頸椎椎間板ヘルニア


YOSHIKIの「頸の痛み」についての医学的(かな?)解説です。
YOSHIKIの症状について述べられている資料が少なく、事実とは異なっているかも知れません(^^;。


「正常を知り正常からの偏位を認識すること、関与する組織を理解し特有の動きおよび肢位を再現することで痛みを再現しうること」
これが頸と腕の痛みを診断する基本である。人間の骨格系では頸椎において、また頸椎より起こる痛みや機能障害ほど、この原理があてはまる部位は他にない。つまりどの組織が痛みの部位になりうるかを明らかにすることである。

症名は頸椎症候群。頸椎の2と5と6が変形してしまった為に神経を圧迫してしまうという症状らしい。(Jealousyスコアより)

人では頸椎の数は7個(上から順に1〜7)であり、頸椎中間部(第4頸椎より第5頸椎)は頸椎下部節で最も動きの大きい部位であるため、外傷やストレスにさらされたり最も機械的な疲労や摩耗が起こる部位である。

「首の後ろが最初痛み出して、『何だこれは?』と思って。何か味わった事の無い痛みがどんどん酷くなってきて、腕は痺れて上がらなくなるし、しまいには頭にまで痛みが来ちゃって。すぐにローディー呼んで氷で冷やしたんだけど、どんどん酷くなるばっかりで。だんだん発狂状態になってきて、『救急車呼べ!』って叫んでるうちにあまりに痛いから、『腕を切れ!』と叫び始めて...腕を切り落としちゃえば首の痛みが分散すると考えたんですよ...もう『とりあえず身体どっか切れえ!』と発狂して、部屋の中でローディーぶん殴り始めて。そのまま4,5人に押さえつけられて病院に運ばれて...麻酔2本射っても3本射っても全然効かないで、ずーっと発狂してるんですよ。『手エ切れー!』『ブッ殺せー!』とか、『殺してくれー!』とか。結局身体中に4本射たれて、そのまま一瞬眠りについちゃって、気がついた時は『あれ、俺は生きてんのかな?』とか思って。何か俺が寝てる時に『あれ、何かTAIJIの声が聞こえた気がするな』とか、『HIDEの声を聞いたような気がするな』とそんな次元で。俺はもうほとんど意識無い状態だったから」(Jealousyスコアより)

患者によって表現される痛みの状態については数限りない文献が存在する。事故が大きなものでない限り、「拷問されるような」「死にそうな」「さんざんな」「ものすごい」等の表現を使っている場合は心理的な反応を示している。通常軟部組織の痛みについて述べている用語は、「痛む」「苦しい」「つっぱる」「にぶい」等である。

神経の痛みは通常電気的な感覚である。短くそしてしばしば頸より離れる遠位に存在する。

大きな痛みの2つの原因は「外傷」と「関節炎」である。これらの用語は評価と検証を必要とする。
「外傷」は(1)いわゆる外傷、(2)姿勢、(3)緊張 に分類される。
「関節炎」は(1)変形性と(2)他のすべての急性炎症の後遺症 とに分けられる。

「外傷」は有害で症状を起こし、頸椎の節に対して正常な動きや肢位を越えて頸椎内での組織変化を起こし始めさせる外力を意味している。侵害性の化学物質を放出するには関連組織の弾力性や可塑性が限度を越えたか外傷にさらされたということである。
外傷の概念で優位なものは外力が加わって過屈曲、過伸展損傷で組織の変化が起こってくるというものである。
組織に損傷を与えるメカニズムは靱帯性、関節包性、筋性、椎間板性さらには神経性がある。
組織損傷とは通常の屈曲、伸展、回旋および側屈の可動域を基本的には越えてしまったということである。筋膜分画を持つ靱帯と筋は生理的可動域を越えて動かされたのである。

脊柱の機能ユニットにおいて椎間板が痛みの部位と確認された時は頸椎椎間板が頸部の痛みの悪役とされた。痛みと機能障害の生成に椎間板が大きな役割を果たすということはある程度そのとおりである。
侵害受容の部位を探して頸椎機能ユニットを後方に進むと確かに痛みの源でありうるのは椎間関節(刻面関節)であることを見いだす。Bogdukは椎間関節を頸部の痛みの原因というよりも源として強調した。

