90年代車両比較
2013.07.10

バス全盛期の90年代、4社の車両をそれぞれを比較してみましょう。
おまけは4つあります!

左上:日野KC-HT 右上:三菱ふそうU-MP
左下:いすゞU-LV 右下:日産ディーゼルU-UA



車内前方の展望です。日野だけKC-ですが、U-とほぼ一緒です。設計思想の違いでしょうか、日野とふそうは窓が傾斜していて天井が薄いのに対し、いすゞと日産ディーゼルは車内が真四角で窓上辺から天井までに余裕があります。実物を見ないと分かりにくいかもしれませんが、前二者には冷房吹き出し口兼広告枠の設置にあまり余裕がありません。ふそうだけ木の床ですが、事業者がわざわざ選択したものと思われます。



車内後方展望です。エンジンルームの関係で最後部座席だけ一段高くなっているのが普通ですが、いすゞ車だけは段差が無いスロープ状か、あっても浅いです。きっとエンジンがコンパクトにまとまっているのでしょう。三菱は高さが高いのに面積が小さく若干窮屈?



エンジン点検蓋の部分です。各社2箇所ずつあります。ふそうは面白い形をしていますね。いすゞは三方開きは無くなったものの、BU時代からの伝統的な配置です。



座席最後部から左側の柱部分を見たところです。日野は少しスペースがありつつも標準的、ふそうはエンジンの関係でかなりのデッドスペースあり。いすゞと日産ディーゼルは背面窓までほとんどスペースがありません。いすゞ車は床に段差がなく着座位置が低いのと、最後部座席の背もたれが薄い(角度もきつい)ので、あまり優雅な感じで座れないのが残念。

ボディ剛性なんかも含めて総合的に見ると、観光車両の設計が取り入れられているのでしょうか、日野が一歩抜きん出ている感じがあります。路線車として車両スペースを最大限まで活用できるいすゞも素晴らしいですね。


おまけ (色々比較コーナー)

いすゞU-LV 段差有りタイプと無しタイプの比較です。この程度の段差、必要なのかどうか??


おまけ2

いすゞのKC-LVです。突如搭載されたV8エンジンにより、最後部が他社と同じように高い段差になってしまいました。V8エンジンの音は嫌いではないですが・・やはり路線車は直6が似合いますね!


おまけ3

いすゞキュービック(U-代、KC-代)の前扉ステップです。バスの前扉付近は、事業者や運行形態によりかなりの違いがありました。ステップに関しては、都市部では斜め配置で広く取ったものが多く、郊外では並行タイプが多かったです。事業者によっては変則的な角度をつけたものもあり、かなり面白い部分です。扉に付いた手すりや、フロントガラスへの衝突防止用保護棒などにも事業者のこだわりが表れます。


おまけ4

いすゞ伝統のミニルーバー(マフラー部分)です。両方ともU-LVですが、左はノーマル状態、右はDPF装置取り付け後です。首都圏では排ガス規制により比較的新しい車両まで対象となってしまったので、DPF装置を付けて延命されました。いすゞ車はこれが分かりやすくて目立っていましたね。