京都ブライトンホテル
         上京区新町中立売 ●075-441-4411
         ●92年8月●朝食付12,000円
 
▼ 京都のホテルは「古くて狭い」と言われていたころ、セミ・スィートタイプの客室を備えるこのホテルを知った。そこに夏の観光キャンペーンにより格安で宿泊できるという。翌日の御所見学にも便利だし、早速旅行会社勤務の従弟に手配を頼んだ。ホテルはキャンペーン価格での引き受けを当初は渋ったそうな。
▼地下鉄を降り、徒歩で向かう。夏の午後、重い荷物を持ち、汗を拭きながら。そんな格好の10人を超える集団が、突如、敷地の正面ゲートに現れ、ホテル側もさぞ驚いたことだろう。敷地の奥にあるホテルとその手前の宴会場の玄関にいたドアマンやベルマンが、走り寄ってきて、荷物を運んでくれた。われわれが宿泊客だということを見抜いてくれたのだ。
▼キャンペーン価格でも追加料金を求められることもなく、チェックインできた。初めて体験するベルガールであるが、台車をつかっているとはいえ、女性に荷物を持ってもらうのには気が引けた。「ご家族と伺っておりましたので、コネクティングルームをご用意させていただきました」という。「それはありがとう」と応じたが、それは違う。旅行社を通じてリクエストしておいたことだ。
▼ホテルの建物は、中央が吹き抜けになっていて、そのまわりに客室を配してある。つまり、ドアを開けて廊下に出ると、目の前は吹き抜けの空間で、各階の廊下が、客室のドアがみえるようになっている。客室の窓外の景色が芳しくないので、このような構造にしたと聞いた。慣れれば違和感もなくなるのだろうが、それには時間がかかりそうだ。
▼客室は縦長で、奥つまり窓側にソファを効果的に配したリビングコーナーが設けられている。ベッドスペースとはソファの背もたれによってだけれど区分されている。これが「セミスィート」だ。長時間滞在できるときに、ゆっくり過ごし、じっくり味わってみたい部屋であった。
 朝食。大人たちは和食堂へ、わたしと子どもたちはコーヒーハウスへ。子どもたちの食は進まず、注文の品のかなりを残す。部屋へ持ち帰りたいと希望すると、盛りつけをし直して、ルームサービス係りが届けてくれた。
▼フロント周りでは、若いスタッフがはつらつと、一生懸命に仕事をしており、その初々しさには好感が持てた。落ち着きとゆとりが出来る頃に再訪したいと思いつつ、まだ果たせていない。レストラン利用はあるのだが。(02.05.17記)