教科書の中のイスラム

 私たち日本人の標準知識は、義務教育の教科書にあると言える。そこで、中学校の「歴史」の教科書の中に、イスラムがどのように紹介されているか見てみよう。教科書は出版社によって多少の違いは有るもののある一つの教科書に沿って話を続けていくことにする。

 ある歴史の教科書のページ数は約300ページ、その中に、イスラムに関する記述は1.5ページである。世界史・日本史とも扱っているとしても、やはり1.5ページでは、少なすぎるというのが正直な感想である。これが日本人も持つイスラムに対する標準知識だとするとあまりにも少なすぎ、わずかなイスラム用語の紹介のみに終わっていると言っても過言ではない。

教科書に登場するイスラム用語とその説明文

イスラム帝国 広い領土を征服し、約100年の間にイランから北アフリカにおよぶ
メッカ (とくに説明はなし)
マホメット(ムハンマド) メッカの商人。
唯一の神アラーの啓示を受けて、神への絶対服従を説き、偶像崇拝を否定するイスラム教を唱えた。
アラー 唯一の神
後継者
コーラン マホメットの聞いた神の啓示を集めた教典
イスラム商人 シンドバッドの物語など
バグダッド、カイロ 人口100万を超える大都市。東西の貿易、文化の中心として栄えた。

 わずか1.5ページの中にこれだけのイスラム用語を使っているのには感心させられるが、僅かのスペースにこれだけの内容を盛り込んで、果たしてこれを読む生徒達が、イスラム教の全体像や、また、上記のイスラム用語をを正しく捉えることができるのかと言えば、ちょっと疑問である。もちろん、これ以外にも副読本があり、また、先生方の補足説明もあるだろうから、教科書での説明不足の部分は補われているとは思うが・・・。

 上記の教科書内容から次の点に新たな興味を持ってもらいたいという希望がある。「なぜ?」「どうして?」という素直な疑問を持つ生徒であれば、気がついてくれることではある。

1、なぜ、イスラム帝国は僅か100年でイランから北アフリカにわたる大帝国を築き上げ、今でもイスラム地域として続いているか?・・・・大日本帝国、モンゴル帝国と比較

2、「唯一の神アラー」と書いているが、アラーとはどんな神だろうか?「唯一の神」という表現だけでいいと思うが、なぜわざわざアラーと書いているのだろう?

3、メッカは、マホメットが生まれた町としか教科書には書いてないが、メッカの方角に向かって礼拝するイスラム教徒の写真をよく見る。メッカとはイスラム教の中ではどういう存在なのか?また、世間一般に『メッカ』という語は「バカンスのメッカ○○」「ロックのメッカ○○」のように言われ、憧れの地とか中心地という意味に使われているようだ。どうしてそのように使われるようになったのか?

4、1000年以上も昔の100万都市とは、どんな規模の都市だったんだろう。物資の輸送、人の移動、生活ぶりなどどうだったんだろう。トラック、バス、電気・ガスなどなかったなかったはずである。

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