フォーシーズンズ ホテル 椿山荘 東京  

●文京区関口2−10−80   ●03−3943−2222

2002年8月  Superior Gardenview

 パークハイアット東京、ウェスティンホテル東京とともに「新御三家」と称され、ホテルオークラなどを「旧御三家」に追いやってしまった評判のホテルである。
 開業当初は「宿泊招待券」進呈の記事を見つけるたびに応募していた。招待券は当たらなかったが半額割引券などが送られてきた。何度か宿泊予約までしたが、急用のためにキャンセルを余儀なくされてきた。わたしの今夏の締めくくりイベントとして、ラグビーのナイトゲーム観戦を機会に宿泊することにした。
 最近はまず一休サイトを検索する。<朝食・スパ付き、庭園側>というプランは、とてもリーズナブルに思えたので直ちに予約を入れた。本人が満足すればそれでよいのだが、気になることがある。一休の格安プランは売り切れることが多いのだが、満室日は少ない。ということはそれほどお得ではないのか。あるいは不況のせいか。

■目白駅前から「國學院大學」塗装の都バス「新宿駅西口」行に乗車。「この通りは昔は上下2車線じゃなかった?」「そんなことはなかったよ。」「でももっと街路樹が繁っていたよね」などの会話。同行者は昔、カテドラル教会の近くに下宿していたのだ。早稲田からは、新江戸川公園、和敬塾沿いの坂を登って40分かかったそうだ。
 何度も利用したことのある宴会場をあとに、建物に沿ってホテルをめざすも、ホテル名の入ったゲートに惑わされ、タイムロス。同行者の機嫌を損なう。

■タイミングはやや遅れたが、ドアマンが「チェックインですね」と荷物を持ち、フロントへ誘導、氏名を告げる。「一休プランのご利用ですね」と、手続はスムーズに終了。「ベルの案内はいかが致しますか」と聞かれるが、もちろん依頼する。フロントデスクに向かって左後方から声をかけられることが多いが、この日は右から来た。「お荷物はございますか」というので、01年10月の都ホテルを思い出してしまった。荷物は壁際に座っている同行者とともにあった。あれは従者用の椅子ではないか? ということは今回はわたしが主人であると認めているのだな。コクコク!!
 エレベーターホールは床と壁の模様が同じで落ち着かない。調度品に中国のものが多いが、ヨーロピアンスタイルの内装と合わないと感じるものもある。
 わたしたちは8階の禁煙フロア。同乗の客は14階。クラブフロアではないようだが、どんな客室なのだろう。初めてのところは何でも気になる。
 廊下は狭い。二人なら余裕で並歩できるが、三人は無理。後にスタッフとすれ違う際、わたしが一歩引いた。同行者はすかさず、「今のはスタッフが立ち止まって道を譲るべきよ」と指摘。もっともだ。コクコク!
 壁にカートをぶつけた痕はみられない。客室のドアは向かいあっており、同時に開けると中がのぞける。

■ベルマンは案内も適切で、会話も卒がなかった。ラグビーを知っていそうだったので、サントリー対サラセンズ戦のことを話すと、「わたしの体育教師は、朽木三兄弟のひとりでした」「若狭高校ですね」「はい」と話が弾んだ。スタジアムへの経路も心配してくれた。同日後刻、クラブフロアへ客を案内する際に出会う。「これからお出かけですか」と声をかけてくれた。観戦帰館後は、出会えなくて残念。

■客室は適度の広さ。その広さのせいか、キングサイズのベッドが小さくみえる。ターンダウン・サービスはあったが、折り鶴はない。枕元のパネルには、ドアに表示を出せる Don't disturb ! ボタンもあったが、カーテン開閉ボタンは案内表記が消えかかっていた。
 壁際に付いているデスクは書類を広げるには狭いし、暗い。タンスは引出の取っ手がカタカタなって安っぽい。クロ−ゼットには、ハンガーがたっぷり。

