The Ritz Carlton Osaka
     ザ・リッツ・カールトン大阪
 
大阪市北区梅田2−5−25 ●06-63434-7000
●97年10月    
JTBプラン−ダブルのシングルユース
10:00過ぎに到着しチェックインを申し出る。一般的には14:00だが、まずコンピュータを調べて整備完了の部屋を探し、次に電話を入れて整備状況を確認してくれる。たが、完了の部屋は見つからず。宴会場の更衣室で着替えた後、着替えをランドリーに出し、荷物を預けて外出。
16:00過ぎに外出から戻り、ベルマンと大阪のホテル事情や、リッツ・カールトンの東京進出などについて話をしながら部屋へ。このホテルがヨーロッパの貴族の館をコンセプトとして設計されていることを知る。小さなロビー、狭く入り組んだ廊下はそのためらしい。通された部屋はしかし、レースのカーテンが開けられ、ベッド足元の椅子には夕刊が数紙。客室に夕刊を届けるサービスは初めてである。上着をクローゼットに掛けていたベルが不審な様子で「お客様はこの部屋に入られるのは初めてでございますね」と尋ねる。どうやら先客のいる部屋に通されたらしい。
 「フロントに聞いてまいりますので、お掛けになってお待ちください」
と部屋から出て行く。座る気にもならず待っていると、
 「この部屋にフロントから連絡がまいりますので、しばらくお待 ちください。」
 「冷たいお飲物は如何ですか。」
 「いえ、結構です。」
 「連絡が遅うございますので、ロビーにまいりましょうか。」
 「また下まで降りるの?」
 「それでは近くのラウンジは如何でしょうか。」
 「近いのならそこに行きましょう。」
 「ではご案内いたします。」 
ということで、エグゼクティブ・フロアのラウンジへ。キーを差し込んでエレベーターの階数ボタンを押す。部外者の進入を阻むために、こういう仕組みになっているのだ。
 ジュースを振る舞われて待つうちに「部屋の用意が調いました」と迎えに来る。幸運にもエグゼクティブ・ラウンジの雰囲気を味わえたが、三たびエレベーターに乗り、キー操作の要らない階の客室へ。
 「ご迷惑をお掛けしましたので、お部屋はアップグレードさせていただきました。」
 「それはありがとう。」
 その後、客室設備や非常口の説明をした後、しばらく雑談し、引き上げていったが、その際に何度も謝罪し、「何かがあれば私めに用命して欲しい」と名乗った。そこで、彼がベルキャプテン・デスクに戻り着く頃を見計らって、「洗濯物ができる頃だが、先程のように部屋を変更しているから間違えずに届けてほしい」と依頼した。もちろん彼の手でかなえられた。
 落ち着いてから考えたことだが、ミス発覚後のベルの対応はおおむね妥当であり、誠意を尽くしてくれたと思う。しかし他人の客室にわたし一人を置いて出ていったのは、不適切なやり方だったと思う。その間に先客が戻ってきたら、わたしが「部屋割りのミスでここにいる」と説明しても、すぐに理解してもらえたかどうか。はたまた相手が、言葉の通じない外国人であったなら…。ベルは、最初からわたしを連れて出るべきであったと思う(もっとも、ベルがルームキーを持ち歩いている以上、先客は客室へは入れないのかも知れない。だとしても結論は変わるまい)。
 このミスは、フロントに原因があると思う。で、これは開業初期だから起こるミスではないだろう。だから、フロントでは@どうしてこのミスが生じたのか。ベルではAベルの対応は適切であったかなどが、真剣に検討されたことと思う。「支配人への手紙」の返信には、このことは記されていなかった。次の機会に、かのベルマンに尋ねてみようと思う。
アップグレードされた客室は豪華に贅沢にできていた。広さは先の部屋の2倍くらいの感じ。独立した仕事机の他に応接セットがあり、キングサイズのベッド、大画面のテレビ。ミニバーの種類は豊富だが、料金は高め。煎茶・焙じ茶の他に梅昆布茶があるのが嬉しい。関西のホテルには梅茶が多い。加えてキャンディもあった。たっぷりとしたバスタブに、シャワーブース、アメニティも充実。4種類の厚手のタオル。厚手のタオルは本当にリッチな気分にさせてくれる。トイレはウォシュレット。もはや不可欠の設備である。宿泊客はプール、サウナが無料。
客室の清掃は頻繁に行うと客室には記されていた。夕食の間にターンダウンが行われ、濡れたタオルもかえられ、梅昆布茶も補充されていたが、キャンディ容器は空のままであった。
 朝食に出かける際、ドアに掃除のタグを掛けておき、1時間半後に戻るも、タグも室内もそのままであった。…@
夕食はイタリアン・レストランで。賑やかだが雰囲気はよいし、味もなかなか。外国人のウェイターは愛嬌もある。しかし、客が去った後のテーブル点検が不十分だと思う。食事を終え、レジに向かう。注文票を忘れたことに気づき、テーブルに戻る。次にルームキーを忘れたことに気づき、テーブルに戻る。二度とも給仕したウェイターは、わたしのテーブルの側で仲間と談笑しており、
“good night !”と言うだけであった。
 朝は和食。和食堂は禁煙席がなく、近くのテーブルの同じ業界のグループの紫煙が不快であった。…A
結婚式で賑わった前日とはうって変わって、静かな落ち着いた朝であった。キャッシャーの対応に疑問を感じた。キャッシャーは、まず請求金額を伝え、現金やカードを受け取る。その後で請求書を提示し明細を確認させ、しかる後に精算にはいる。なぜ先に現金やカードを受け取るのか。明細を確認させた後で受け取れば良いではないか。…B
▼@〜Bの問題点がどのように改善されているか、再訪が楽しみ。

