The King of Mouse
2004.12.02新設


マウス四天王徹底比較
マウスの王様はどれだ !?




チルトホイール機構、無線化等、機能的にはますます進化し続けるマウスですが、
反面、 最近はボディの作りなどにコストダウンの兆候が見られるようになってきました。
そこで今回は、高級マウスの頂点と思われるマウスを集めて、比較してみることにしました。
個人的な嗜好により、ホイールマウス以降、無線モデルを除外して4種類の高級マウスを
選出してみました。どれも高性能なマウスですので、最高のものを選び出すのは難しいですが、
私の独断により、最高と思われる機種を選定させていただきます。
もちろん、使い方には個人差がありますので、参考程度に見ていただければと思います。

予選

数あるマウスの中から、高性能モデルを選び出しました。選び出すと言っても、何のことではありません。山ほどあるメーカーの中でもMicrosoftとLogicool製品の品質が飛びぬけて良いのです。よって、この両メーカーの高級機の中から、ボール式、
光学式の各モデルを選出しました。

予選を勝ち抜いた機種
選考基準 スイッチ部に、感触の良いマイクロスイッチを使用していること。
最低限ホイールまたはホイール機構に準じる装置を備えていること。
レスポンスに遅延の無いこと。(これにより無線の機種は除外しています)
メーカーの販売している、フラッグシップ機種であること。(高級機のみの選定)
選出機種 Logicool MouseMan Wheel
Microsoft IntelliMouse Pro
Microsoft IntelliMouse Explorer 3.0
Logicool Optical Mouse MX500

分かりにくいかもしれませんが、基本的にはMicrosoftとLogitechの機種で、
新機構(ホイールや光学センサ)搭載後、問題点を解消した2世代目のモデルとなります。

 

基本スペックの比較

. MouseMan Wheel IntelliMouse Pro IntelliMouse Explorer3.0 Optical Mouse MX500
機構 ボール式800dpi ボール式400dpi 光学式6000/sスキャン400dpi 光学式5250/sスキャン800dpi
ボタン数 4 3 5 8
滑り止め ゴム製 ゴム製 擬似滑り止め 擬似滑り止め
ケーブル出口 保護ゴムあり 保護ゴムあり 直付け 直付け
表面仕上げ 成型艶あり 成型艶あり シルバー塗装 シルバー塗装
ホイール機構 ◎Logicool初代ホイール ◎MS2代目ホイール ○MS2代目ホイール簡易版 ○Logicool2代目ホイール
メンテナンス性 ○ツメ折れに注意 △ラベルを剥がす必要あり ○スライダーを剥がす必要あり △ラベルを剥がす必要あり
耐久性 ◎非常に良い ?不明 △スイッチ部に問題あり(?) ◎非常に良い
品質感 ◎非常に良い ◎非常に良い △安っぽい ◎非常に良い
ケーブル ◎柔軟性あり ◎柔軟性あり ◎柔軟性あり △少し硬い
重さ ◎軽い ○少し重い ◎軽い △少し重い
内部の作り ○外面に比べると若干安っぽい ◎非常に良い △安っぽい ◎精密感がある

* ホイール機構についての解説
初めてホイール機構が搭載されたのは、MicrosoftのIntelliMouseです。しかし初代のMSホイールは耐久性に問題があったようで、初期のインテリマウスは使っているうちに動きが悪くなるといった欠点がありました。コストダウンと共にこれを解消したのがMS2代目で、軽やかな回転で故障も少ないです。その後最近までこの機構は継承されていますが、ホイールの回転を押さえている金属がプラスチックに変更になったため、最初は軽くて良いものの、耐久性に欠け、しばらくすると軽くなりすぎてしまうようです。一方、Logitechの初代ホイール機構は非常に完成度が高く、回転時の感触、クリック感、耐久性の、どれも最高の出来でした。しかしながら構造が複雑なせいかコストが高かったようで、2代目ではかなり簡易化されて現在に至っています。

* メンテナンス性についての解説
ねじ穴が露出していてドライバーで簡単に開けることができるかどうかを示しています。本来はメンテナンスフリーの光学式は、分解する必要が少ないのですが、今回は一律に同じように扱います。ホイールやスイッチ部にいざ問題が起きたときに、簡単に内部にアクセスできるようになっているかどうかが重要なのです(?)