後には椎間関節軟骨の退行変性が存在し関節炎とよばれるが、通常これらの変性は外傷が起こるまでは無症状である。

Clowardの古典的文献では中央部での椎間板の後方突出は4つの下部頸椎椎間板より痛みを頸の後中央部と肩上部に放散することを意味していた。

頸椎筋群の等尺性筋収縮の持続は椎間板を圧迫して核の脱出を起こし、後には輪の膨隆を起こすことになる。これで痛みが起こりうる。MRI検査がこの状態を明白にする。

椎間板は急性と慢性両方の病理に関連している。前者は椎間孔の神経内容物を含むヘルニアで、後者は変形性椎間板疾患における役割である。

皮膚節支配はC5,C6,C7またはC7のレベルでより固有である。
手ではC5-C6の根は大部分が母指に関連し、C6は第3指、C7-C8は小指に関連している。
C5-肩と上腕に痛み。肩の筋力低下
C6-前腕のとう骨側に痛み。母指に異常知覚。上腕二頭筋の筋力低下。通常椎間板ヘルニアはC6,C7またはC8神経根の椎間孔腔で起こるので、手および手指の知覚脱失は示指、中指および小指の領域である。
神経根に3か月の期間にわたって圧迫が加えられた場合の神経的後遺症は圧を除圧しても回復しないことは衆知である。

神経根の圧迫を伴ったり後縦靱帯の圧迫を伴う椎間板の膨隆椎間板ヘルニアの1つの形は、しばしば変形性椎間板疾患の後遺症だからである。

【変形性頸椎症の症候学】

狭くなった椎間板腔は機能ユニットの前部の正常可動域を制限する。縦靱帯は肥厚と伸張性(可塑性)の消失をきたす。臨床的には痛みや不快感の有無にかかわらず頸部に可動域の制限が起こる。患者は前のように頭や頸を動かすことができないことに気づく、この制限が日常生活動作の障害にならぬ限り訴えはないし診察でのみ制限が認められる。屈曲と回旋は驚くほど満足できる状態で維持されている。
外部よりの機械的外傷、急性で再発性の不安緊張または不良姿勢変化のような外傷で重なると、椎骨の侵害受容組織で炎症が起こり痛みと可動域の制限をもたらすことになる。これら侵害受容部位は関節突起関節包、頸椎の靱帯、筋および椎間孔内の神経要素である。
痛みの症候が起こり、ここではX線上の変形性関節症の所見の存在が報告される。
この関節症を痛みの原因に帰する傾向があるが、痛みを起こすのは変性を起こした脊椎内での外傷と結果としての炎症を起こしている侵害受容組織である。
変形性頸椎症はまた椎間孔の幅と深さに変化をもたらす。椎間孔が狭くなると神経根が硬膜鞘を伴って通るスペースが制限される。外的な外傷、不安緊張または不良姿勢などの外傷が重なって起こった場合は神経根がさらに損傷を受けるような危険にさらされている。
全脊椎で骨棘形成が一番著明な部位は凹の頂点で、ここは重心線より最も遠い部位である。これらの部位はC4からC5、およびC5からC6である。これらの場所に骨棘が存在するということは、たまたま骨棘が機械的な刺激と圧縮を受ける部位でできるという説の信用度を増す。
このように神経学的根症状は変形性頸椎症によって起こる。
正常の椎間孔は、頸部の伸展および頸が回旋する側で閉じるということを受け入れると、神経根症状はこれらの動きを試みさせると診療の際に憎悪する理由の説明になる。
骨棘と椎間孔の狭窄の存在が神経根絞扼を受けやすいことを説明する。伸展および(または)回旋の動きが神経根に対す骨棘の圧迫を増大させる。
不良姿勢は明らかに神経根絞扼の傾向を強める。しかし長期にわたる不良姿勢は神経根症状を起こさない。というのは神経根が次第に長期化した圧迫に慣れてしまうからである。

