守ってあげている目が優しくて、よかったなぁ〜

そして、キリヤン(霧矢)は、カレンのボディーガード。あまりにも不器用でまっすぐな青年で・・みていてなんだかほほえましく なっちゃいました。生真面目な雰囲気が無骨さとなって持ち味が生かされてましたね。きっとカレンに惚れてもいたんだと思うんだけど・・どうなんだろ。黒塗り・・似合う!!
ドイルの雇い主サンダースと、カレンの父親(マフィアね)の2役の嘉月さん。サンダースが ドイルにだまされるはめになった相手がカレンの父ってのが・・なんか笑える^^;。

ゆらさん(夏河)は、「ハードボイルドエッグ」を思い起こさせるさわがしさっ(笑)・・ (正塚先生のゆらさんのイメージってこんなんなんでしょうか。)。 私が見た回にゃ、エイサイトしすぎてか椅子ごところげちゃって・・^^;。大丈夫だったんでしょうかぁ。
カレンのみえちゃん(西條)は、なんかかわいくなったなぁと思いました。どっか心情的に満たされていない 役が続いているようなんで、一度はじけたのを見てみたいです。ドイルの悪巧みに気がつきながら、 気がつかないふりをするところのふとした表情はよかった。
そして、千佳ちゃん(叶)は、気の強さがでますねぇ・・。でも、女優を夢見てなんらかの形で傷ついて・・・ それでも強く生きている姿が、多くない出番できちんと見えてきました。タニくんとふたりで並んだ姿はとぉっても かわいかった。
「更にわすれじ」で初ヒロインだった白羽ゆりちゃんも、なかなか華やかな雰囲気をだしてて、目が行きました。 映画撮影のシーンの戦闘シーンで、りりしく踊っていたのがすごく綺麗だったので、個性的な役の方が似合うのかもしれないなぁ〜〜。

マミさん(真琴)とダンちゃん(檀)のがっぷりと組み合ったお芝居がみたいなぁって思っていたので、 そういう部分ではかなり満足度は高いんです。ジルが抑えてきたものをどなりあうようにぶつけるシーンなんかは、 どちらもがとてもつらそうで、涙でてきちゃったんですけど・・・
最後まで見終わった、ドイルにとっちゃただうっとおしい存在だったんかいなぁとも思えてきちゃう^^;
それじゃあんまり悲しいぞ。かっこいいマミさんにどんなに見とれたって、 どしたってジルに気持ちがはいっちゃう。 賛否両論って言葉がどこかについてくる正塚先生だけど・・観客のほとんどが女性だってこと 忘れないほうがいいんじゃないしらん。
他の出演者もそれぞれ個性的に描かれていて、とても楽しませていただいた。それだけに結末だけが 気にいらないなぁ〜(笑)

2001/04/01