雪組 2002年3月16日〜3月25日 シアター・ドラマシティ
原作 谷崎潤一郎/脚色・演出 石田昌也
さてみてみると・・・すごい話だ…痛すぎる^_^;
原作を全然知らなかったので、びっくりです。
常識も、理屈を超えた話ですよねぇ・・^^;。それでも名作として伝えられているのは、人の心のどこかに、これだけの愛を受けるというこをうらやましがる心があるのだろな。情に殉ずるで”恂情”かぁ・・・。
普通に考えたら重過ぎる…
し、二人で目が見えなくなってどないすんねん。ですわ。
・・といいつつボロボロ泣いていたんですけどね(笑)。
ただ、佐助はともかくとして(自分で満足してはりますから)、春琴はあれで幸せだったのだろうか…とちょっと思いますね。
佐助の無償の愛のおかげでがんじがらめになってしまったような気がしないでもない。
わがままを聞くのと、その人のためにつくすのは違うと…。
佐助も大人になりきらないうちに、そういう状況の中に入ってしまったことを思うと、
時代も違うし、こうなってしまっても仕方が無いのかな。
ただあの状況で言う「ありがとう」の春琴の言葉は、理解しようと思っても理解不能だった。
春琴が顔にやけどを負っても、何をしても佐助は受け入れてくれる、そんな事実を
ちゃんと受け止めた笑顔を見たかった気がする。春琴の笑顔はいつもどこか淋しかったもの。
きついことを言うのも、なんだかそれを言っても佐助が離れていかないかどうか、
確かめているような気がしたから・・
ブンちゃん(絵麻緒ゆう)は、着流しが似合っていて、優しすぎる男がはまってた。
暗闇の中で三味線をひとり練習し、春琴の世界と同じところにいると嬉しそうな顔や、
あとね、2幕に入り、ふたりで
住むようになってからの男ぶりは素敵デス。
私の中でイマイチどういった個性の持ち主かがはっきりしないっていうのがあったんですが、
こういう役がはまるのかぁ。。と妙に納得してしまった。
しかし、よー笑わないよなぁ・・と感心することもシバシバ・・・^^;。
春琴のまひるちゃん(紺野)は、座ったままスライドされて出たり入ったりするのが
ツボで。。(笑)。
ちょんと座ってる姿がお人形のようにかわいかった(^○^)。そりゃ守ってもあげたくなるのわかるね。
かなり怖かったが、年がたつにつれ自分の中でちゃんと自分の言ってることがわかっていてやっている節がみえて、憎めなかった。
目が見えないことで、恨み言を言わないところが気に入ってましてねぇ(笑)。
佐助に田舎に帰ってもいいというくだりあたりから、めっきり色っぽくなって・・
その差に驚いた。
利太郎のチャルさんは、いやらしくて・・成金ぽくて、ぼっちゃんというよりも、だんなさんでしたけど(笑)。普通に進めたら深刻になりすぎるだろう話をコメディに変えちゃってくれました(笑)。
あっぱれ!!です。
現代の若者がこの話を聞いて学びながら舞台が進行していくというのは「威き黄金の国」と同パターン。
今の愛の形とを比べながらというのは説得力があり、「威き・・」の時よりは、この若者たちの
存在意義は感じられました。ただ、佐助や春琴の気持ちの多くを言葉でストレートに説明してしまったのは残念。
ふたりの演技の中で、それが感じられるそういう演出でみたかったです。
説明されると、どうしても傍観者的な見方になってしまうんですよねぇ・・。
これを書着始めた時、ブンちゃん、まひるちゃんのコンビ退団のニュースが入ってきた。
なぜぇぇ〜〜。かんなりいい雰囲気をかもし出していた二人。
ちょっと、期待していたというのに…
チャーリー(匠)にひきつづき、1作で退団(--;)。何でもアリだな…
なーんか釈然としないんですが、決まっちゃったようなんで、次の大劇場公演で、
完全燃焼して無事卒業していって欲しい。。。。
2002/05/07