■第105回 2013.08.31 ヘッドホン(イヤホン)その2
こだわり始めると歯止めが効かなくなるオーディオ機器ですが、その費用も青天井。その人の財力次第で全く違うシステムになってしまいますね。そんな中、ポータブルオーディオは比較的お手ごろで手をつけやすい趣味になります。前回紹介したヘッドホン(イヤホン)から、少し欲を出して高品質なものを買ってみました。
音茶楽 FLAT4 玄
元SONYでMDR-E464やMDR-E484を開発していた方が独立して立ち上げた製品の一つです。基本的にお店での直接販売のみとなっています。通販系のショップでも取り扱いはありますが、それなりの価格になるので、初めての方はお店で視聴してから購入した方が良いでしょう。お店は喫茶店を兼ねていてお茶(中国茶や紅茶)が飲めます。
FLAT4 玄 レシート
現在は2グレードに加え、限定商品がラインナップされています。一般的なイヤホンの価格よりも10倍くらいは覚悟する必要があります。現代の日本で、開業し独自商品を開発&販売するとなると、最終販売価格がこのくらいになってしまうのは仕方のないことでしょう。工業製品というよりも、一つ一つ手作りの工芸品に近い感じです。消費者としては安いほうがありがたいですが、このような事業を応援したい気持ちもあり、値段を比較することはやめました。
FLAT4 玄 中身
お茶の葉の缶みたいなケースに入っていて、さらに布ケースで包まれています。このあたりはいいセンスをしていますね!
FLAT4 玄 イヤホン本体
これが「玄(クロ)」です。聞いてみたところ、低音から高音まで抜けるような、とても自然な感じです。オーディオ機器ですから万人に好まれるということはないと思いますが、繊細な音源(様々な楽器を多用している音楽)に向いているのではないでしょうか。初めて聞いた時は、低音が物足りなく感じたのですが、少し聞き続けているとその低音の品質の良さが染み込んで来る感じです。
実は店舗を訪れるまでは、これより少し安い一つ前のモデルである「粋(スイ)」という商品を買おうと思っていたのですが、実際に視聴し比べてみたら「玄」の方が明らかに高音の透き通り方が良く、その場で購入予定が変更になってしまいました。価格差の分の価値はあると思います。さらに高級モデルである「楓(カエデ)」という商品もあり、さらに細かくチューニングしたような音でしたが、限定生産な上に値段も倍近くなります。
お店の方の話では、「粋」の材料を木に変更して音を改良した究極のモデルが「楓」、これの材料をプラスチックにして生産性を一般レベルにまで上げたのが「玄」というところだそうです。個人的には「楓」に関しては確かに良い音ではあるものの、価格とマッチするかというとなかなか難しいと思いましたから、店主の考えも同じようなところなのでしょう。
オーディオにこだわりたい方、音楽関連の勉強・お仕事をされている方は、この手の良質なイヤホンを一台は持っていた方が良いと思います。
おまけ
JVC HX-FX1X
前回紹介したのはFX3Xでしたが、これはそれの一つ下のグレードです。ハウジングが金属からプラスチックに変更されていますが、基本設計は同じようで似た傾向の音が出ます。重低音重視で、入力信号が弱くても力強い音が出るのが特徴です。少しだけ高音域、低音域が足りなく感じますが、値段はさらに安く2000円程度なのでコストパフォーマンスは抜群ですね!
(FX3Xと共に逆輸入品なので、為替レートが大きく変動すると販売価格も変わります。前回紹介したときはFX3Xが3000円を切っていましたが、現在は4000円超となってしまっています。安いモデルの方が変動幅も少ないので気軽に買えますね!)
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