ギラグールのお部屋へようこそ |
白亜紀後期の小型肉食恐竜。前方を向いた大きな目を持 |
ギラグール(トロエドニアン) |
小型肉食恐竜トロエドンが白亜紀末の世界的環境悪化に耐えぬき、知性を持つまでに進化した恐竜人類。独裁者「第一疾走者」を頂点とする階級制を敷く全体主義国家を形成し、高い水準の軍事力、科学力を有している。一方で、自らを「狩人」とする戦闘民族としての誇りと気質は、文明化されても失っておらず、生身での戦いを好む。
社会と文化 |
ギラグール社会は徹底した合理性を追求しており、役割による階級分化、「我」の否定などがその 現れである。個人の自由はほとんどないが、一方で差別や貧困などはすでに解消されている。生産物 は合理的に個々の必要とされる分だけ行き渡るようになっており、一種の原始共産制に近い。怠け者 で欲張りの哺乳人類には不可能だったこの制度だが、ギラグールは生来非常に実直であり、私利私欲 にとらわれず、社会全体の発展が自身と子孫の幸福だと信じて各々の仕事を行っている。
階級制 |
ギラグールにおける階級制は、人間社会と違って支配関係や差別を伴うものではなく、むしろ「分業」に近い。しかしながらその階級は生まれつきのものであり、遺伝子操作によって階級ごとの身体的特性もそれぞれ違う。その一種強引な遺伝子改造により、生殖能力の低下という弊害が表れている。 主な階級は以下の通り。
- 猟兵
一番スタンダードな階級(クラス)で、古くから階級として確立された。全人口の半数以上を占めており、その任務に応じて追跡猟兵、戦闘猟兵、騎竜猟兵、支援猟兵、機甲猟兵等に分かれている。ハルも言っていた通り、肉体的にも様々な強化がなされていて、単なる「下っぱ」とは違う。筈だが、萌&ドンの哺乳類コンビがあまりにもキョーレツすぎたため、TVではその能力を発揮することがあまりなかった。
- 爪とぎ
技術者階級。ハルは自分のことを科学者と言っていたが、いわゆる「象牙の塔の人」ではなく、現場での活動を中心として情報収集や分析等をする、大学の技官のような存在。一応の戦闘訓練も受けており、予備兵として使われることもある。しかしかつては、猟兵の爪を加工するための卑族であった。またその「どっちつかず」の能力のため、今でも半端者と思っている者も少なくない。(女科学者の「半端な爪とぎ」発言はここから来ている)ギラグールの中では、割と感性豊かで手先も器用。
- お道化者
研究、発明者階級。高い発想力と進取の気鋭に富んだクリエイターである。その名の由来は元々狩りの際、奇抜な叫び声を上げて獲物の注意をそらす役目だったことにより、奇妙な形の仮面はその名ごりである。彼らの中でも遺伝子改造に関わる者を特に選別者と呼ぶ。ギラグールの中では珍しくユーモアを解するが、反面、危ないメンタリティも持っている。
- 卵守り
子供や卵の養育をする階級。ギラグールは子育ては自分で行わず、この卵守りが全てのギラグールの親であり、保母さんであり、先生である。猟兵も疾走者も、親代わりたる卵守りの前では一個の人間として、感情をまじえて話をし、悩み事の相談などもする。すべての生命を大切にするという考えをもっているため、後天的な遺伝子改造には反発もあるようだ。
- 疾走者
指導者階級。政策、戦略のエキスパートとして分級した。「疾走者」とはかつて群の先頭に立って走り、戦ったリーダーの意である。最高の頭脳と戦闘力を持つべく改造を重ねられた結果、非常に血縁の濃い集団となってしまっている。その中でも最も経験豊かで強力な女性が最高指導者たる「第一疾走者」である。
- 労働階級
産業用メカの操作や労働用亜人の指揮などが任務。呼び名からイメージされるような下働き的なものでは決してなく、他の階級と同格。どちらかといえば「現場監督さん」のような感じ。高い耐久力と持続力を持っている。
- 亜人
ラプターの様に、改造恐竜の中でも知能を人間並に引き上げられたものを亜人という。実はラプターは別に一匹狼ではなく、ラプトル族というレッキとした種族の一員である。(ラプター2号とかいるかも。ドキドキ)あくまでその目的別に生み出されたので、独自の文化を持っている訳ではないが、我々の考える奴隷的なものとも違い、必然性があればギラグールを指揮する側に回ることもありうる。