【変形性頸椎症による頸髄神経症候群】

神経根損傷の程度と変形性椎間板疾患の程度とを関連づけようとする研究がなされてきたが結果は明らかになっていない。神経症候群の理由についても研究がなされたが正確な病理機序についての結論は出ていない。
椎間板変性の程度は直接神経根の絞扼と神経根病理の程度に直接影響を及ぼすことは疑いない。末梢で圧を出す核内の椎間板内圧も十分残っている。この圧は椎間板間質と輪を縦靱帯に、椎間孔を神経根に押しつけることがある。椎間板ヘルニアが椎間板と椎間突起関節の退行変性と併存して症状を起こす。神経症状が客観的に存在すれば確認のためX線写真での追及が妥当である。
椎間板物質の膨隆はしばしば軟椎間板ヘルニアとよばれている。後にこの膨隆は線維組織優位となり硬い椎間板として知られているものを形成する。膨隆線維性椎間板の骨化が棘または骨棘となる。
機構的にしっかりしていて症状がない頸椎でも、外傷が加わると症状が出る可能性がある。変性が起こっている脊椎は正常の脊椎よりも外傷に対する抵抗力が低いのは明らかである。
通常侵されている神経根は中部頸椎と下部頸椎である。というのはこの領域で神経根は外傷に弱いからである。頸部の動きで神経根は通常後外側に偏位する。この神経根の動きは神経根を伸張または椎間孔をふさぐ骨隆起部で角度をつけて曲がる。
神経根逆襲で最も多いのはC6とC7レベルであり、腕の横側にそって手指に放散する異常感覚と痛みを起こす。頸椎のこの部分(C7)が最も動きが大きいところである。頸の伸展の動きは椎間孔の横径を減少させ、含まれている神経根へさらに絞扼を起こすと報告されている。
かなり多くの部位での椎間板変性が存在する時は、脊椎管の全長が短縮する。
脊椎管の短縮は神経根の出方を変えることになる。脊椎を出る(それらの糸板を経て)神経根はある角度で出ているが、この角度を減少させ、より少ない角度で出て正常寄りも低いレベルになる。頸椎形態や(または)長さの変形は、このようにして正常の出方寄りも高いところで神経根を侵す可能性がある。
また頸椎前湾がしばしば変形性頸椎症では変化し、湾曲、脊椎管の長さが変わり神経根と特有の椎間孔とのすべての関係が変化する。このことが多くの患者の問題、正確な椎間または固有の根レベルを確認するのが困難である。

【神経根の病理】

椎間孔の口部が狭くなっているところで、骨棘により絞扼されて神経根機能が障害されることは明らかであるが、症状を起こすに至る、神経根で起こる特有の組織変化は今のところ不明である。
これら神経根の変化はどのくらい早く対処すればまたいかにすれば可逆的なのかについては推測の域を出ない。しかしこの種の研究は変形性頸椎症で根性の症状と症候群を伴うものの臨床的な治療の後、予後を予測するのに重要である。確かにそのような患者については早期に適切な治療を始め注意深く、頻回に神経学的評価が不可欠である。
変形性頸椎症はまた椎間孔の幅、高さ、形などと同時に脊柱管の幅にも影響を与える。脊柱管が狭くなることを狭窄とよんでいるが、脊髄を圧迫する可能性があるし、さらに神経根障害を強めることもある。
狭窄の存在は機械的に神経根の病状を悪化させる。というのは、この狭窄が圧迫や緊張が加わった時に神経根を逃がせないからである。

【椎間板ヘルニア】

脊柱の退行変性は多くは椎間板から始まる。椎間板は中心にゼリー状の髄核があり、これを取り囲んでこう原線維が主成分である線維輪があるが、年齢とともに膠原線維の走行の乱れや線維の劣化が起こり線維の断裂へと進む。そこへ椎体を介して強い圧力が加わると線維輪の抵抗減弱部を破って髄核が脱出してくる。
その状態を椎間板ヘルニアという。
椎間板ヘルニアは、運動量が多く圧力の多くかかる下部頸椎部および下部腰椎部,すなわち頸椎では4,5,6,7の間の椎間板,腰椎では4,5および仙椎の間の椎間板に起こることが多い。椎間板ヘルニアは、臨床上は後方に出たヘルニアが特に問題になる。それは脊柱管内へ出たヘルニアが神経根を圧迫し、頸椎部の場合では脊髄を圧迫することがあるからである。
頸椎椎間板ヘルニアは頸のこわばりや頸椎の運動障害をともない、神経根症のものは根性の疼痛、支配領域の知覚障害や筋力低下などが現れる。脊髄症のものは上肢・下肢の痙性麻痺や知覚障害、歩行障害や排尿障害などが起こる。
治療には保存的に安静、薬物療法、牽引療法などが行われ、手術的には脱出した椎間板の摘出術が行われる。

より引用.


