車内
2013.06.16

車内の様子を比較します。

まずは、同じ国際興業バスの車両で、世代による車内の違いを比べてみます。


一度紹介しましたが、元国際興業、岩手県交通に移籍後のBU04の車内です。座席配置が独特ですが、整然とまとまっています。中扉左右のポールが車内に飛び出しているのは、独特のエアコンダクト形状により広告枠が天井中央寄りに移動してしまい、その広告枠を避けて設置されたようです。

そしてこれが国際興業LV314Kの車内です。座席配置は異なりますが、床やタイヤ、ステップや窓の配置が同じなのが分かるでしょうか。床は、木のイメージを残して茶色になっています。

国際興業LV324L(ワンロマ車8000番代)の車内です。窓や座席配置が異なるだけで、基本的にはBU04時代から変化していません。この頃は床の色が青になっていますね。

ちょっと角度が異なりますが、国際興業LV380(9000番代)です。再び床の色が茶色に戻りました。タイヤハウスの処理が異なっています。だいぶ雰囲気は変わりましたが、車内のシート裏や壁の下半分、仕切り板が国際興業独特の薄緑で統一され、他社に移籍してもすぐに分かります。


次に、同じいすゞLV314型で、バス会社による車内の違いを見てみましょう。


再び国際興業のLV314です。上のものとはポールカバーの色が違います。天井のエアコン装置は車内に出っ張っていて、空気取り入れ口が水平方向に並んでいます。当時国際興業は何故か標準のヂーゼル機器でなく、デンソー製のエアコンを採用していました。窓の内側に細めのつかみ棒があるのが分かるでしょうか。これも独自の装備です。

京浜急行バスのLV314です。料金箱〜前ステップあたりの作りが違いますね。中ドア前の床補強板も小さめです。エアコン部分の天井は段差がありません。

那覇バスのLV314です。他社からの移籍だと思いますが、どこの会社なのか分かりません。京急に似ていますが、フロントガラス直後の保護棒が丸型ですね。ここもバス会社によってかなり違いが出てきます。エアコンは京急と同じくヂーゼル機器製ですが、車内に出っ張っているタイプです。キュービックは天井が高いので、ここが出っ張っていてもあまり気にならないですね。

那覇バスのLV314、豪華タイプです。網棚や豪華なシート、横引き窓の採用で、観光バスのような車内になっています。エアコンは上と同じタイプですが、網棚があるのでダクトの形が違い、広告を貼り付ける場所がありません。

関東鉄道バスです。この会社は中古車をよく入れるようで、元は違う会社のものかもしれません。広告枠の内部4か所に内蔵されている分散型クーラーなので、屋根上・下には何もありません(独自の送風装置は付いていますが)。いすゞ標準車(川重/IK)では、屋根上に構造物が付くのを避けていたようで、カタログではこの仕様の車両が紹介されています。

当時の車両は、このようにバス会社によって仕様が全く異なり、乗った時の雰囲気も全く違うのでとても面白かったです。現在では国土交通省によりバス標準仕様が設定され、バス会社による細かい違いはほとんどありません。趣味的にはあまり面白くなくなりましたが、利用者にとっては戸惑うことが少なくなっているはずです。


おまけ
バスの床です!いすゞの車両には床に独特の美しさがあり、後年まであまり変化がありません。

岩手県交通(元国際興業)のBU04、エンジン点検蓋部分です。三方に開くように出来ていますね。

国際興業のLV314です。(低床化により)床に段差ができましたが、蓋の位置はほぼ一緒です。当時の他社製路線バスは、最後部の席だけ、階段一段分高くなっていましたが、いすゞはエンジンの高さを抑えられたようで、比較的浅い段差で済んでいます。

京浜急行バスのLV314です。国際興業と同じですが、前向きの座席配置なので若干形が違います。


左側を見たところ。ちょうど足の位置に段差がきてしまうため、台座が増設されています。


右側はちょうど非常口になるため、このような足置き場になります。この左右の足置き場の配置はLV314独特のものでとても美しく、気に入っています。