本日、3月1日はナゴヤドームで見る初めてのライヴであった。 同時にエアロスミスを体験する初めてのライブでもある。 ナゴヤドーム自体は去年、野球を見る機会があり行き帰りの交通手段、周辺の様子、ドーム内部の様子などあらかじめ予想できていたが、今回は前回とはあまりにも異なっていた。特に行きのバスは酷かった。 今回も前回と同じように千種駅からの直行便に乗ったのだが、混み方が段違いだった。あまりの混み具合ためバスの窓はすぐに真っ白くなり外の風景は見えなくなった。そうなると空気はどんどん悪くなり、元々体調が万全ではなかった私はどんどん気分が悪くなりそうであった。(現在、地下鉄の名城線が環状線で繋がり、ナゴヤドームまで一本で行けるようになった) 夕方のラッシュ(日曜日なので平日よりはましだが)とドームに車で向かう馬鹿野郎共らのために一向に進まず(特に今池の交差点は酷かった)自分の体調の不調と共に暗澹たる気持ちにさせてくれた。 予定よりは倍の時間をかけてやっと到着したドームでは既にマーチャンダイズのコーナーには長蛇の列。去年の森高のライヴを思い出させ、またまた暗澹たる気持ちになった。(森高の時はパンフを買うために20分ぐらい並んだんだ これが。)しかし、意外にも買い物の列は順調に進み5分ぐらいでパンフを買うことは出来、ひとまず安心。 早速、私はこの後ドームの内部に入ったが、今度はアリーナ席への入り口が判らなくなってしまった。再度アリーナ用の入り口を捜してみたが判らず、一度グランド席に入ってみてアリーナ席の入り口が特別にグランド席に作られていることが判りそこに向かって階段を降りていった。 初めてドームのアリーナに降りてみると、やはり客席で見るのとは大違いである。 イメージとしてはレインボーホールのアリーナとよく似ているが広さはずっとこちらの方が大きい。また肝心のステージに目を向けてみると、アルバムのイメージであるインド的なセットが施され、コブラのオブジェが目を引く。そして左右の巨大なモニターでは「NINELIVES」制作時のメイキングビデオやプロモーションヴィデオが流れていた。 そんな風景に目を奪われながらも私は自分の席を見つけようと自然と早足になった。最後尾の席は80番ぐらいの列番号がふってあり、自分の席が15列目と考えると相当の前の席であることがわかり、あらためてチケットを取って頂いた方に感謝をしたくなった。 しかし、そんな気持ちも自分の席がどんどんステージ中央から右端に逸れて行くに従って多少がっかりとしたものとなってしまった。 結局、自席は右モニターの中央、すなわちステージ中央から遥か離れた右端となってしまい「モニターを見ることが主なライヴになりそうだな」という印象をその時は抱いた。こんなことを考えながら私は肌寒さに身を震わせながら開演時間がくるのを待ったのだった。 ライヴは5分ぐらいの遅れで始まった。 注目の1曲目はやはりアルバム「NINE LIVES」のトップの曲、「NINE LIVES」だった。(花火というかパイロンの派手な事.........。)ライヴの1曲目には充分すぎるほどの勢いのある曲だ。続く2曲目は「ここでやるには早過ぎるぞ」と思うぐらいの大ヒット曲「LOVE IN A ELEVATOR」。もろSEXのことを歌ったこの曲を悩ましくスティーヴン・タイラーは歌い上げる。客席はヒット曲の連発でもう盛り上がりぱなっしだ。 3曲目もこれまたヒット曲「FALLING IN LOVE」。客席はやんやんやの大喝采。でも視線は目の前の巨大なモニター。唯一双眼鏡でステージを捉えた時だけ”今、エアロスミスのライヴに来ているんだ”という気持ちにさせてくれる。やっぱり実物を見ながら体験したい。 4曲目は「?」。よくわからない。聴いたことがない曲だった。(実は「MONKEY ON MY BACK」アルバム「PUMP」収録)5曲目はこれも大大ヒット曲「ANGEL」。サビの部分は大合唱になりそれと同時に何度もMTVで見たプロモーションビデオの映像が自分の頭の中を駆けめぐっていた。曲はその後「LIVIN' ON THE EDGE」「TASTE OF INDIA」「JANIE'S GOT A GUN」「RAG DOLL」「PINK」(スティーヴンのピンクの衣装が猥雑で最高)と続き11曲目の「DRAW THE LINE」で前半のクライマックスを向かえた。この曲での主役は間違いなくギターのジョー・ペリーだった。 特に後半のパフォーマンス(ステージ上で倒れ、死んだ真似をして徐々にあの有名なギターリフを弾き始め蘇るというもの・・この説明だと良く判らないだろうな)は往年のジェームス・ブラウンのパフォーマンスを彷彿とさせカッコいい。またこの曲だったと思うがジョーがチャックベリーよろしく”ダックウォーク”をしてステージの端に来てくれた時はなんだか感動してしまった。(”ダックウォーク”を生で見るのは初めてだったので) 次は 今の流れに乗ってジョーのソロコーナーへと突入。 その1曲目はやっぱりの「FALLING OFF」。この曲は「NINE LIVES」の中では特にお気に入りの為、非常に楽しめた。2曲目はブルーズの名曲「STOP MESSIN AROUND」だった。