* 耐久性について
耐久性については、他のサイトや実機の構造、使用実績から考えて、私個人が判断したものです。すごく狭い範囲で見ていますので、正しいかどうかは分かりません。

 

個別レビュー

■MouseMan Wheel

まずその奇妙な形状に驚くのですが、大きさとは裏腹に、持ってみると意外なくらいに小さく感じます。お尻部分が小さいせいでしょうか?マウス左右ボタンは遊びもなくカチっと軽く決まり、高級感に溢れます。また、Logitech第一世代の、非常に完成度が高いホイール機構を搭載しています。回転時はしっかりとしたクリック感があり、押し込みは軽い力ですが深く押さないと反応しないので、回転時の誤動作も少ないです。
個人的にはこのホイール機構は数あるマウスの中で最高と思います。第4ボタンのスイッチは親指の下側に付いていて、マウスから親指を移動しないでスムーズに押せます。底部のスライダーも凝った作りで、滑らかさはピカイチです。サイドの形状は無理が無い程度に底面方向に向かってえぐりこませてあり、ゴム材料にしなくてもホールド感は十分な感じです。

内部へのアクセスは、ねじ穴が露出しているのでとても簡単。ただしコネクタ付近の爪は折れやすいので注意が必要。プラスチックは表側面ほどの高級感を感じませんが、機構は非常に手の込んだものです。フロントの3ボタンは”HC”というマークのSwitronicというメーカーのもののようです。安物のマウスによく付いていて重いクリック感のものを見かけますが、これに付いているのは軽くてとても高級感があります。サイドの第4ボタンは別のメーカーのものですが、これもまたそれほど悪くありません。

操作感は抜群。持って小さく感じること、軽くて滑りが良いこと、全体的なスイッチの感触が良いこと、一度触っただけでトップは間違いなしと思えるマウスです。欠点としては、現行の光学式のような早い追従性能がないことですが、実際にはそこまでの速い動作はほとんどないでしょう。

■IntelliMouse Pro

Logitech製品ほど奇抜感がないのは、デザイン元のスタンダードIntelliMouseを見慣れているからでしょうか?IntelliMouseと異なるところは、エルゴノミックデザインをより強めたこと、サイドを全てゴム素材で覆ってしまったこと、またホイール周りに島を設けた部分です。マイクロソフトのロゴと、このデザイン変更部分が同じ色で構成されているためとてもマッチしていて、またIntelliMouseの高級版であることをアピールしています。お尻部分が膨らんでいるので、軽くつかんでも手のひらにマウス全体が当たります。これが、マウスを持ち上げたときに安定感を高める役割を果たしてくれます。スイッチは軽くて静かな、当時のOMRONスイッチを採用しています。ホイールは2世代目にして完成したMSホイール機構の最高峰です。重くもなく軽くもなく、カチカチと決まる回転は回していてとても気持ちが良いものです。ホイールの押し込みには遊びがほとんどないため、回転中に誤って押してしまうことがたまにあります。底部のスライダーはそれほど滑りがよくないものの、マウス本体が重く、あまり動摩擦係数が少ないと細かい動作についていけなくなるので、ちょうど良いのかもしれません。惜しいのは第4ボタンが無いこと。他ボタンマウスに慣れた今では、親指が勝手に第4ボタンを探してしまいます。

内部のアクセスには、底部のラベルを剥がさなければなりません。シール剥がし剤などを使えば結構簡単に剥がれます。剥がしてしまえばあとは簡単、ねじを1個外すだけです。フロント部の爪折れは注意ですが、結構頑丈に出来ているのでそれほど心配しなくて大丈夫です。 内部の機構は結構シンプルですが、手抜きのような部分は見あたりません。ボディプラスチック部分は、裏側まで丁寧に作ってあり、ゴムは完全に張り付いて成型されています。

操作感はさすがにプロといったところ。IntelliMouseを使い慣れた体でも、すんなりとなじみます。ホールド感は最高です。 デザイン的な無理がないため、マウスを持つ位置を強制されません。またボール式としてはかなり追従性が高く、結構早く動かしてもカーソルが付いてきます。良いところにお金をかけている感じですね。サイドのゴムが底面まで周りこんでいるため、マウスをちょっとでも傾けると引っかかってしまうところが欠点です。

■IntelliMouse Explorer 3.0

実は1回処分してしまったこのマウスですが、色々試しているうちに光学性能に優れているという話を聞き、マイクロスイッチ採用最後のExplorerということもあって再度購入してしまいました。エルゴノミクス的には、プロに比較すると平べったくなってしまいましたが、MSのホールド感の良さは継承しています。初代Explorerで採用されていたサイドのゴム素材は、ぬめっとした擬似的な材料に変更され、否応なしにコストダウンを感じます。また左側サイドが膨らんでいるため、滑りやすそうです。スイッチはOMRONですが中国製となり、クリック感も少し重いです。ホイール機構はMS2代目の簡易版といったところで、回転を押さえる材料が金属からプラスチックの一体成型となってしまったため、最初は軽くて良いのですが、使っているうちにすぐ経たって軽くなりすぎてしまうようです。サイド2つのボタンは、それぞれスイッチONまでの押し込みストロークが異なり、どうも設計が悪いような気がします。

