都 ホ テ ル(ウェスティン都ホテル京都)

●京都市東山区けあげ    ●075−771−7111
 
●2001年10月
▼京都といえば「みやこホテル」とは、ずいぶんと以前から知っていた。しかし蹴上(けあげ)は不便な場所に思えた。JRから京阪電車や路面電車への乗り換えが不便であること、バスでは渋滞の名所三条京阪を通ること、タクシーでは遠い。それと茶室でバイトをしていた義妹からは、「シーツをはがしてみると、毛布には穴があいてるよ」などと聞かされていた。しかし、地下鉄が開通し、行きやすくなった。それに「一休」や「旅の窓口」などの予約サイトが出来、安価なプランでの予約がしやすくなった。京都ロイヤルホテルの改装記念格安プランとの組み合わせを考えているうちに、どちらも三連泊は不可能になってしまった。そして、旅窓で都に二泊、一休でロイヤルに一泊とした。行く気になって調べてみると、新都ホテルから蹴上の都ホテルまでのシャトルバスがあり、それが京都駅八条口を通ることがわかった。これでチェックインし、市内の移動は地下鉄としよう。
▼新幹線は500系「のぞみ」。1番E席を割り振られ、窮屈さを覚悟したが、意外にゆとりがあった。京都駅八条口では、シャトルバスの停車位置がはっきりせず、探しているうちに新都Hの近くまで来てしまったので、ホテルへ行ってみた。秋の行楽シーズンの週末だけに、館内は賑やかであった。バスは、南座で下車する若いカップルのほかに、わたしともう一人を乗せて発車した。八条口にはポールなどは立っておらず、制服姿のスタッフが「都電の安全地帯」のような一画に客を案内して待っていた。渋滞もなく、蹴上についた。京阪が地下に潜った効果は大きいのだろう。
▼玄関にはベルマンも数名待機しており、手が差し出されたので荷物を渡した。これはさい先がいい。チェックイン手続を終えて振り返ると、ベルマンが「お客様のお荷物はどちらですか?」と聞く。
「エッ!? あれです。(ホッ)」
 荷主を見失ったベルの責任なのだろうと思うが、外国だったら荷物はどこかに運び去られ、荷主の責任となるのだろう。500室規模のホテルにしては小振りなロビーに感じられた。改装中のせいかも知れないが。


▼そのベルマンの案内で部屋に向かう。曲がりくねって奥まった位置にあり、バスルームに段差はないが、家具類は塗装がはげ、かなりくたびれていた。R大までの行き方をたずねると、「わたしはそこの学生で、ベルはアルバイトである」と正直に名乗った上で、「地下鉄で二条駅まで行き、そこで市バスに乗り換えるのが一番早い」と教えてくれた。市立美術館で、レオナルド・ダ・ビンチの「白貂をだく女」が展示されていることも。翌朝、そのルートで行くと、待ち合わせ時間を含めても30分程度であった。市バスでは沖縄から来た友人と出会えた。

▼朝粥を目当てに和食堂に行ったのは07:00前。店の準備状況は不明だが、なかなか開かない。先番の実年カップルとまだかまだかと待つ。2分前に黒服が現れたので立ち上がろうとしたが、他の場所に行ってしまう。肩すかしを食らって、空腹感が一層強まった。ジャストに開店したが、案内もないので後の客が先に入ってしまう。それでも窓際を確保することが出来た。高台から市街地を眺めながら、梅干しをたくさん入れて朝粥を食べた。
 夕食は、つゆそばを食べたくて中華レストランをたずねたが、予約でいっぱいと断られる。どこのホテルでも中華の人気が高いようだ。価格が合理的なのと味が安定しているからなのだろう。良い料理人が多いとも言えるのか。結局、コーヒーハウスで済ます。こちらは空いていた。

▼コンシェルジェに「宝ヶ池で神戸製鋼の試合があるはずだが」と尋ねると、インターネットで探してくれたが、「本日ですね」。もう終わっていた。キャッシャーは、明細を確認させた上でカードを受け取り、用紙を折り畳んで封筒に入れて渡してくれた。
*改装が終わり、最近はウェスティン系列に加わったらしい。(02.05.17記)