つまり、Jealousyの時の
『頸椎症候群。頸椎が変形してしまった為に神経を圧迫してしまうという症状』
の後遺症として、DAHLIA TOUR中に『椎間板ヘルニア』を発症したことになります。

頸部外傷はラグビーやアメリカンフットボールなどのスポーツ外傷において受傷することが多く、一度これが生じると結果は不可逆であると言われています。
また、復帰は可能であるが厳重な追跡を必要とするとされています。

しかし、このまま頸を強く振り過ぎると、待っている運命は『頸椎損傷』しかありません。(いわゆる骨折,脱臼の部類です)
YOSHIKIが既に傷めており変形している部分の頸椎が損傷を受けると、麻痺を生じる割合は約40%とされています。
そして何度も何度もその危機は終わることなく訪れて来ます。YOSHIKIが頸に負担をかける限り。

頸部の挫屈を容易には起こさないような、たくましい頸を創りあげる努力をし、YOSHIKIは私たちの前に再びドラマーとして復活してくれましたが、これで治った訳では決してないということですね。

(玲子)


「後遺症」という表現は,「変形性頸椎症」,Jealousyの時の傷が一旦治癒したかの様な印象がありますが,首の骨の変形が神経を刺激しなくなった(痛まなくなった)だけで、あの頃から首の骨は変形したままで,今回、ヘルニアが起きた、とゆーことですね。
で、筋肉があれば、ヘルニアを起こす原因となる椎間板への圧力が減るので、筋トレをしよう、と.

頸椎損傷が普通の骨折・脱臼と違うのは、そこに神経節があるということで.
だからといって,骨折・脱臼しなければいいというわけではなく、たまたま悪い方向へはみでて(?)ヘルニアという形で発症したけれども、骨の変形自体は,しばらく治っていた(と思われる)様に、自覚症状はないままに進む可能性があって.
そこで,いざ何か起きた時に、骨の変形が進んでいると,さらに酷い事態になる、とかいうことでしょうか。

(一葉)


例えばJealousyの時にYOSHIKIが傷めたとされる2,5,6の頸椎ですが、2はヘルニアを起こしにくい場所なので除外するとして(1と2の間には椎間板がありません)、5に何かあると痛みは肩と上腕にも走り、肩の筋力が低下し、6だと前腕のとう骨側に痛みが走り、異常知覚が母指に起こり、上腕二頭筋の筋力が低下するという作用があります。神経支配を抜きには考えられない部位ですね。

頸椎で一番こわいのは頸椎損傷です。直接神経麻痺や死亡につながりますから。
で、骨の変形があるということ自体が既に頸椎損傷のハイリスクであるわけですね。Jealousyの時が変形性頸椎症で、DAHLIA TOURで頸椎椎間板ヘルニアとなったということは、症状が出世している訳ですから、それならば次は頸椎損傷になる可能性が大きいということでしょうか。

(玲子)


変形性頸椎症→頸椎椎間板ヘルニア→頸椎損傷→神経麻痺/死亡
とかなプロセスを無理矢理組み立てたとして,現在,椎間板ヘルニアまで行っている,という事ですね.

で,頸椎損傷→神経麻痺がYOSHIKIの場合に40%,ヘルニア→頸椎損傷は今後次第と.
ぶっちゃけて言えば,そういうことですか.

(一葉)

頸椎損傷→神経麻痺に関しては,上位頸髄部では脊柱管が広く麻痺の発生頻度は低いです。一方、YOSHIKIの場合の,第三頸椎以下の中・下位頸椎部ではしばしば麻痺が生じます。

既に変形とヘルニアの既往(というより持病ですね)があるので、同じことを繰り返していたら必ずヘルニア以上のことになりますね。

(玲子)


Xの間奏の「All guitar , hide!」の前のツインギターのハモリ部みたいな,「TOSHIと並んで首を振る」とかは,もう見られないとゆーか,見たくないわけですね.そのかわり,腕や足が大暴れする分には問題ないと.(本当か?)
で,プレイスタイルを変えれば,現在の音楽スタイルは変えぬまま,「頸椎損傷」はどうにか回避できる,と.

日常生活に用いる首の運動くらいは問題ないのですよね?
復活・無謀の夜では,振り向いたりピアノ弾いたりする為にコルセット外してましたが,あの程度は,許される(?)のでしょう?

(一葉)

基本的には頸の問題ですから。
特にYOSHIKIの場合、原因がはっきりし過ぎていますから(精神的な緊張なんて考えにくいですものね)、頸さえ振らなければ最悪の事態は免れると思います。

(玲子)


頸椎損傷(cervical spine injury)。

はからずも、Vanishing Loveの一節、

Injury deep inside my heart still remain
Cut up my heart you live

を彷彿させる言葉であります。

(玲子)