■浴室内では、トイレとシャワーブースが独立。ワッフル地の洗いタオルを含めて4枚のタオルにバスローブ付き。アメニティ・グッズは豊富だが、乳液などの女性セットはリクエストが必要。石鹸類はフランスのロクシタン、初めての香り。困ったのは、洗濯紐がない点。シャワーカーテンレールもないので、ハンカチや水着を干すのに工夫が要った。バスタブは3分で一杯になるとの注意書きは親切だ。
■ミニバーは、ビール小瓶700円、ソフトドリンク400円など、このクラスとしては標準的な価格。
■庭園にはドレス姿の新婦さん。8月の日曜日でも宴会場は盛会だ。

■日曜午後のレストランはどこも混雑。客室からでも予約を入れるのが鉄則だ。こうして確保した「シーズンズ・ビストロ」の禁煙席だったが、廊下からの煙が気になる席だった。テーブルには水用グラスがあるのに注ぎに来ない。他のテーブルでは注がれているし、ミネラル・ウォーターのボトルもみえない。スタッフは誰も、わたしたちのテーブルを気遣ってくれないので、料理が運ばれたときに聞いてみた、「水はどうなっているのか」と。やっと普通の水を注いでくれた。こんなことがあると、スタッフも不愉快になるのだろう。水やコーヒーの残り具合を確認に来ることはなかった。
 朝食は「イル・テアトロ」。
 コーヒーはテーブルにポットで置かれる。それでもカップの残量を確認し、注ぎ足してくれた。
 前日、件の若狭君がクラブフロアへ案内していった若い女性の姿を認め、その場慣れした振る舞いに見とれてしまう。でも疑問。クラブフロアなら専用ラウンジで洋朝食が供されているのではないか。なのに、どうして? わたしは推理作家になれるか?

■日曜の16:00過ぎにスパへ。混み具合を確認せずに行ったところ、同行者は待ち順位5番で30分ほどの待機を余儀なくされる。準備よろしく、ラウンジで書物を読んで過ごしていた。
 バスローブも備えられているが、パウダールームはやや窮屈。
 先の状況であるから、プールサイドのデッキチェアは一杯。とはいえ、タオルやバスローブを置いてあるだけ。スパ、サウナ、露天風呂などで過ごしているのだろう。仕方なく、屋外のチェアを確保し、プールにはいる。曲がっていて泳ぎにくい。スパ、サウナ、露天風呂と一通り体験、早々に上がろうとしたが、ラウンジに同行者の姿がない。順番が来て着替えに行ったという。再度体験。
 パウダールーム内に「温泉」がある。伊豆から運ぶと言われるやつだ。伊豆とは「伊東小涌園」であった。同じ藤田観光だもの。いまさら温泉でもないが、シャワーブースもない。そのまま着替える。「鍛える」ではなく、「くつろぐ」所だ。再訪の気は起こらず。
 客室に戻ると18:00をまわっている。18:15のバスからJRに乗り継ぎ、18:50にはスタジアムに到着。都心は便利だ〜ぁ!

■チェックアウト。12:00には混み合うと聞いていたので、エキスプレス・チェックアウトを試してみる。朝食前にフロントに出向き、クレジットカードの番号をプリントしてもらう。その用紙にサインを残さないところが、デポジット用のプリントと違うところ。サインは宿泊カードの専用欄にし、そのカードをスタッフに手渡して出発する。ホテルの領収書とカードの請求書は、後日希望の住所に郵送される仕組みだ。
 12:00。キャッシャーには10名程度が並んでいた。コンシェルジェに提出してもよいと案内されたが、宿泊カードを受け取ってはもらえず、列を整理していたアテンダントにミニバーの伝票とともに手渡す。外国にもこのような支払システムはあるのだろうか?スタッフ以外に渡してしまったら、大変なことになるだろう。領収書と請求書は、間違いのないものが本日届いた。

■ブルーレターは、郵送できるので持ち帰ってある。各項目の評価欄が「期待以上・期待通り・期待以下」となっている。このホテルの自信の表れのように感じられる。(02.08.28記)
* シーズンズ・ビストロでのことを含めて率直な感想を書いて送ったが、返事は来ていない。(02.09.27)



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