- 改造恐竜
異なる生命を「改造」によって自分たちの社会に合わせた形で取り込む、というのがギラグールの考え方で、発達した遺伝子工学によって様々な種類の改造恐竜が造り出されている。それは、単なる食用というよりもむしろ、自然の生態系を理想的にコピーしたものを自分たちの社会の中に出現させる、という目的らしい。(本当はよくわからんが)
女性上位 |
有名なティラノサウルスをはじめ、獣脚類はメスがオスよりも大きかったと考えられている。当然、その子孫たる彼らも女の方が男より体がでかく、強い。必然的に上にあげたそれぞの階級においても、女性がその指導的立場に就くことが多い。ただしこれは戦闘民族で実力主義である彼らの社会構造から自然にそうなったものであり、いわゆる性差別というものはない。
お面 |
彼らの文化を端的に表すのがあの仮面である。フィラの回想シーンによると、彼らはその文明の黎明期から仮面をつけていたようだが、ギラグール全員が付けている仮面は、社会の一員としてのあかしであり、民族のアイデンティティである。全体主義社会のギラグールでは、「個人」の存在は意義をなさず、仮面によって個性を押さえ込むことにより、社会の秩序が保たれるという考えの元に、また階級や役職を表すステータスとして仮面を身につける。(ただ、人前に出ないときは外していることが多い。いわば、エチケットといったところか。)
また、仮面には様々な機械的機能も付けられており、通信機、探知機、超小型コンピュータの他、ドーピングマシン(何じゃそりゃ〜)等を装備している。
長い名前 |
仮面と共に彼らの文化の特徴なのが「寿限無」のような長い名前。個性を重視しない社会の割には特徴的な名前をつけるものだが、彼らはあまり面倒くさいとは思わないらしい。(非能率的だと思うんだけど…)ただ、彼らは自分の子供を自ら育てることができないため、その分の我が子への思いが名前に表れてしまうようだ。(長けりゃいいってもんでもないんだがなぁ)
隠し名 |
彼らはこの長ったらしい名前の他にもう一つ名前を持っている。それが「隠し名」と呼ばれるもので、彼らが卵より生まれ出る時、最初に発した言葉が隠し名となる。(生まれてすぐ言葉をしゃべるとはナマイキな。それよりも最初に「おたく」とか言っちゃったらどうするんだろう)
ただこの隠し名、他人が呼ぶことは許されない。もし隠し名を呼ばれたなら、その者は仮面を取り(つまり一個の人間として)、呼んだ者と命を賭けた決闘をしなければならないのだ。
実はラプターが第一疾走者に最後の戦いを挑んだ時、挑発するために彼女の隠し名を呼ぶ…と、いうシーンが当初予定されていたらしいが、実現していない。残念。
弱点 |
人間に比べて驚異的な能力を持つギラグールであるが、恐竜の子孫ならではの意外な弱点もある。
- 哺乳類
我々人間がヘビを恐れるように、彼らギラグールは哺乳類を恐れる。白亜紀末期以降、彼らはその進化の黎明期において、哺乳類との激しい競合にさらされた。子供や卵を食べられてしまったのかも知れない。その記憶が遺伝子に残り、本能的に哺乳類を恐れるのだろう。彼らが当初、萌のことを非常に警戒していたのもこのためである。
- 五十肩
肩の骨の構造が違うため、彼らは人間のように腕を真上に上げることができない。また、肩を回転させて物を投げるということもできない(これはフォロルも同じ)。第16話で、倒木の山に登って逃れた萌を猟兵が追わなかったのは、腕を使ってよじ登るということができないためであろう。当然、ドンや萌の物投げ攻撃は、彼らにとって脅威だったはずである。
- バカ正直
どうにも不可解なコトであるが、ギラグールはウソがつけない。と、いうより、事実に反した事を言うという概念がない。これは、彼らの脳が鳥のように非常にコンパクトに、合理的に出来ているかららしいのだが…。どこまでをウソというかによってこれは微妙である。ちなみに、マザー・シルを見る限り、フォロルは多少ウソをつくことがあるようである。
まだ増えるので待っててね。 |
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