国際興業バス
2003.04.02
いままでの思い出をこめて、国際興業の7024についてまとめてみました。
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個人的にCUBIC第一世代のこの車種(LV314/214型)には強い思い入れがあります。BUシリーズからのモノコックボディのデザインを受け継ぎながらも全面的に見直し、細部まで凝ったデザインは外装・内装ともに完成度が非常に高く、どの角度から見ても美しいです。Hゴムやルーバーなど、ボディ各部のR処理が鋭角になり、同じイメージで統一されています。細かい部分ではネジ類や蝶番、各種部品取り付け部のプレス型なども凝っています。ボディ側面のRが少ないので、引き戸が内側に引っ込まずに折り戸と同一の面に並んでいるのも良いところでしょう。完全にリベットレスにはならず、側面に継ぎはぎ部分が見えますが、一般的にはモールドで隠されています。バス会社によっては広告枠の設置の関係でリベットむき出し仕様を選択するようです。エンジン音はBU〜CLM/CJMの流れを汲むもので、しっとりとして重厚感のある美しい音(主観)でした。
当時はまだ、バス会社による独自の仕様や装備の選択自由度が多かった時代、バス会社毎に車内の雰囲気も違っていました(ドア位置・開閉方式、階段周りの構造、ポール仕様、車内塗色、ミラー、ワンマン機器、窓周り・屋根裏通風孔、照明機器・座席配置等)。冷房装置も様々で、サブエンジン式、直結分散型、直結集中型(メーカーにより2種類あり)、非冷房など、様々な種類が見られます。
この次のモデルであるLV324型では完全なスケルトン構造となり、フロントマスクが同一なだけで完全に別のボディに刷新されてしまったと言っても過言ではないでしょう。リベットレスになり技術的には当時の他社製ボディに追いついたのですが、特徴であった大きな側面窓は天地寸法が若干小さくなり、窓枠に黒い樹脂ガーニッシュが採用されたせいで銀サッシは不釣合いになってしまいました。各部R処理の統一感が失われ、バランスが崩れてしまったように見えます。内装にも樹脂パーツを多用しているせいか、仕上げの緻密感も足りない感じです。冷房はヂーゼル機器(後にゼクセル→サーモキングとなる)製が標準装備となり、バス会社による差異は無くなりました。エンジンも変更、若干乾燥的な音になりました。
個人的には、初期のモデルを導入して欲しかったですね。車両自体は、ルーバーの角が丸いこと、IKコーチでなく川崎ボディのロゴプレートが付く程度ですが、平成に入る頃には時代の流れで車両の装備がだいぶ省略されてきてしまっているので、フル装備のLV314を見てみたかったものです。具体的には座席配置が6000番台同等で、台座付きマーカーランプ、ワンマン行灯、幕式出入り口表示機があり、車内蛍光灯も旧タイプの丸型、冷房は都営のグリーンライナーのものが付けば完璧。ベンチレータは無くてもいいかな・・。エアサスのLV214だとさらに良いですね。初代CUBICのエアサスは旧来のふわふわした乗り心地ですごく良いんです。
昭和の時代、バスがまだバスの作り方をしていた頃の最後の車両、地域によってはまだまだ現役ですので、時々追いかけて見たいものです。