中を開けるには、スライダーの足を取り外す必要があります。スライダーは結構厚くて丈夫なので、普通に剥がしても再度貼り付ければ元通りになります。内部は光学式の2世代目ということもあって、非常に簡素な作りです。お尻部分を光らせるためにわざわざ別基板を設けてありますが、そんなことをするなら別のところにお金をかけて欲しかったです。

色々欠点を挙げましたが、操作感は優秀です。サイドの滑り止めが、場合によっては逆効果なことがありあまり役割を果たしてないものの、本体の軽さのおかげで、マウスを持ち上げる操作もやり辛くはありません。優秀なのはセンサーの追従性で、左右に思いっきり振ってもポインタが飛んでしまうことがありません。普段の操作では気づくこともありませんが、これだけ追従性が良いのは、安心感につながります。

■Optical Mouse MX500

一目惚れしてしまうデザインのマウスです。MouseManWheelほどの奇抜感がないので、好感が持てます。 機能的にも前例のない8ボタンとなっていて。専用のドライバとセットで動くようになっています。まず最初にホールド感ですが、触り始めは良く感じるものの、時間が経つにつれ苦痛に感じます。これはサイドの鋭角の出っ張りが指に当たるせいで、長時間同じ位置でマウスを持つことを強要させられるのが原因のようです。これもサイドはゴム素材でなく、材料自体がスエード調の感触で、例えば濡れた手で触った場合は却って滑ってしまうことがあります。スイッチは最近のLogitechと同じで少し重い感触のものです。ボタン部が少し問題で、遊びがあるおかげで押す位置によってはポコといった音が不快です。ホイール機構はLogicool2世代目で初代よりも簡素化されていて、時々特有の誤作動を起こします。回転ノッチがMSより細かいので、一気に移動する場合など、使いやすいです。また本体は少し重く感じます。

内部へのアクセスは困難。2箇所あるシールの両方を剥がすか、諦めてシールに穴をあけるしかありません。内部はすっきりしていますが、黒い基板ということもあり、高級に見えます。全体的に作りは良く、MSほどコストダウンを徹底していないようです。

カーソルの追従性はMSと共に最高です。若干ですが、悪環境のマウスパッドでは反応が悪い場合があるようです。総合的に見ると最高級なのですが、ちょっと惜しい部分がありまして・・・(本体が重すぎる、スイッチに遊びがある等)、これを改善したモデルが出ればと思っています。現在ではカーソル追従性の向上したMX510が販売されています。

 

総合評価

結果発表!です。

第一位: Microsoft IntelliMouse Pro
個人的に手がIntelliMouseに馴染んでいるからでしょうか?これに移行しても全然違和感を感じません。少量しか生産されなかったので、希少性にあおられて(?)の第一位選出かもしれません。それでも、MSマウスの最高峰には間違いないと思います。

第二位: Logicool MouseMan Wheel
IntelliMouse Proとどちらにしようか迷う(今でも迷ってるくらい)ところです。耐久性もかなりあるようで、欠点という欠点はありません。分解時に爪を折ってしまったというショックと、ぱっと見の美しさが無いような気がして、第2位となりました。


第三位: Microsoft IntelliMouse Explorer 3.0
MX500との比較で迷ったのですが、やはりIntelliMouseと同じMS製ということで、移行時の違和感が少ないです。特に光学性能を評価したいところで、これはボール式を遥かに凌駕するのは当たり前として、他メーカーの光学式マウスとも比較にならないくらい良いです。残念なのはこれも過去の機種となってしまい、入手困難です。

第四位: Logicool Optical Mouse MX500
まさかの最下位です。ボディの品質はすごく良いのですが、マウスを持ったときに戸惑いを感じます。またホイールとクリック感がそれほど良くない感じがあります。若干の改良を施せば、第一位を追い越してトップになれるでしょう。唯一の現行販売モデル(改良版MX510)です。

総評:
総合的に見て、外観や内部の品質、使いやすさを考えてIntelliMouse Proがトップとなりました。

実はこのページ、作成開始してから8ヶ月経っての公開です。今回の4機種はどれもメーカーのフラッグシップモデルだけあって、実際にはそれぞれの良いところが際立っています。順位をつけるのに迷いに迷い、それぞれ使い込んでから無理やり順位をつけたので、これだけの時間がかかってしまいました。異なるご意見があるかもしれませんが、悪までも個人的な評価ということで^^;

残念なことに、MX500(510)を除く各モデルは、コストダウンの影響を受けて、(品質的に)正式な後継モデルというものが見当たりません。また他のメーカーにもがんばってもらいたいところです。


P.S.
後から見てみたら、文章だけのページで見づらいですね。分解写真等があれば後ほどUPします。


間違っている部分を見つけたら、ぜひ教えてください。
qwerty(a)mxw.mesh.ne.jp

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