これはライヴに向かう時間まで自宅で見ていた「ウッドストック94’」のヴィデオでも演奏していた為、自分にとってはお馴染みな曲だ。ジョーのソロコーナーはこの2曲で終了し、ライヴはいよいよ終盤戦に入っていった。 それを待っていたかのようにスティーヴンの絶叫がドームを覆う。この曲はあの名盤「ROCKS」に収録された名曲「BACK IN SADDLE」だ。自分にとってはエアロスミスを知った初めての曲だ。(もうあれから15、6年が過ぎているのだなー)思い出深い。名曲の後は新曲「KISS YOUR PAST GOODBYE」が登場した。前の曲が曲だけに客の反応が少し悪い。そしてジョーイ・クレイマーのドラムが聞き慣れたリズムを刻み始める。「えっ?こんなところで、あの曲なの?アンコールでやるんじゃないの。でもリズムがいつもと違うぞ」と思っていたら案の定間違えたようでしばらくしてから、いつもの「WALK THIS WAY」のテンポに戻って曲が始まった。この時も私はあのRUN DMCと共演した有名なプロモーションヴィデオが脳裏に蘇ってきてしまった。(実物を見ながらツクリものであるヴィデオの映像が浮かんできてしまうとは我ながら情けない) ライヴはその後「NOBODY'S FAULT」(何の曲か判らなかった)「DREAM ON」「CRYIN'」「DUDE」という大大ヒット曲の連発で第1部が終了した。 第1部の終了後わずかばかりのインターバルを経て、アンコールは始まった。 1曲目はハンドオルガンのメロディが印象深い「FULL CIRCLE」。全体を通してもエアロスミスのメロディセンスが光る曲であるが、やはり客の反応は低い。次の「WHAT IT TAKES」も、もう一つのような印象(客の対応が)を受けた。かろうじて次の「SWEET EMOTION」はスティーヴンの熱唱もあり最後の盛り上がりを感じていたが、最後の最後でスティーヴンが「T・O・K・I・O」と叫んだことで自分の中では急激に冷めてしまった。全く悪気はないのだろうけど、やはりドームというと”トーキョードーム”というのがどうしても頭にこびりついてしまっているのだろうか。 おそらく、あそこにいた2万数千人の観客は「おい、おい」とツッコミを入れていただろう。(昨日は名古屋パルコや栄のデパート近辺を荒し回っていたのだから、少しはここがどこなのかくらい認識してくださいねスティーヴンさん!) そんな状態だったので最後に景気のいい曲をもう一発と思っていたら、結局この曲でライヴは終了し、2回目のアンコールも行われることはなかった。(「MAMA KIN」もやらずじまい。私の好きな「EAT THE RICH」も演ってくれなかった。) 総括: スティーヴンの”お言葉”の為、最後は尻切れとんぼのような感じを受けたが、やはりライヴパフォーマンスは前評判以上に素晴らしい。スティーヴンの声は高い声から低い声まで本当によく出ていて、50歳を迎えようとしている人には到底思えない。またジョーは非常に格好良かった。 あまり今まで注目はしてこなかったが改めて、そのアティテュードというかロックギタリストとしての立ち居振る舞いに男ながら惚れてしまいました。 ただ残念なことは ドームの音響的な問題でトムのベースが全く聞こえなかったこと。 またこれは客の方に問題があるのだが新曲に対しての態度が冷たすぎるのはどうかなと思う。ヒット曲を期待するのも判るけどやっぱり事前に多少は勉強してほしいものだ。(興味もないのにスポンサーのコネで良い席取って、ネーチャンはべらせていたような初来日時のローリングストーンズでも問題になったようなヤツは言語道断だ 笑) 総括2:ナゴヤドームについて ドームへの交通手段の不備は前述したが、音響についてはやっぱりというか案の定というか良くなかった。音響も考慮して建設されたというふれこみだったが、やはり”音の遅れ”がはっきりと感じることは出来たし、特にベースのような低音楽器の音は全く聞き取れないようだ。 ドームで行われるライヴは今後増えるだろうが、みなさんも覚悟したほうがよいだろう。 |
SET LIST | |
1 | NINE LIVES |
2 | LOVE IN A ELEVATOR |
3 | FALLING IN LOVE |
4 | MONKEY ON MY BACK |
5 | ANGEL |
6 | LIVIN' ON THE EDGE |
7 | TASTE OF INDIA |
8 | JANIE'S GOT A GUN |
9 | RAG DOLL |
10 | PINK |
11 | DRAW THE LINE |
12 | FALLING OFF |
13 | STOP MESSIN AROUND |
14 | BACK IN THE SADDLE |
15 | KISS YOUR PAST GOODBYE |
16 | WALK THIS WAY |
17 | NOBODY'S FAULT |
18 | DREAM ON |
19 | CRYIN' |
20 | DUDE(LOOKS LIKE A LADY) |
・・・ENCORE・・・ | |
21 | FULL CIRCLE |
22 | WHAT IT TAKES |
23 | SWEET EMOTION |