リーガ ロイヤルホテル (ロイヤルホテル)

〒530-0005大阪市北区中之島5-3-68
  TEL(06)6448-1121 FAX(06)6448-4414

88年5月  ●JRレール&ホテルプラン

 学生時代に藪内流茶道をたしなんだ義妹は、ここのメインラウンジで働いたことがあり、このホテルが西日本で一番の評価を得ていることは聞かされていた。それを裏付けるように、K学館のY教頭も「関西に行くならロイヤルホテル」と、常々語っていた。時刻表ピンク頁を読むと、そのロイヤルホテルに、レール&ホテルプランを使うと税・サ込み一万円で泊まれるという。「みどりの窓口」で「大阪ロイヤルホテルというのは、あのロイヤルホテルですね」と念を押して、JRカードでクーポンを購入した。

■大阪駅から路線バスで向かう。最寄りの停留所で降りる。多少気おくれしながら周囲を見渡し、正面横から入館。ドアマンはいなかったように思う。
 思いがけない方向から若造が現れたので、フロントクラークは面食らったようだったが、チェックイン手続きは無事に終わった。はじめてベルに案内されて部屋に行く。安い室料だけあって、本館のエレベーターの裏だった。だが、音は聞こえず。窓の外には、同じような客室の窓が並んでいた。ルームキーは自己管理。
 部屋は広かったが、バスルームとの段差はどうだったか? ただ、家具は塗装がはげかかっており、スムーズな引き出しはできなかった。

■館内を見て回り、置かれているパンフレットを集めて回る。ホテルオークラとの提携を示すパンフもあった。東西のトップホテルは提携してるんだと、妙に感心した。
 ひととおりみたあと、シャトルバスに乗って天満橋まで行ってみた。大阪城の府庁側を歩き、Oさんの出身高校を見つけた。水上バスで濠をめぐった。
 シャトルバスで戻って、ホテルの周囲を歩く。住友病院がある。財閥企業は病院ももっていることに驚いた。冷静に考えれば、川鉄病院も鉄道病院も同じなのだが。

■さて、夕食だ。先ほど館内をめぐった結果は、メインダイニングはもちろん、バーもテナントも価格も敷居も高かった。そこで、恥ずかしかったけれどコンシェルジェに聞いてみた。「ステーキを食べたいが、どこのレストランがリーズナブルか?」と。「暖かいうちに召し上がって頂きたいので、ルームサービスは避けた方がよろしいでしょう。コーヒーハウスはいかがですか」と案内してくれた。いろいろなセクションに内線をかけるとみな「はい、○○様」と応答した。客の氏名が自動表示される装置があることを知った。
 早速「コルベーユ」へ出向く。予約を入れるなんて知恵はなかった。それでも席に着けた。禁煙席を希望したのだが、両脇の空きテーブルから灰皿を撤去しただけだった。周りの客がどんなものを食べ、どんな話をしているかとキョロキョロしていた。黒服氏が熟年カップルの席を頻繁に尋ねていた。「いつお帰りになったのですか」、「まあ、きれいに食べていただいて、ありがとうございます」と聞こえてきた。「ああ、なじみの客なんだ。割引があるのかな?」などと浅ましいことを考えてみた。
 ステーキ・コース(4500円)は美味かった。
 朝食もコルベーユ。滞在二日め朝はアメリカン・ブレックファスト。三日めはミルクとトマトサラダ。禁煙席を希望すると、端の席に通された。

■滞在二日め、路線バスで大阪駅、新快速で明石、路線バスで神戸学院大学へ。
 学会を終え、仲間と弥次喜多道中。道なき道をさまよい、神戸市営地下鉄にたどり着く。十三で下車し、「どたぬき」という居酒屋でイッパイ。中国・山東大学講師から、話を聞く。
 終電の時刻になり、わたしはタクシーに乗せられた。みなは京都まで帰る。「地理不案内のオマエは、タクシーが無難だ」と。流しをつかまえ、「中之島のロイヤルホテルまで」と告げると、「ロイヤル。かしこまりました」と返ってきた。「一流ホテルの最も安い部屋に泊まっても、そこで受けられるサービスは同じ。外部の人には、『あのホテルに泊まっている人』ということで一目置かれる」という言い伝えがあり、この言い伝えを実践したつもりだった。運転手には効果があったのだろうか。
 学会に集う仲間うちには、それなりのホテルに如何にリーズナブルな価格で泊まるかを競う雰囲気がある。

■ステイ三日め。チェックアウト後、ベルマンを従えてタクシーに乗る。座る位置、荷物の受け取り方を学んだ。
 大阪駅で「寝台急行 銀河」でやってきた友人と合流して京都へ向かい、市営地下鉄烏丸駅から歩いて「京都パレスサイドホテル」にチェックイン。直ちに引き返して、神戸大学へ。友人の発表を聞き、また京都へ。京都へ泊まったのは、翌日の葵祭をみるため。だが、翌日は雨で中止となった。(15年後の03.08.15記)