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星組 2001年6月9日〜6月18日 宝塚バウホール
原作 宮澤 賢治/作・演出 藤井 大介/作曲・編曲 高橋 城/監修 柴田 侑宏

バウ音楽誌劇
イーハトーヴ夢
CAST
宮澤 賢治/ジョバンニ 夢輝 のあ 車掌 雪路 歌帆
宮澤トシ/少女 映美 くらら アメユキ 陽月 華
カンパルネラ 椿 火呂花 ミゲル(ロドリゴの友人) 壮 一帆
宮澤 イチ しのぶ 紫 ザネリ 柚希 礼音
宮澤 政次郎 久城 彬 高瀬 露 陽色 萌

一面の銀河の中のやさしい世界・・・宮澤賢治の物語。
中学を卒業して実家に帰ってきた賢治は、家業を継ぐようにいわれるが家業の質屋は賢治にはとうてい合う職業ではなかった。 父と衝突する姿をみて妹トシは「兄さんは書くべきだ」と励ます。そんなトシに賢治は書きかけの童話 「銀河鉄道の夜」を話して聞かせる・・・
彼が死んでからみつかった詩・・「雨ニモマケズ・・・」。賢治の生き方を主張した詩が彼の思への思いを募らせる・・。 そんな導入部分だった。
途中「銀河鉄道の夜」とリンクしながら、賢治の夢の世界を語る・・・。プラネタリウムにいるような星空一杯の舞台でした。

この舞台をみると心がやさしくれる・・そんな噂を聞いての観劇でした。
しかし・・わからなかったんです。かなり頭の中フル回転したにもかかわらず、この舞台に流れているものが何か・・・^^;。
昔から読めなかった・・星の王子様とか銀河鉄道の夜とか… 繊細で微妙なファンタジー・・だからちょっと心配していたんだけど・・ 宝塚の舞台なら大丈夫かもしれないと期待もしちゃったりしたんだけど・・・ ・・やはり・・というか…^^;
「銀河鉄道の夜」と賢治の理想を重ね合わせて・・とプログラムで先生語ってんだわ。でも 肝心の「銀河・・・」の方のお話がよく飲み込めなくて・・・。ジョバンニが何を考えているのかちっとも入ってこなかった。 ただひたすら、不思議な物語だなぁ。。って。
私の頭の中?マーク飛んでるのに、まわりからすすり泣きがいっぱい聞こえてきちゃうと・・ 悲しくなっちゃいますよねぇ…ある部分の感性どっかにわすれてきちゃったんじゃないかって(笑)。
嫌いじゃなかった。。この雰囲気。だから余計に。しゃーないか(笑)

そして、ちょっと考えちゃいました。
こういう原作のあるお話はちゃんと前もって少し、頭にいれて置くべきなのか・・と。
先に本など読んでしまうと、どうしても先入観ができてしまうのであらすじすら読むことの少ない私なんですが、(ほとんど、出演者とちらしの雰囲気で見たい見たくないを決めている)・・・
最愛の妹トシが亡くなったところも、さすがにぐっときていたんですが・・死に際にトシがぽつり。。 「アメジュトテチテケンジャ」と・・
そこで・・・はて?「アメジュ」ってなんでしたっけ?・・と国語の教科書思い浮かべてしまう始末。目の前で賢治悲しんでるのに・・・あわわ^^;。
「銀河鉄道・・」の方もなんでラッコの密猟?そればっか気になって・・・(当時は北の方ではラッコは 未知な動物だったそうな・・・ってその後新聞でみた)。途中でてきたタイタニックは、 原作にあるのだろうか・と未だに疑問だったりするし。。。。
こりゃいかんよねぇ。。。はぁ。。。
車掌さんが「乗り遅れないように・・」って言うたびに、乗り遅れちゃったぁ。。。と思ってしまう私でした(T_T)。

おだやかな宮澤賢治は、ねったん(夢輝)の持ち味でてた。
色濃い役をやっている記憶が多いんだけれど、その時になんとなく感じていた 違和感は今回はなかった。 ジョバンニは「カンパルネラぁ〜〜」って、この声にゃびっくりするやら、 ほほえましいやら(笑)。
賢治を演じてるねったんが好きかも・・・。
歌詞がすっと入ってくる歌い方が心地よかった。かなりいろんな歌をさらっと歌いこなしていて、 すごいなぁ・・・。

カンパルネラのゆうかちゃん(椿)、なんだか正体不明で(笑)ふわぁって消えてしまいそうな繊細さがあった。 髪の毛が濡れてるいわれて、襟足をさわるしぐさが印象的。
ただ、ジョバンニもカンパルネラも・・・階段の上り下りが・・・わざとだと思うんですが、ちょっと女の子っぽすぎて男の子に見えずそこだけが気になってしゃーない^^;。

トシのえみくらちゃん(映美)、 「花吹雪、恋吹雪」の時も思いましたが、この人なんだかすごく落ち着いてる。 トシって妹なんだけど、賢治よりしっかりしてる部分の母性というか。。。そういう部分が はまっていたような気がします。

この人誰??ってびっくりしたのがザネリの柚希礼音くん。でっかいわぁ・・・(笑)体もだけど雰囲気が。。 腕白坊主って雰囲気で、ラストの言い訳がましい台詞が、心の中じゃどうしようと思いつつも、 強がっている感じがよかった。なんとなくザネリに一番感情移入できたような気がするわ(わたしゃ いじめっこやないハズなんだが・・・(笑))
手足が綺麗に伸びた踊りがとても気持ちよくて、くぎ付け状態。

久城さんが、こういう渋い役をやっているのをはじめてみましたねぇ・・。声が幾分つらそうだったけれど、堂にいっててもうすぐ退団ってっていうのが淋しい気がする。綺麗なお父さんは好きです。
あとものすごーい声量でひたすら美声を聞かせていた方がいましたねぇ・・・歌声が大劇場サイズで・・(笑)聞きほれたというよりも驚いたという感じになっちゃいましたが、周りの雰囲気に あわせることができたら、すごくいい歌い手になるだろうなぁとおもいました。

物語には上記のような理由で入り込めなくて残念だったけれど 名前は聞けども判別できないっていう^^;若手さんががんばっていて、全体的には やりすぎず、物足りなさ過ぎずいい舞台だったかな。
ラストのアカペラからの合唱は訴えるものがありました。

2001/07/02