●2000年8月
▼前回の訪問では、経緯を詳しく記したブルーレターを認めてきたため、ダイレクトメールが頻繁に届いた。しかし土曜日に仕事がはいっていたこともあり、関西への足は遠のいており、いつしかDMも途絶えてしまっていた。
 リッチなホテルライフを妻にも味あわせてやろうと思って、妻と長男との帰省にあわせてJTBホテルプランのクーポンを用意しておいた。しかし妻は、帰省前の遠回りは見合わせたいという。そこでわたしが長男と出かけることになった。
▼リッツ・カールトンへは、梅田からタクシーでは近すぎ、夏の地上のテクシーでは遠すぎる。地下道を行くと上がり口がわかりにくい。阪神電車に一駅だけ乗ると、行き過ぎてしまって戻りにくい。何とも不便な場所にあると思う。
▼正面玄関から入るも、荷物を持ったまま、フロントデスクまでたどり着いてしまった。チェックインの客にはみられなかったのだ。クーポンはスタンダード室だが、シューペリアにアップグレードしてくれるという。前回の記録が残っているのかも知れない。
 部屋にはいると、ベルマンが、どこかからフレッシュオレンジジュースを運んできた。すべての客に出すウェルカムドリンクだそうな。前回世話になったベルマンのその後を聞いてみるも、同姓が二人いるとかで人物を特定することはできなかった。
 夕刻、友人とロビーで落ち合う約束をしていたが、シャワーを浴びているうちにその時刻をまわってしまい、友人はベルマンに案内され客室にやってきた。このときも、オレンジジュースがサービスされるところであった。j地元大阪でもこのホテルの評判はすこぶる高いそうである。
 友人とは夕食をともにしたが、ホテルでは高価すぎるので、地下街のレストランを利用する。一人3000円で食べ放題の中華料理。酔いと満腹感で、わたしはダウン寸前であった。

▼部屋は、淀川に面しており、夜景もきれいに見える。シングルベッドが4台は入りそうな広さ。バスルームもホーローびきのバスタブ、シャワーブース、豊富なアメニティ・グッズ。これにはHオークラもかなわない。でも、「広すぎるよ」「豪華すぎるよ」と感じるのも正直なところ。
 まあしかし、国内ホテルは、外資系のハードウェアには太刀打ちできていない。ここリッツ・カールトンは、ソフトウェアのスタッフもじゅうぶんに訓練されていると感じられた。大阪にあって、日本を代表するホテルである。
▼ぐっすり眠って、朝食。“スプレンディード”は分煙され、バイキング方式となっていた。オムレツを作るシェフが控えているが、その目前でパンをトースターで焼くのも不思議な感じがする。
▼ギリギリまでくつろいでチェックアウト。フロントに件のベルマンを発見。彼はフロントマンになっていた。しかし彼は前回のことを覚えてはいなかった。ダブルアサインなんて、よくあることなのだろうか? それでも「次回のために」と宿泊割引券をくれた。
 キャッシャーは、先にカードを求めはしなかったが、当方が明細を確認しているときにはすでに彼の手中にあった。 
◎今度の旅では、1日目に甲子園に行った。太陽が真上にあり、影が伸びない時間帯であったが、「かち割り」を後頭部に当てておくと、あまり暑さを感じなかった。2日目は、ニュートラムで大阪南港へ。水族館を見学。往復は新幹線。往路は「ひかり」のハザシ。復路は100系「ひかり」の2階ロザ。「ひかり」のロザと「のぞみ」のハザとは、千円と違わない。